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2007年10月30日
書評: SEOスタンダードガイド
献本していただいたもの
SEOスタンダードガイド/加藤学(ヒューゴ)・コンプレックス著/毎日コミュニケーションズ
ちょっと前は、SEOの本というといい加減な本が多かったのだけれど、この本は一冊を通しておかしなところがなかった。
SEOというのは本当の理屈は検索エンジン各社の内部に隠されているので、すべては試行錯誤の実験結果から類推するしかないため、「絶対正しいSEO本」というのは書けないものだ。唯一書けるとしたら仕組みを作った検索エンジン各社の退職者だろうけど、彼らは契約でいろいろ縛られているだろうし。
結局、いろいろなSEOエキスパートが実験したり相談したりブログで公開していたりする情報を集めて、追試して、確度の高いものを拾う、ということでしかSEOの専門家にはなれない。
以前は効いた手法が、検索エンジンの対応によってSEOスパムになる、ということは多々ある。SEOの解説は、どれだけ無効になった対策を把握しているか、というのも重要だけれど、この本では2007年前半ぐらいまでのSEOエキスパート達のコンセンサスをよく追っている。
[書評に関する注意書き]
- 貰って書いた本についてはその旨記述する
- このブログはサイボウズ・ラボの社員ブログなので、秋元個人に献本いただいても、何でも自由に書けるわけではない。
- もちろん、書評以外の他のブログエントリもそうだが、社員ブログではあってもサイボウズ・ラボ全社やサイボウズ・グループの意見を代弁してるわけではない。
- 献本いただいても必ず読めるわけでも、ご紹介できるわけでもない。読書の速度は遅いので、発売前や発売直後に送っていただいても、ご紹介が半年後になるようなこともある
どう書く?org ベータリリース
どう書く?orgにβ(ベータ)の文字が!
DecentURL : cool URLに短縮してくれるサイト
via del.icio.us/popular
tinyURLだと、既存の長いURLから短いURLを作ってくれて、転送してくれる。
DecentURL(上品なURL)というサービスは、短さはそこそこだけれども「読みやすい転送URL」を作ってくれるというサービス。
作り方は、簡単にしたいURLを入れて"Make it decent!"ボタンを押すだけ。何かURLに含めたい文字があれば、それも指定できる。日本語はだめだけど。
この仕組みだと、早い者勝ちで何でも取られちゃうんじゃないか、と思ったけれど、入れた元のURLのドメインも流用しているので、あまり無茶なことはできないようだ。
このブログのURL
http://labs.cybozu.co.jp/blog/akky/
を、そのまま入れると
http://www.decenturl.com/labs.cybozu/blog-akky
となった。
"decent title"に"Google"と入れたら、
http://www.decenturl.com/labs.cybozu/google
という風になった。
2007年10月25日
PHPでメッセージキューを使う
先週、株式会社ノッキングオンの会議室で行なわれた第28回PHP勉強会で、飛び入りで10分ほど発表させていただいた話をこちらに起こすことにした。
発表の題は「PHPでメッセージキューを使う」。10分の発表なので一番基本的なサンプルまで。
もともと、Perl系の人たちが「TheShwartzいいよ」と盛り上がっていた夏頃に、ちょっとうらやましくなってPHPでメッセージキューを扱うソリューションを調べたもの。数ヶ月放置してたが、個々一番さんが「最近気になってる」というので、はなはだ初歩的なところまでしかわかってないけど説明した。
TheSchwartzのように、スクリプト言語とDBサーバでキューを実現するという意味だと、PHPではPEAR::Mail_Queueがメールのバッチ送信に特化しているけど近いみたい。ただこれは使ったことないので質については不明。
今回デモしたのは、メッセージキュー自体はJavaのオープンソースサーバを利用するというもの。
道具立てとしては、
- Apacheが出しているJMSの実装ActiveMQ
- CodehausのPHP版Stompライブラリ
の二つ。ActiveMQは、デフォルトでStompプロトコルもサポートしているので、Stompを話すコードを書くか、自分の使っている言語でStompライブラリを探せばよい。
Stompライブラリのほうは、SubVersionでのみ公開。一ファイルだし中身もとても短いが、PHPからActiveMQを(というかStompプロトコルに対応したサーバを)呼び出すことができるライブラリ。
ActiveMQのインストールと実行
Windowsの場合を書く。すごい簡単。
- Javaが入ってなければインストール
- ActiveMQダウンロードサイトから最新版(4.1.1)をダウンロード。zipを適当な場所に展開。(例: C:\work\apache-activemq-4.1.1)
- コマンドプロンプトで、展開した場所へcd
- cd bin
- activemq.batを実行 (Windowsの通信ブロック解除ダイアログが出たら解除)
これで、設定ファイル conf/activemq.xml の設定でActiveMQが動く。ローカルで実験するだけならそのままのactivemq.xmlでも動いた。
PHP Stompライブラリの準備
php.ini の以下を有効にしてsocket関数を使えるようにしておく。
extension=php_sockets.dll
PHP5だったら、SubVersionから取ってきたままのStomp.phpでは古い書き方のせいで警告が出る箇所が有るので、それらは3箇所の "&$" を "$" に置き換えれば消えると思う。
あとは、Stomp.phpをinclude_pathに置くなどして、requireできるようにしておく。
PHP Stompライブラリを呼び出す生産者スクリプトを書く
ライブラリファイルStomp.phpが呼べる状態になっているとして、Publisher側はこんなコード。
<?php
/** キューの生産側サンプル */
// ライブラリ読み込み
require_once 'Stomp.php';// ローカルホストのStompサーバに接続
$connection = new StompConnection("localhost");
// TBA: エラー処理。ライブラリ中でdieしてるのでライブラリも要修正// 接続パスワードは今は何でも通し
$handler = $connection->connect("akky", "dummypassword");
// TBA: エラー処理
//print_r($handler);// メッセージを作る
$message = "Hello World! The time is " . date("h:i:s");// キューの識別子を与えて、メッセージを送る
$connection->send("/queue/miaumiau", $message);echo "I've sent [$message]!\n";
// 接続を切る
$connection->disconnect();
?>
これを、
- php Publisher.php
と実行すると、キューにメッセージを投げる。2回呼べば2つ投げる。
PHP Stompライブラリを呼び出す消費者スクリプトを書く
消費側はこんな感じで。
<?php
/** キューの消費側サンプル */
// ライブラリ読み込み
require_once 'Stomp.php';// ローカルホストのStompサーバに接続
$connection = new StompConnection("localhost");
// TBA: エラー処理。ライブラリ中でdieしてるのでライブラリも要修正// 接続パスワードは今は何でも通し
$handler = $connection->connect("akky", "dummypassword");
// TBA: エラー処理
//print_r($handler);// キューの識別子を与えて、メッセージを受ける
$connection->subscribe("/queue/miaumiau");// 無限ループで受信を続ける while (true) { // キューから一個取得 $gottenFrame = $connection->readFrame(); //print_r($gottenFrame);if (array_key_exists('message-id', $gottenFrame->headers)) {
// 受け取り確認を発行
