高機能暗号
概要
インターネット上で広く使われているAESなどの暗号方式は、暗号化して復号する操作しかありません。 また、サーバの証明書などで利用される署名方式も、署名する・検証するということしかできません。
高機能暗号は、それらの暗号方式や署名方式の基本機能に加えて、暗号化したまま演算できる準同型暗号や、署名を集約したり、プライバシーを高めたりする暗号技術一般を指します。
集約署名
複数の署名をまとめて一つにし、検証時のコストを下げられる署名です。 また、複数人が署名した署名のうち、どの組み合わせでもよいので事前に決めた個数を集めると、全員が署名したのと同等の署名を復元できる署名アルゴリズムもあります。
これらの機能実現するのに必要なペアリングライブラリやBLS署名ライブラリを開発し、オープンソースソフトウェアとして公開しています。
これらのライブラリは主にEthereumの合意レイヤー(旧称 Ethereum2)を扱う多数のブロックチェーンプロジェクトで利用されています。 mcl-wasmは2021年からの総ダウンロード数は2000万件を超えています。
入門書・専門書
暗号技術を基礎的なところから解説した『図解即戦力暗号と認証のしくみと理論がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社 2021)や、集約署名や準同型暗号などの高度な暗号アルゴリズムを解説した『クラウドを支えるこれからの暗号技術』(秀和システム 2015)などを執筆しています。