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地図表示ライブラリ Leaflet がウクライナ支援を呼びかけ

OpenStreetMap を使ってウェブサイトに地図を表示できる JavaScript ライブラリ Leaflet のトップページがいつもと違う掲示になっています。

通常のドキュメントやダウンロード、プラグイン情報などはこちらに退避され、トップページ全面にてウクライナ支援に関する作者/メンテナー一同の意見表示が行われています。

Leaflet の作者はウクライナ・キエフ市民のウラジミル・アガフォンキンさん(Vladimir Agafonkin) @mourner

ロシア軍の爆弾が降り注いでいるため、家族と共にキエフは脱出したところだそうです。

このページに署名している「Leaflet メインテナー一同」は、Leaflet ユーザーに対する、各国の政治家への働きかけや平和を求める活動への参加、Safelife.in.uaウクライナ赤十字への寄付の呼びかけなどを書いた上で、

「人道に関する訴えがあなたに効かないのであれば、あなたの利己主義に働きかけましょう。ウクライナ市民の将来は Leaflet の将来でもあります。」

If an appeal to humanity doesn’t work for you, I’ll appeal to your egoism: the future of Ukrainian citizens is the future of Leaflet.

言いたくてこんなことを書いてるわけではないでしょう。戦争で家を追われた作者の悲痛な気持ちが伝わってきます。

GitHub 上のソースコードのReadmeも同様に書き換わっていますGitHub はロシアからのアクセスを遮断しないことを表明しました。これも賛否あるかもしれませんが、ロシア国内のLeafletユーザーがこの主張を目にするだろうことを考えると、遮断で見えないよりも情報量はありますね。

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[冬至・夏至] あなたの近所のストーンヘンジ的道路がわかる地図

Solstice Streets (冬至・夏至の通り) は、夏至や冬至の日に太陽が昇ったり沈んだりする方角に向いた道路を見つけるための、特殊な地図です。

イギリスの古代遺跡ストーンヘンジでは、夏至の日や冬至の日にたくさんの人が集まるお祭りがあるそうです。

Stonehenge Sunrise
Mark Grant – Creative Commons Attribution 2.5 Generic

これは一年のうち夏至の日にだけ、ストーンヘンジの北東から中心部にかけて日の出の光が差し込む様子を見るためのお祭りということ。

ストーンヘンジ以外のスコットランドやアイルランドの古代遺跡にも、方角に関して同様の配置が見られるそう。昔の人たちが、昼の長さの変化が逆転する冬至や夏至の日とその時の太陽の方角に何らかの特別な意味を見出していた証拠かもしれません。

Solstice Streets の作者 Demeter Sztanko さんは、その方角という痕跡を、道路にもあるのではという仮説のもと作成した地図になります。

世界の主要都市について、Open Street Maps を使って、冬至と夏至に日の出・日没が見られる方角を向いた道路を表示させることができます。

東京版の地図がこちら

夏至の日の出・冬至の日の入りとなる方角を向いている道路は赤い線、冬至の日の出・夏至の日の入りとなる方角を向いています。

画面左側の分布チャートを見る限りでは、東京の道路は東西や南北に走るものが他より多く、ストーンヘンジ的な方向の道路は特に多くは無いようです。オレンジ色に引かれた道路の中に明治神宮の表参道があったので、Google Earth で冬至の日の日の出が本当にこの方向で出てくるのかを確認してみました。

方角は確かにあっているようですね。明日の冬至の日の出も、表参道では通りの奥に実際に見えるのでしょう。

夏至の日の入りを同じ表参道から表示するとこんな感じに。

東京が比較的新しい街だからかと思い、京都(大阪)版も見てみましたが、

考えてみれば京都こそ東西南北の方角ばかりの碁盤目状の街でしたね。

西大橋という橋が赤い線の向きでしたが、これはたまたまそういう向きなだけかもしれません。

日本の主要都市ということで14か所が見られるようになっています。札幌熊本に方角が揃っている道路が固まっている場所はあったのですが、それも本数がそれ以外の方角に比べて多いというわけでもないので、建設時に偶然そうなっただけなのかなと思います。まあ、イギリス周辺の古墳にある特徴というだけなので、日本の都市にそんな仕掛けがあったら驚きでしょう。

日本では古代のロマン的発見はなさそうですが、近所に「偶然ストーンヘンジ的な方角の道路」があれば、冬至の日に散歩にでも行って日の出・日の入りを見てみるのもいいかもしれません。

via Maps Mania

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Wheelmap.org – 車椅子アクセスのウィキペディア

Wheelmap は、車椅子で入れる場所かどうかを地図上に表示してくれるwebサービスです。

場所の種類や、アクセシビリティの対応度合いを選ぶことで、絞り込んで表示することができます。

スターバックスやタリーズなどいくつかのチェーン店の情報はかなり入力されているので、企業が持っているデータを企業自身やチェーン店のファンがまとめて登録しているのかもしれません。

情報がないところには、車椅子でのアクセスが可能かどうか、トイレへのアクセスはあるか、場所の画像などを投稿し、地図の改善に貢献することができます。

投稿されたデータは OpenStreetMap のデータの一部として蓄積され、ODbLライセンスの元で自由に利用できます。

AndroidアプリiOSアプリも存在します。

車椅子対応の有無については、Googleマップでもたまにユーザーに訊ねてきますし、情報を拡充しているようですね。

ユーザー投稿の正しさの保証とか、登録する情報の判断に関して揉めたりとか、Wikipedia でも起こっているような問題は起こりうるのでしょうけれど、多くの人の手で正確な状況が共有されることで、車椅子やベビーカーでの移動の計画が立てやすくなるのだろうと思います。