$connection->acknowledge($gottenFrame->headers["message-id"]);
echo "Received [" . $gottenFrame->body . "]\n";
} else {
// 何かが変
echo "invalid frame\n";
break;
}
// サンプルはぐるぐる回してもいいけど、まあ適当な間隔で処理するイメージ
sleep(1);
}
// 接続を切る
$connection->disconnect();
?>
こっちを、別のシェル/コマンドプロンプトを開いて、
- php Subscriber.php
と実行すると、キューにメッセージがあれば取り出して表示する。Subscriber.phpを起動したままでPubslisher.phpを起動すれば、キュー経由でメッセージが届いていることも確認できる。
実運用では、エラー処理をして、アクセスに認証をかけ、キューのIDを分けることでたくさんのキューを同時に扱い、localhostじゃなくて別サーバに分けて、みたいにいろいろとやることはあると思う。
CodehausのStompプロトコルのサイトでは、Codehausのものや他のものも含めて、いろいろな言語でのStompクライアントライブラリの情報が載っている。C/C++/C#&.NET/Delphi/Flash/Java/Perl/PHP/Pike/Python/Ruby/Smalltalkなど。
なので、Webアプリケーションの場合でも、ユーザからの入力によって発生したバックエンド側への指示をメッセージとしてActiveMQに投げることで、まったく別の言語のバックエンドと連携させることができそうだ。キューサーバーは別マシンにも置けるので、複数台に処理を分散させるときにも使える場合があるだろう。
僕は職業Javaプログラマじゃなくなってから何年も経っているので、ActiveMQという選択が今妥当なのか、ActiveMQの実運用性とかどこまで捌けるのか、とかはわかってない。Javaの詳しい人の突っ込みをお待ちしている。
ActiveMQは出力をRSSにしたりという機能もあるようで、
また、PHP勉強会での発表後に、興味あるのでうちでも遊んでみる、という声も聞いたので、負荷実験とか実サービスへの適用試行とかやってくれれば、僕もぜひ、どんなもんか聞きたいと思っている。
[参考]
Javaの理論と実践: 次期エンタープライズ・アプリケーションにJMSの採用を
メッセージキュー自身の解説と、使いどころの例示がある。
PHPからAmazon Web ServiceのSQSを使う
有料だけど自分でメッセージキューサーバの管理しなくて済む。
2007年10月24日
Alexa(アレクサ)の統計データの問題点
MarkeZine併載コラム 第八回
このシリーズは、Markezineの連載との併載になっている。説明図なども作ってもらっているのでマーケジンのほうが読みやすいかもしれない。
アレクサの問題点
前回は、アレクサの統計データを誤解してしまうケースについて説明してきました。今回は、統計データ自体の問題点を指摘していきます。
- 有名ブロガーによる問題提起
- サーバ側の統計とつきあわせたユーザ達
- 国(言語)単位でのデータ数増減の不均衡
アレクサのデータ提供者に偏りがある
オンラインゲームや携帯電話サイト、Windowsユーザ以外について測れないのは前回解説の通りですが、WindowsでInternet Explorerを使っているユーザであっても、必ずしも正確なデータが取れているとは限りません。
アレクサに統計データを提供している人たちは、アレクサのツールバーをインストールしている人たちです。決してランダムに選ばれているわけではありません。それが問題となる場合があります。
アレクサのデータ提供者が何千人、あるいは何万人いるのかは非公開なのでわかりません。しかし、多いとはいってもインターネットの全ユーザからみれば微々たるもののはずです。
Googleの人気ブロガーによる検証例
実例をあげましょう。Googleの検索品質チームで働き、検索とSEOに関するブログで有名なMatt Cutts氏が、彼のサイトのAlexaトラフィックの異常さをブログで指摘した件は有名です。
Askといえば、日本でもAsk.jpを展開している検索エンジンです。グーグル、ヤフー、マイクロソフトLiveの三つには引き離されていますが、それでも世界4位のシェアを持つ検索エンジンで、数パーセントであってもユーザ数、アクセス数は膨大なはずです。
しかし、Matt Cutts氏は、彼のブログのAlexaトラフィックをAskのそれと比較し、Askの4分の1ものアクセスが彼のブログにあることになっているのを発見しました。
彼のブログは確かに人気ブログですが、ニュースやブログなどでの取り上げられ方や世の中の一般ネットユーザの認知度からいってもこの結果はありえません。
彼のブログを購読するような人のほとんどが、SEO業者やSEOに興味のある人で、そのような人たちはAlexaツールバーをインストールしている割合は、一般のネットユーザよりもはるかに高いはずです。そのために、Alexaのデータ上ではありえないほど大きなトラフィックがあるように見えてしまったのでしょう。
このブログに限らず、SEO関係の人気サイトやブログは、Alexaの統計では実際のアクセス数よりもかなり上位に出る傾向にあることが知られています。
ユーザによるサーバ側統計とのつきあわせプロジェクト
アレクサのデータの信頼度を調べるために運営されているこのようなサイトもあります。
Alexaのランキングと、実際にアクセスしたユニークビジター数の相関を、さまざまなサイトの運営者からデータを集めることで求めようというプロジェクトです。
このプロジェクトにデータを提供しているのは、サイトにやってきた匿名のサイト管理者なので、入力されたランキングとサーバサイドのデータが正確かどうかという保証はありません。
それでも、たとえイタズラによる嘘の入力があったとしても、これだけ多くの参加者が無意味に違う数値をわざわざ入れるとは考えにくいです。ここは、ほとんどのデータが事実であるとして話を進めます。
グラフ中の線が、全体的な相関関係を代表したものとなります。なんとなく、ランクが上のほうが実際のアクセス数が多そう、という相関関係が見られて、グラフ中にも相関の線は引いてあります。
しかし、個々の点が線から大きく離れているケースも、かなりあることがわかります。Alexaでのランクは高いのに、実際のアクセスは非常に少ないサイトもあれば、Alexaでは低い評価でも、同じランクの他のサイトに比べて10倍以上のアクセスがあったり、というのもそこそこあるようです。
このような実状を知っていれば、Alexaで出てくるランキングやトラフィック量を成果測定や広告効果の推定に使うのは危うい、というのは自然と導き出されるのではないでしょうか。
国ごとのデータ提供者数の変動が大きい
Matt Cutts氏の例のように、アレクサのツールバーを入れるか入れないかによって、特定のカテゴリのドメインが実力以上に高く集計されてしまうことが起こりえます。
この現象が非常に大きな形で出てくる別の事例が、国、より正確には言語によるツールバー普及数の変動です。
アレクサの統計データがウェブ全体のトラフィックをより正しく切り取るためには、アレクサ・ツールバーを使うユーザが偏りを持たないことが条件となります。
しかし、アレクサやアレクサ・ツールバーの存在はどのようにして知られ、普及するのでしょうか? それは、この連載を含むウェブサイト運営者向けの情報サイトでの解説記事や、ブログなどでの紹介によるものでしょう。
でも、全世界のユーザに対して一斉に同じ記事やブログが影響を及ぼすことはありません。その最も大きな要因は、言語の壁です。この連載の記事が公開されたときに、アレクサのことを知ってツールバーをインストールするのは、日本語の読めるユーザだけですから、そこでは日本語のサイトをよく見る、あるいはほとんど日本語のサイトしか巡回することがないユーザです。
このように、ある言語でアレクサが紹介され、その言語内で突然、アレクサ・ツールバーの普及率が高まる、という現象は実際に観測されています。実例を見てみましょう。
モンゴルのデータを例に、アレクサの統計の弱点を検証する
Alexaでは、国別のトラフィック上位サイトをランキングしているので、モンゴルの上位サイトを見てみます。
ここから、モンゴル向けにのみモンゴル語で提供されている上位サービスについて、いくつか過去5年間の統計データを見てみましょう。
さて、アレクサのデータからすると、モンゴルで上位の人気サイトは、どれも2007年に入ってから10倍近いトラフィックの伸びをしめしています。モンゴルで携帯電話の普及が伸びているというニュースはどこかで見ましたが、ウェブの利用が一年もしないうちに本当に10倍に伸びたのでしょうか?
