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ネットの事件

WordPress創業者マット・マレンウェッグ氏がtwitterの良いとこ探し、開発者を勧誘

今も世界中で使われているオープンソースのブログツール WordPress を作ったマット・マレンウェッグ氏が、ツイッターアカウントにて面白い呼びかけをしていました。

ツイッターの中にもとても良くできている機能がある。もしあなたがその開発者だったらうちで仕事しないか、という呼びかけです。

# 文末の HMU(Hit me up) は連絡してよ、という意味。

twitter 社の大量のリストラが話題になっていますが、こういうリストラは部署単位や機能単位で行われているため、リストラに遭った社員本人の能力の問題というよりはその部署にたまたま居た不運の方が大きいでしょう。実際、必要不可欠な人材までリストラしてしまったとかで、呼び戻しが始まってるというニュースもありますね。

このツイートは、WordPress の長年の改良でwebサービスにどんな機能が求められているか熟知しているマレンウェッグ氏の視点で、twitter のサービスやアプリが持っている機能のどこを評価しているか、それを自分のサービスにも採用したがっているか、という点ですごく勉強になるものだと思います。

勧誘の中でツイッターの優れた機能実装として挙げられているのは、

  • 埋め込み機能 (tweetを他のwebページに表示する機能?)
  • ウェブアプリ ( twitter.com )
  • 関連ツイート
  • 通信環境が悪い時のアプリの動作

この機能を作ったエンジニアにとっては誉め言葉ですよね。言われてみればここであがった機能が止まったりバグったりはあまり見ていないかもしれません。

ネット環境が貧弱な地域を回ることが多いが、そういう場所で twitter は安定していることが多い、という証言をする人もいました。あまりそういう観点で twitter を評価したことはなかったな。

買収のゴタゴタでいろいろな人が twitter への不満を述べていますが、その中でポジティブな方法で実装を褒め、うまくいけばそれを作れる優秀なエンジニアを勧誘するというのはいい感じだなと思いました。

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社会

ワードプレスのソースコードから8年間懸案の変数名「おしっこ」が除去

ブログツールとして世界中の多くのサーバで使われている WordPress のソースコードの、数限りなくある中のちょっとした修正は、変数名の”pee”と”tinkle”を書き換えるというものでした。


-442 function wpautop( $pee, $br = true ) {
+442 function wpautop( $text, $br = true ) {

wpautop()という関数は、ブログ記事のテキストに2行以上の改行があった時、それを<p>タグに置換する、という働きをします。

「WordPress(wp) が自動(auto)で p(タグ)をつける」といったあたりから命名された関数だろうと思いますが、WordPress の歴史は長いのでこの関数も昔から存在していたようです。

それで、この関数を書いた誰かは「オートでPする」の響きからの連想か、引数名に $pee(しっこ、幼児語)を使う言葉遊びをしてしまったようですね。

その後のどこかの時点の修正で $pees をループで一つずつ処理する際に、取り出す変数を $tickle (こちらも しっこ、幼児語)が使われています。

# tinkle というとリトルスターぐらいしか連想しませんが、そんな意味もあるんですね。

WordPress の公式バグ管理システムからは、8年前のチケットで初めてこの二つの変数名についての指摘がなされたことがわかります。

8年前は lead developer らから「単なるプログラマージョーク」「ユーモアを消すことはない」などと相手にされなかったようですが、3か月前にチケットが再オープンされ、今回は修正するということになったようです。

コードの差分を見るとわかるように、大量に修正箇所はありますが基本的に変数名と関数名の置換がほとんどです。$pee は #text に置き換えられていて、たしかに $pee よりはこれが何を保持しているのかわかります。

今回修正が通った際の core committers の反応は、「ワードプレスの成長に応じて、コード中のジョークやユーモアに対する耐性は減っていると思われる」「より多くの人をインクルーシブに受け入れることは重要」といったようなもの。

まとめると

  • 英語圏の人にしかわからないジョーク
  • 変数には変数の役割を表す名前を付けた方がコードを読む人の助けになる
  • 不快な人もいるならユーモアで済ませられない

といったあたりでしょうか。「個人としては気にしない/好きだが WordPress がこのことで避けられると困る」みたいな人もいるかもしれません。

時代の変化かもしれませんし、8年前の却下が妥当だったか、今回の修正が妥当だったかも人によって意見はわかれるかもしれません。ソースコードやコメントで遊ぶというのはプログラマーなら身に覚えのある人は多いと思いますが、完成品ではなくコード自体が広く配布される場合、遊んだ内容が誰かを不快にするものではないかという意識もあったほうがいいんでしょう。

WP Tavern via reddit/programming

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ネットの事件

有名WordPress プラグインのYoast SEO、500万+のブログ管理者に望まぬバナー広告を表示

Yoast SEOといえば、ワードプレスのSEO対策をしてくれるプラグインで最も有名なもののひとつです。

そのプラグインが、北米の国民的特売日であるブラックフライデー前に、ワードプレスの管理画面に派手な広告バナーを勝手に表示した、として騒ぎになっています。

バナーのサイズは 1015px x 102px、しかもYoast プラグインのページではなく管理画面のどのページにいっても表示されたそう。

Yoastプラグインのサポートフォーラムもたいへんなことになってます。

無料で使えて信頼もあり、2万5千件以上ある過去のレビューのほとんどは星5つなのですが、今回の件で雪崩のような不評コメントが延々と続いています。

WordPress のプラグインサイトによれば、アクティブなインストールが500万以上あるということで、この広告を見せられたブロガーの数もたいへんな人数になるでしょう。

高品質のワードプレスpluginによくある、追加機能を有料で買えるフリーミアムなビジネスモデルでやっているようですが、有料ビジネスがうまくいっていないのか、広告バナーを一斉配信できる立場での誘惑に逆らえなかったのでしょうね。競合プラグインもあるので、人気や勢力図の入れ替わりもあるかもしれません。