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Ted Nelson's lecture

昨日3/9,デジハリ大学院にて,テッド・ネルソン(Ted Nelson)さんの特別講演をきいてきました.

若い頃の彼は映画を製作したり雑誌を刊行したりとメディア制作に携わっていたらしいのですが,そんな彼がコンピュータに始めて触れたのは学生時代.直感的にコンピュータがメディアマシンであることを理解し,人類の未来はコンピュータスクリーンにあると確信したとか.自分の人生が何のためにあるのかが分かった!技術者にテクストの未来を託すことなどできないと思いたったのだそうです.

彼のいうトラディショナルなコンピュータの概念とは,Hierarchic,紙のメタファ,1 File=1 Documentの3つであり,1970年代のゼロックス・パロアルト研究所で形成されたもの.なぜ,現在のようなコンピュータ環境になってしまったのか・・・.それはResolution of agenda(直訳:隠された意図の結末)であり,ゼロックスはプリンターを売りたかったのだという説明には,なかなか説得力がありました.

一方,ネルソンさんのAgendaは,「紙よりも自由に,便利に,コンピュータならではのやり方でテクスト(に限らないが)を扱う」こと. 「世の中の全てはパラレルかつクロスコネクテッドである!」 という信念のもと,Xanadu(http://www.xanadu.com.au/)を提唱してきたわけです.

提唱している概念が世の中でうまく機能しているかどうかは別として,人生かけて戦っている人の話は面白いです.

レクチャーの最後に,彼が今やってみたい事は,EDL(Edit Decision Lists)を利用したマイクロペイメントの仕組みであるという話がありました.
(参照 http://www.edlmax.com/maxguide.html

彼が実現したい事は・・・

  • もっと自由に引用を可能にする環境
  • 作者が直接恩恵を受けられるような環境
そのためには次のような仕組みにすることが必要
  • もっと自由にコンテントの引用ができる(必要な手続きを簡単に,必要な箇所だけ)
  • 引用したものがオリジナルのコンテクストに繋がっている
  • 逆に,オリジナルからどう進化・派生したのかをたどることができる

彼の提案するマイクロペイメントの仕組みがどのように機能するのか,私にはうまくイメージできませんでしたが,EDLについては少し調べてみようと思いました.ラボでの個人プロジェクトである「音のCMS」のなかで,引用,リミックスの行為をどのように支援するかという課題の参考になるかもしれずと.

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