他の指標とつきあわせるという意味で、モンゴルの政府統計公報を見てみます。幸い、モンゴル語と英語の併記となっていました。公開されている最新の2007年6月版 [pdf]によれば、インターネットの利用料金も、インターネットアクセスの提供規模も、2006年とほとんど変わるところがありません。
次に、モンゴルの国別ドメイン(.mn)で、アレクサ(alexa.com)について語られているページを検索エンジンで検索してみます。
出てきたほとんどのサイトはモンゴル語で読めませんが、いくつか開いてブログらしいものの日付を見てみると、早いもので2006年の10月、多くは2007年の言及です。
この例から読み取れるように、モンゴル語圏のウェブでは、2006年の終わりごろからアレクサとアレクサ・ツールバーの存在が知られるようになり、それに呼応するようにモンゴルでサービスをしているネットサービスの多くが、実際にはありえないほどの伸びを、それもほぼ同じ伸び率で記録していることになります。
今回たまたまモンゴルを対象に調べてみて、例として出すには極端すぎる結果が出たので私も驚いたのですが、モンゴルの場合はネット人口もですが総人口自体が小さいこともその理由かと思います。以前ベトナムでも同様の調査をし、主要なベトナムのサイトについてアレクサの統計がある期間に突然2倍になったのもわかっています。
世界でのツールバー普及動向に翻弄されるトラフィック統計
欧米や日本では、アレクサ・ツールバーはかなり以前から知られていて、SEOの業者やサイト運営者にはインストールしていた人も多くいました。その後、このツールバーをスパイウェアと認定して(見ているサイトの情報を送るという意味では、アレクサが信用できなければそういう考えもできるでしょう)削除するウィルス対策ツールが登場したりと、ツールバー利用者の数は伸びていません。
しかし、最近になってネットが普及してきたような国では特に、今アレクサが知られ、ツールバーが大量にインストールされているという事情があります。そのために、全世界の統計に対する割合でトラフィックの数値やグラフが出るアレクサでは、実際のトラフィックが減少していないにも関わらず、アメリカや日本でサービスを行っているサイトの数値が最近になって減少してきているように見えてしまうのです。
米国のユーザからは米国外の、特に非英語圏のネットの情勢は注目されにくいため、この要因に関しては英語圏でもまだあまり広まっていない話ですが、筆者としてはこの要因はかなり大きく、アレクサの統計データを使って特定の国(言語)のウェブ市場の浮沈を語ることをほとんど不可能にしていると見ています。
今回のまとめ
アレクサにデータを送っている人の構成によって、アレクサの統計データは簡単に変化してしまうことがわかったと思います。
アレクサのトラフィックデータは、単体でそれのみを使って何かを判断するには向いていないデータだといえます。
最近は、アレクサのグラフで語ることの危険性が多少理解されてきたようで、以前のような断定口調の記事やブログは減り、「あくまで参考資料」というかんじで添えられることが多くなったように見えます。
また、アレクサの競合サービスから統計やグラフを持ってくるケースも増えてきましたが、その競合サービスがどのようにデータを集めているのか理解していないと、結局同じ失敗を繰り返しているだけになる、というのは注意を喚起しておきたいと思います。アレクサの競合サービス達については、この連載の後の回でまとめてご紹介しようかと考えています。
2007年10月23日
Google翻訳が自社製エンジンに移行
via del.icio.us/popular
Unofficial Google Operating Systemブログ(Googleとは関係ない)によれば、Babelfish翻訳と同じSystranのシステムを使っていたGoogle Translateのエンジンが、Google自家製のシステムに変更されたらしい。
アラビア語、中国語、ロシア語についてはこの独自システムを前から使っていたそうなのだけれど、今回の切り替えで全言語について独自システムで翻訳するようになったとか。Google翻訳のヘルプの方にも自社製エンジンであることが書かれている。
先月、
マイクロソフトのLive翻訳が出た時に各社の翻訳結果を比較してみたが、そのときのGoogle翻訳(by Systran)と、現在の翻訳を比べてみよう。
今回も同じ原文を使う。これがそう。
オリジナル: オライリーのWeb2.0記事の冒頭
The bursting of the dot-com bubble in the fall of 2001 marked a turning point for the web. Many people concluded that the web was overhyped, when in fact bubbles and consequent shakeouts appear to be a common feature of all technological revolutions.
以前のGoogle 翻訳
2001の落下のドット・コムの泡の破烈は網のための分岐点を示した。多くの人々は実際は泡および必然的なshakeoutsがすべての科学技術回転の共通機能のようであるとき網がoverhypedあったことを結論を出した。 Shakeoutsは普通上昇的な技術がセンター・ステージで場所を取って準備ができているポイントを示す。
今のGoogle 翻訳
破裂して、ドットコムバブルは、 2001年の秋に、ウェブ用のマーク転機します。多くの人が結論を下したことは、ウェブoverhyped 、実際の泡と帰結shakeoutsときに表示されるすべての機能を共通の技術的な革命します。
翻訳の精度については現状ではどっちもどっちという気がするが、翻訳システムが切り替わったことだけは間違いなくわかる。この後は自社で改良を続けていくだろうから、Googleの頭脳で翻訳精度が改善されることを期待したい。
[追記]
Read/WriteWebも、フランス語から英語での翻訳結果で新翻訳エンジンの精度を評価してレポートした。Systranを使っているBabelfishと並べているところも同じ。翻訳結果に対する評価は、合ってるところも的外れなところもある、というもの。実用的には人間による翻訳のレベルにはまだまだという評価。
明日のサイボウズ10周年記念イベントでお会いしましょう
「サイボウズ10周年記念イベント」がイベント名だったのね。いよいよ明日となった。
明日は、来場者にサイボウズ・ラボの社長自ら開発した新グループウェアのアカウントが配られるということ。グループ内ではもう日常的に利用しているわけだけれど、パッケージ製品としての既存製品とはまた違ったものになっているので興味がある方はぜひいらしてほしい。
僕自身は、展示会場のサイボウズ・ラボのところにいることも多いかと思うので、ぜひ会いに来てください。とくにここ数日はブログへのコメントがすごく増えているので、罵倒とかしたい人もどうぞ(できればお手柔らかに)
投稿者 秋元 : 17:33 | コメント (2) | トラックバック
ビデオ情報革命 information R/evolution
del.icio.us/popularで見つけたが、POLAR BEAR BLOGのakihitoさんがすでに日本語字幕まで作成されていた。
POLAR BEAR BLOG: 情報革命が5分で分かる - information R/evolution
とても良かったのでお時間のある人はぜひ。
BitTorrent Conference 2007へ行ってきた
BitTorrent Japanというのが設立されていたようで、BitTorrentのクライアント網をビジネス向けコンテンツ配信に使うというエンタープライズ向けのビジネスを日本で開始しているようだ。
そのBitTorrent Japanが、プロトコル設計&実装者のBram Cohen氏も呼んで説明会をする、という話が知り合いから来たので、聴きに行ってきた。
新聞社やオンラインメディアの記者さんたちがたくさんいたので、ニュースでも出ているとは思う。
何をどうやってビジネスにするのか、自分でも疑問だったので、理解した範囲でまとめると、
- BitTorrentのネットワークは、BitTorrentユーザのPCや帯域を集めて、コンテンツをユーザの近くにキャッシュでき、その結果巨大なファイルの配布が高速になる。コストも安い
- BitTorrentユーザに便利な、BitTorrentクライアント内蔵のルータやNASを周辺機器メーカに作ってもらう(展示で各社出していた)
- 動画や音声などサイズの大きなコンテンツを売るコンテンツベンダーに使ってもらう
ということ。米国などではユーザ数が多くてネットワークも大きいのだけれど、日本ではWinnyとWinny事件の影響(メディアや一般の人のP2P嫌い)があるとも。そのへんは遵法のトラッカーサイトを作ったりして普及に努めるそうだ。
P2Pによる分散ネットワークは、技術的にも面白いし、Skypeのように競合他社に対して優位性を実際に出している実例もある。現在のP2Pアレルギーは残念だが、P2P技術自体に問題があるわけではないし、これはこれで、あってもいいサービスだなと感じた。
懇親会で、Bram Cohenさんと一緒に写真撮ってもらって、サインも貰った(ミーハーだ)。なんといっても、技術で世界を変えようとしている一人だもんな。
あと、カレンの四家さんに会場で紹介いただいた、BitTorrent Japanの戦略顧問の古株さんという方がすごいパワフルな人だった。パワフルさはなかなか伝えにくいけど、あとで四家さんと古株さんの対談のリンクをもらったのでご紹介しておく。
カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ | MarkeZineでJストリーム古株均さんと対談しました。
ストリーミングのサーバ側の裏事情や歴史ってほとんど知らなかったので、長いけど面白かった。3回目の広告モデルの話とか、これだけ長年いろいろとやってきている人がニコニコ動画を絶賛したりとか。本当に面白いものが好きな人なんだなあ、と。
[追記] カンファレンスを受けて出たこの解説記事が面白かった。
早熟の天才プログラマ、ブラム・コーヘン
BitTorrent、立ち上がる商業P2Pネットワーク(前編)
2007年10月22日
phpspotの件のまとめ
phpspot開発日誌のKJさんからメールがあり、この週末にメールにて議論を行なってきた。お互いのブログに対する考え方が違うという結論についは合意できたので、ここでそれぞれの見解をまとめてこの件については終わりとしたい。
メールでの議論の内容については、KJさんの希望により、非公開とする。
合意の内容は以下のとおり。
- 議論の結果、お互いのブログの運営で、間違いの指摘に対する考え方が違うことがわかったとし、それぞれの考え方を説明する。
ブログで書かれた間違いの指摘や、その真偽に関する議論についての秋元の考え方は、以下の通り。
秋元は、ブログの間違いの指摘は公開コメントやブログで行い、間違いかどうかの議論などは他のブロガーやブックマーカーも含めて衆目の中全員で検証する、のがいいと思っている。
KJさん側の考え方は、最後に秋元がまとめた時点では以下だが、
KJさんは、ブログの間違いの指摘は(あればコメントで、コメントがなければ)メールで行い、メールで反応がない場合でも相手を尊重してブログでの指摘はしない、のがいいと思っている
KJさんが自分の言葉で書かれたものが公開されたので、以下も参照されたい。書かれる予定になっている。それが出たらここからその記事にリンクを張る。
(リンク予定)phpspot開発日誌 KJさんの、ブログの間違いの指摘についての考え
[関連]
phpspotの人は正規表現について語らないほうがいいのでは
phpspotの件の続報 (リンクミス修正)
投稿者 秋元 : 09:27 | コメント (3) | トラックバック
2007年10月21日
ブログ合宿参加。個人ブログを公開
この週末はプライベートでブログ合宿に参加してきた。場所は東京都大田区にある観月という、いろんな意味で面白い旅館。
ブログやブロガーに関する議論なども多数発生し、非常に面白かった。僕個人のブログ合宿の成果は、個人ブログの開設。
設置して書き始めたのはちょっと前になるけど、ブログシステムの整備とかデザインとかやって、本日公開となった。サイボウズ・ラボの社員としては関係がない、個人としての日常や、一番の趣味であるマンガの感想などについて書きたくなったら、使おうと思っている。
2007年10月19日
Free Rice 英単語クイズで世界の飢餓解消に貢献するサイト
via del.icio.us/popular
Free Riceで提供されているのは、ある単語が出てきて、それと近い意味の単語を4つの選択肢から選ぶというクイズだ。
普通のクイズサイトと違うのは、一問正解するたびに、10粒の穀物が国連の組織を通して飢餓に悩まされる世界の人たちに送られるようになっているところ。
この送る穀物の購入費用はどうなってるのかというと、クイズの下に広告を貼って、広告主が負担する仕組みになっているそうだ。広告は正当後の下のほうに小さく3つあった。かなり有名な企業が出してる。
クイズのほうは、データベース化した英単語から、回答者のレベルに合わせて調整されて出てくるそうだ。要するに、大きく違う単語を選び続けると、問題がどんどん簡単になっていくというわけ。
この仕組みで回るのかどうかはこれから見てみないとわからないと思うけれど、ユーザ参加と社会活動を組み合わせて今風のネットサービスを作った、という例として面白いと感じた。
なお、ページ右下の警告にあるように、「このゲームはあなたをより賢くしてしまう恐れがあります。あなたの話す能力、書く能力、考える能力、学校の成績、仕事の処理能力などを向上させてしまうかもしれません。」ということらしいので注意が必要だ。
2007年10月18日
phpspotの件の続報
phpspotの人は正規表現について語らないほうがいいのではを読まれたようで、記事の更新をされたようだが、まさに予想したとおりのphpspotメソッドとなっている。
僕が気づいた範囲での修正箇所は以下のとおり
- タイトル先頭に「訂正:」を追加
- 動作確認はしなかったが目視は行なった。目視ではわからなかったという弁明の追加
- 紹介された元の英語記事へのリンクの削除
- ソースコードに取り消し線
- 以前いろいろ言われた正規表現の解説ページに、注意書きと他サイトの解説へのリンク
- 問題の指摘はフォームから受付けるという告知
まず、元英文記事へのリンクを消した理由がわからない。元記事が読まれると何か不都合でもあるのだろうか。
元記事の人もコメント欄でいろいろ叩かれているけど、それに答えてスクリプトを手直ししたりしている。一旦何かについて「知っている」と書いたのであれば、それが正しくなるように努力するのが始めた者の責任ではないか。
あと「目視のチェックをした」というのは本当なのか。そんなこと明言して大丈夫なんだろうか。あれを目で見て何も違和感を感じなかった人が、正規表現の解説ページを書いているというのは問題。好意的にみれば、昔は理解できていて今はわからなくなった、という可能性もあるけど。
結局、今回の訂正でなにか正しさに近づいた点といえば、「PHP 正規表現 メール」の検索で出てくる正規表現解説というページに、 「下記、正規表現は本当に簡単なチェックで、厳密なチェックをしたい場合は別途検索エンジンなどで調べた方がいいでしょう。」と追記されたのと、別の解説へのリンクを二つ追加したこと。
この簡単なチェックもかなり間違ってると思うけれど、この間違った解説をたとえ「本当に簡単なチェック」と添えようと、phpspotのような影響力のあるページで出し続けることは問題だろう。以前も多くから突っ込まれているはずなのだが。そういうところが指摘を受付けないと書かれるゆえんではないか。どうしても自分のページで紹介しないといけないのなら、リンク先を勉強した上で自分なりの「厳密なチェック」を紹介すればいいのに。
末尾の「尚、サービスとして公開する際には実際にメールが届くかどうかをチェックするなどしてメールの存在有無を確かめましょう」もわからない。メールアドレスの形式チェックをするために実際にメールを送信しろと言っている?
phpspotメソッドにこういう指摘がある。
間違っていた部分は残さない.可能な限りうまく帳尻合わせてエントリを修正すること
- 場合によったらスミの方に情報先URLを掲載する程度で具体的に何が間違っていたのかなどは書かずにライトな対策で済ます
phpspotのKJさん、元の正規表現はどこがどう間違っていたんですか? 解説が正確じゃないことを認めてもその情報を載せ続けるのはなぜですか? 検索エンジンで上位に出てきてアクセスが多いページだからですか? たくさん人が見に来れば情報の真偽はどうでもいいの?
過去に間違いを指摘した人たちも、こんな感じで適当に流されてしまい、指摘を続ける気力をなくしたんだろうと思うし、こんな揉め事誰だって(もちろん僕だって)関わりたくないと思うけれど、これは書かずにはおれないよ。
自分の面子やアクセス数だけじゃなくて、それを読んだ読み手がどういう影響を受けるかも考えるべきなんじゃないかなあ。
なお、今も注釈つきで載り続けているコードはこれ。使っちゃだめよ。
$text = "mail@mail.com";
if (preg_match('/^[a-zA-Z0-9_\.\-]+?@[A-Za-z0-9_\.\-]+$/',$text)) {
echo "正しいメールアドレスです";
} else {
echo "正しくないメールアドレスです";
}?>
投稿者 秋元 : 15:00 | コメント (21) | トラックバック
Amazonのワンクリック特許が再審査に
via digg
ars technicaのAmazon's 1-Click patent picked apart by US Patent Officeによると、アマゾンの"1-Click"特許に関して、アメリカ特許庁は26の請求項のうち21個までを「要再審査」と決定したということ。
これはニュージーランドの個人が、ブログで裁判費用の寄付を募りながら起こしてきた再審査請求の結果らしい。その人のブログでも報告されているが、再審査とされた特許の2/3は修正か破棄につながっているそうで、アマゾンのワンクリック特許も無効となるかもしれない。
上記ニュースによれば、Appleが(音楽ダウンロードで?)この特許に使用料を払っているし、オンライン書籍販売でのライバルバーンズ&ノーブルとの特許紛争にも当然影響が出るということ。
「ワンクリックで購入できるという仕組み」がアマゾンによって押さえられていたことには長らく不満を持つところが多かったので、この特許が無効になればオンラインショッピング業界への影響は大きいのではないだろうか。
# 米国でのこういう動きが日本とどう連動してるかはわからないので、詳しい人教えてください
[追記]
日本では既に拒絶されていたんですね。このページを教えてくださったkwmrさん、ありがとうございます。アマゾンに恨みはないけど、特許庁Good Job!
[追記]
Long Tail Worldでこの偉業を成し遂げたPeter Calveleyさんのことなどもっと詳しい情報が紹介されている。
投稿者 秋元 : 08:56 | コメント (1) | トラックバック
brainscannr 英語版脳内メーカー風サイト
オリジナルの許可を取ってるかは不明。どうなんでしょう作者の人?
オリジナルの漢字は、我々漢字が直感的にわかる人には良かったけれど、表音文字である英語で単語を並べるよりは、こんなふうにエモチコンを並べるほうがわかりやすいんだろう。
I do not know if this site is stealing original idea and design. But it shows their copyright mark cleary so I assume they respect how copyright works :-)
2007年10月17日
phpspotの人は正規表現について語らないほうがいいのでは
「実用的なPHP用の正規表現x8」というphpspot開発日誌という記事で、
8 Practical PHP Regular Expressions - Web devlopment blogという、今日del.icio.us/popularに出ていた記事の紹介がされている。このサイトの記事はいつもそうだけど、はてなブックマークでも人気で、既に50名を越えるユーザにブックマークされているようだ。
1 メールアドレスチェック $string = "first.last@domain.co.uk"; if (preg_match( '/^[^0-9][a-zA-Z0-9_]+([.][a-zA-Z0-9_]+)*[@][a-zA-Z0-9_]+([.][a-zA-Z0-9_]+)*[.][a-zA-Z]{2,4}$/', $string)) { echo "example 3 successful."; }
これは、"example@so-net.ne.jp"とか"example+tracer@gmail.com"をメールアドレスではないと判定する。この簡単さだと、メールアドレスじゃないものを通してしまう取りこぼしも多いはず。
2 IPアドレス $string = "255.255.255.0"; if (preg_match( '/^(([0-2]*[0-9]+[0-9]+).([0-2]*[0-9]+[0-9]+).([0-2]*[0-9]+[0-9]+).([0-2]*[0-9]+[0-9]+))$/', $string)) { echo "example 5 successful."; }
これなどは、サンプルの"255.255.255.0"が既に動かない。どういうこと?
さらに言うと、以下のようなケースも通してくれる。
- "999999999999.255.255.10"
- "000.255.255.10"
- "11111111111.22222222222.33333333.44444444"
チェックになってない…
この人、以前にも正規表現のいいかげんな記事を書いていろいろ突っ込まれている。
メールアドレスのチェックってそんな簡単なものじゃないはず。
突っ込まれた肝心の記事は見つからなくなっている。でも依然として「PHP 正規表現」で検索すると当該のURLが上位に出てくるので影響は大きい。
これは提案なんだけど、突っ込まれたらちゃんと勉強しなおして正しい記事にするか、手に負えないと思ったらせめてより正確な記事を紹介するのがみんなのためなんじゃないかな。
Diggのトップページやdel.icio.us/popularで表示されたページの概要を訳しているだけなんだから、せめて自分で確かめてから紹介しようよ。僕も正規表現は苦手だけど、今回のはコピーして動かすだけでおかしいとわかるじゃない。(得意な人なら動かさなくてもわかりそうだが)
まあ、このエントリもphpspotメソッドで対処されそうな気もするけど。
[参考]
[2007.10.22 追記]
投稿者 秋元 : 14:40 | コメント (27) | トラックバック
ゲーム機の歴史
via digg
ODYSSEYから任天堂レボリューション(あれ? Wii発売前のビデオか)まで、歴代のゲーム機を紹介した7分のビデオ。ATARI2600、NES、GENESIS、PlayStationなどの名機もあれば、バーチャルボーイやSEGA Nomad(存在を忘れていた)、JAGUARなどアレなものも。
アメリカでの家庭用ゲーム機の歴史なので、日本ならではのアレなゲーム機は欠けていたりするけれど。テラ****とかコア構想のアレとか…
書評: 社内ブログ 導入・運用ガイド
献本していただいたもの
社内ブログ 導入・運用ガイド/木村早苗 著/株式会社ドリコム 内藤裕紀、安藤正樹 監修/技術評論社
社内ブログ・イントラブログ、と言われる、会社の中で(だいたいはインターネットとは切り離され、閉じて)運営されるブログシステムについて、豊富な導入例や製品紹介とあわせて、導入や運用のためのノウハウを解説している。
サイボウズ・ラボの親会社のサイボウズも社内ブログシステムを出しており、取り上げられている。
全体的な主張としては、グループウェアではフォーマルなデータしか書かれず、社員のカジュアルなコミュニケーションが推進されないので、社内にブログを持つのがいいですよ、ということか。ブログに限らず、インターネット上でユーザの人気を集めて社内システムに持ってくる話は多い。ソーシャルブックマークやソーシャルネットワーク、Q&Aサイトなどもそのパターンに入る。
コミュニケーションを活発にするためのノウハウに関しては、グループウェア自身も、利用するユーザが社内の一部に限られてしまうと、利用する価値が減ったり、徐々に不活発になっていったりする点は同じことが言える。難しいきっちりした仕組みで使われなくなった社内グループウェアを、簡単に使えることで置き換えてきたサイボウズの企画や開発部署でも、そのあたりの仕組みの工夫などはいつも議論になっているところだ。
そういう意味で、社内の電子的なコミュニケーションを推進したいと思っているシステム導入担当者には役に立つところもあるのではないかと思った。
個人的には、正直言うと、サイボウズのようなグループウェアと社内ブログにはほとんど違いは無いと思っている。トラックバックやランキングのようなギミックはあるかもしれないが、運営の方針次第でグループウェアでカジュアルな社内コミュニケーションは取れるし、サイボウズ自身もそれはできている。
サイボウズも社内ブログは売っているのであまり言っても良くないのかもしれないけど、社内ブログとグループウェアの切り分けみたいなものは、コミュニケーションをかえって分断してしまうのかも、とも。まあ、グループウェアでのコミュニケーションが失敗しているような会社では、一から巻きなおし、という意味でブログをやるのもいいかもしれない。
[書評に関する注意書き]
- 貰って書いた本についてはその旨記述する
- このブログはサイボウズ・ラボの社員ブログなので、秋元個人に献本いただいても、何でも自由に書けるわけではない。
- もちろん、書評以外の他のブログエントリもそうだが、社員ブログではあってもサイボウズ・ラボ全社やサイボウズ・グループの意見を代弁してるわけではない。
- 献本いただいても必ず読めるわけでも、ご紹介できるわけでもない。読書の速度は遅いので、発売前や発売直後に送っていただいても、ご紹介が半年後になるようなこともある
2007年10月16日
GoogleにSEOの何たるかを教えるサイト
via del.icio.us/popular
これが現在のグーグル。リンクを集めてGoogleでの順位を上げるという意味では、はなはだ心もとないウェブデザインと言わざるを得ない(と作者が思ったかどうかはわからんが)。
魅力的なサイトにして、Googleで上位表示させるためには、もっといろいろな工夫が必要である。
上記のリンク先から青い吹き出しの解説を辿っていけば最後まで見ていける。解説の内容を確認したい人のために、下におおまかな訳をつけておく。
- リンクを適切に増やし、コンテンツの場所をGoogleに教えなければならない
- 毎日新しいコンテンツを増やし、外部からのリンクを増やさないと、Googleは重要なサイトとは思ってくれない
- S.B.S.F(ソーシャルスパムブックマークファシリテーター)を追加して、ソーシャルなリンクをたくさん獲得しよう
- 関連するキーワードの密度を上げよう。「サーチ」を9個もちりばめたぞ
- もっと被リンクが必要だ。自前のソーシャルブックマークやブログを開設しよう
- まだ被リンクが必要だ。パートナーを増やそう
- もちろん、リンクには適切なキーワードを含めないとね
ということでできたのが、「Googleで上位表示させるための究極のGoogle」。
このサイト、冗談としても面白い上に、よくできたSEO/ウェブサイトプロモーションの教材でもあるんだけれど、Google(やその他の検索エンジンも)とウェブサイトオーナーの立場の非対称性が痛感させられるなあ。Googleは被リンク数やソーシャルサイトでの登場になんか気を配る必要がない強者なんだよね。
あなたの時給教えます
via del.icio.us/popular
簡単だけど面白いかも。Your salaryは、時給や月給を入力すると、リアルタイムにあなたが稼いでいる金額を見せてくれる。ドルとユーロだけだが、紙幣や硬貨の表示も出てきて直感的。
年/月/週/日/時/分/秒の割合で変換しているだけなので、日本円の場合でもおおざっぱにゼロを二つとれば、ドルが100円、セントが1円として読めるだろう。月給40万円なら、4000$/monthlyと入れればよい。
# ブログ一本書いてる時間でどれだけ給料が消費されてるかわかる。とか。ああおそろしい
「千円札は拾うな」という本があったけど、ああいうので言ってるようなコスト意識を作業に持たせられる…かな? 気が散って仕方がないかもしれないが。
# あと「千円札を拾わない」のが仕事のやり方として正しいかどうかも知らない。いかにも売れそうなタイトルだとは思った。本屋でパラパラめくってみただけなので
個人的には、一番こういうのを見てもらいたいのは、「クリックするだけで無料で報酬が」とか「ブログに宣伝を書けば無料で報酬が」とかいうのに乗ってる人たちかなあ。確かに財布のお金は出て行ってないけど、「その時間でバイトでもしたほうが儲かるんじゃないの?」みたいな単純作業仕事もネットにはよく落ちてるからねえ。コンビニの時給とかこれに入力して、そういう「無料で大儲け」作業に掛かる時間と比べてみるといいと思う。
Google Readerの購読者数の不正確さ
おとといGoogle Readerがフィード購読者数を表示するようになったことをご紹介した。
いろいろなブログで、有名なブログの購読者数をチェックして表にしたりしているが、Mashableではこの購読者数が正しいのかどうか、ということを検証し、面白い結果を出している。
Google Readerの利用開始時には、Googleがジャンルごとにフィードをセットでお薦めしてくれるようになっている。このお薦めフィードに入っていると、当然購読者集めには有利となる。
面白いのは、このお薦めフィードの中に、存在しないフィードや、ずっと前に移転してしまった古いサイトのフィードが混ざっていたことだ。たとえば、「スポーツ」セクションにあるフットバッグというマイナーなスポーツ(参考: 日本フットバッグ協会)のフィードは、なんと74,043人に読まれていることになっているが、このフィードは存在せず、新着記事も読めないという。(今アクセスしたら、フィードのファイル自体はできてたけど)
このような例が他にもあることから、Google Readerの購読者数でランキングを作っても、お薦めされているものにゲタが履かされていて、正確には成り得ない、という主張だ。
また、これらの購読者数情報をいろいろなWeb型RSSリーダーから集めてきて集計に加えているfeedburnerの計数も、ブログなどによく誇らしげに数字が貼ってあるが、正確とは言えない、と。
# MashableはGoogle ReaderのITのお薦めからは漏れている
Google Readerのシェアが高いのでこういう話題が出るけれど、購読者数のカウントや最初からセットされているフィードの問題、そのリーダーを使わなくなった人の登録分も数えられてしまうこと、などはウェブ型のRSSリーダーに共通の問題ではある。
アクティブユーザだけで数えてランキングを作るなどすれば、より正確なランキングが出るかもしれないが、全体の購読者数が多いことはそのリーダーの人気を示すことにもなるので、数が小さく見えてしまう方向に努力して正確にするインセンティブは、各社あまり働かないのではないかな、という気も。
[追記]
TechCrunchのマイケル・アーリントンが上記のような反応に再反論してる。面白ければ読者は増えるし、お薦めリストなんて誤差の範囲内だ。と。書くのが好きで書いてるのか、注目を惹きたくて書いてるのかどっちなんだ、という、これまた強烈だなあ。
なお、この反論の中で、お薦めリストの影響の小ささの証拠として、Google Reader上では(どちらもお薦めされているにも関わらず)、EngadgetがGizmodoを10倍差の購読者数で圧倒的に引き離してる、というデータを出している。他の指標での人気のわりに差がありすぎる気もするけど。どうなってるんだろう?
2007年10月15日
犬もiPod Touch
via Digg
Diggで見つけたけど、元ネタは日本のMacテクノロジー研究所のようだ。
肉球でも反応するiPod Touch
記事では、肉球以外にもいろんなものでiPod Touchのタッチセンサーを試している。うーんアカデミック。
以前の一歳の赤ん坊が使っているビデオと違って、自分の操作と表示の写真が切り替わることの関連をわかっててやってるのかはビデオからはちょっとわからないけど、「犬でも使えるインタフェース」はキャッチーな売り文句になりうるなあ。
操作はしないけど、興味津々のこういうのもあった。
2007年10月14日
Google Readerがフィード購読者数を表示するようになった
via Daily Blog Tips
登録フィードの追加から、ブログ名などで検索した際に、そのブログのGoogle Readerでの登録者数が表示されるようになった。
ちなみに、Bloglinesやlivedoor Readerでは購読済みのフィードのそれぞれに対して、そのリーダーでの購読者数が表示される。購読済みのフィードの一覧に対しての表示は、今のところ行われないようだ。
[追記 2007.10.15]
Scobleizerで、ちょっと前に話題になったTechmemeの元ネタリストについて、Google Readerでの購読者数を調べている。Google Readerは英語圏でのRSSリーダーシェアも高いので、Google Readerがデータ公開したことはやはりインパクトが大きいようだ。
これを見ると、Techmemeが厳選した記事の元ネタは、購読者10万人を越えるニュースサイトやブログから、100人に満たないサイトまで幅広いことがわかる。
2007年10月12日
Amazonがサイトリニューアルをテスト中
via commadot.com
つい最近もMixiのデザイン変更で不満を表明する人(や不満を表明する人に不満を表明する人)が話題になったばかりだけれど、オンライン販売の大手Amazon.comが、デザイン変更をテスト中らしい。
ブラウザの種類や見る時間などによって選ばれているのかもしれないけど、運がよければhttp://amazon.com/ にアクセスしたときに新デザインが表示されるという。
このブログでは新旧両方のデザインのスクリーンショットを公開している。(一行目の "screenshots of the old" と "the new" の二つのリンク)
また、アマゾン自身のリニューアルに関する案内ページにも、ページ最上部がどんな風に変わるかが示されている。
ここによれば、機能面は代わらないので安心を、ということだ。
アマゾンジャパンはアマゾンに時間を置いて追随するのがいつものパターンなので、そのうちこの変更はamazon.co.jp でも適用されるのではないだろうか。
10周年!
サイボウズ10周年記念のイベント、というのが、再来週の10月24日(水)に日本科学未来館にて行なわれる。参加無料。
開発つながり、ということで、Mazdaのロードスター開発者やバンダイのガンプラ開発者が招聘されてるので、ガンダムとか好きな人(僕もか)には面白いのではないかと思われる。
当日はサイボウズ・ラボのメンバーによる発表もあるので、ぜひ。サイボウズ・ラボの社員と話してみたい人は、一度に多くの社員を捕まえられるいい機会かもしれない。赤いレッツノートを抱えてるのが僕なので、会場でお会いしましょう。
誠実なお店の看板
via del.icio.us/popular
バイク店にかかっていた正直な看板の写真だそうで。
「良いサービスを、安く、早く。3つのうちどの2つでもお選びいただけます」
- 良いサービスを安く、という場合は時間がかかります
- 良いサービスを早く、という場合はお代がかかります
- とにかく安く早く、という場合はサービスの質を落とさせていただきます
ソフトウェアの開発も同じことで、3つを同時にいくらでも満たすのは無理。できますと言うエンジニアがいたら詐欺師かダンピングのどっちかだろう。
機能とコストと納期は、x-y-zの三軸に張り付いたゴムの膜みたいなもので、一つをグーッと引っ張ろうとすると、他の二つがつられて短くなっていくものだ。
相手が顧客でも営業でも、それまで無かった新しい制約条件を追加されたときに、「それを実現すると、代わりにこれが犠牲になります」と言えなければ、プロジェクトを制御しているとは言えないと思う。
そういう意味で、この看板はただの冗談じゃなく、「誠実」と思った次第。
投稿者 秋元 : 10:21 | コメント (1) | トラックバック
2007年10月11日
Windowsで「見えないフォルダ」を簡単に作る方法
via del.icio.us/popular
アクセス権とか難しいことを言わずに、Windowsのディレクトリを隠す方法、というのが紹介されていた。
# まあ、くだらないのだけど(笑)
1. 新しく作ったフォルダのファイル名を全角スペース一文字にする
半角スペースだとフォルダ作らせてくれないので、全角で。
目に見えない文字でWindowsが受け付けるなら、実はなんでもよい。元記事では Alt+0160 で入力できるNO-BRAKE-SPACE文字を使っている。
2. フォルダのプロパティで、アイコンを透明なアイコン(なぜかデフォルトでたくさんある)に変える。
なんとこれだけ。このフォルダの存在するフォルダを見ると、こんな感じ。
おお、消えてるよ。フォルダ一覧のほうは?
こ、これは… 隠れてる、のか?
エクスプローラーの[表示]を、[ならべて表示]とか[詳細]にすると、こんな
いやそれ、全然隠れてないから…
数十秒で作れるところはいいのかもしれないけどね。もし、あるフォルダを早急に隠さないといけない、というような状況(どういう状況だ)になったら、このワザを思い出してもいいかもしれない。
2007年10月10日
Milescript 静的型付けのJavascript(ECMAScript)生成コンパイラ
via del.icio.us/popular
ECMAScriptに似た、しかし型チェックがある言語を使って開発したコードを、Javaで動くコンパイラで(ドキュメントにはC#環境でも、と書いてある。そっちもある or やるのか)、ECMAScriptに変換することで、Javascript(ECMAScript)の開発を行なう新言語、だそうだ。
Javaで動的なJavascriptアプリケーションを開発できるGoogle Web Toolkitとは違うんですよ、とも。目的が違う、とか、言語仕様がJavascriptベースのままであることとか。
Premailer 外部CSSをインライン化するサービス
via del.icio.us/popular
Premailerは、URLを与えるとそのページを一つのHTMLやテキストファイルに整形してくれるというサービス。
ページが外部CSSでデザインされていても、それらのデザイン指定を、HTML中の各タグに埋め込んでくれるため、一枚のHTMLになる。
どんなときに便利かといえば、すでに存在するウェブページからHTMLメールを作成するときだろう(テキストへの変換を使えばテキストメールでも)
試してみたけど、日本語はUTF-8であってもだめっぽい。
Rubyで書かれていて、開発中のソースコードも公開されている。ので、直して連絡するか直して自分で動かすか(GPLらしい)することはできるだろう。
ブラウザで動くじゃないけど、あとで読むはページからHTMLメールに変換して送ってくれるので、機能的には同等といえるのかな。日本語も通るし。
ヨット型噴水
via del.icio.us/popular
スペインのバレンシアにあるのか。
2007年10月08日
インテルがソフトウェアアイデアに絞ったソーシャルニュースサイトCoolSoftwareを開設
via VentureBeat
IntelのCoolSW(Cool Software)は、Diggと同じようなソーシャルニュースの仕組みの上で、有望なソフトウェアビジネスのアイデアや会社のニュースをユーザ投稿で集めて、投票によって順位をつけるというサービス。
初日のトップストーリーが(まだ8票しかないけど)「PHPによるDigg Clone」というものだったのには苦笑。
2007年10月06日
TechCrunch40レポート4本と、出展企業のその後
BroadBand Watchでの4本のTechCrunch40レポート。まとめてリンクを貼っておく。
- 【TechCrunch40】新進のネットベンチャーが集まる「TechCrunch40」が開催
- 【TechCrunch40】20のサービスがプレゼン。Yahoo!やAOLは新サービスを発表
- 【TechCrunch40】 2日目はリッチコンテンツが多く登場。最優秀賞も発表
- 【TechCrunch40】世界中から集まった40社のプレゼンから注目サービスを紹介
会場プレス席で隣になり、いろいろ教えていただいた滑川さん、市川さんの解説記事も出ている。どちらもとても面白い。
ネット企業家たちのデビュー戦:TechCrunch40公開デモマラソン審査[前編]
もう戻ってきてから2週間になるけど、この2週間、いつもウォッチしているDiggのトップページとdel.icio.usの人気ブックマークリストで、TechCrunch40でデモを行った40のサービスの多くが、話題になって登場したのを見てきた。
やはり集まった人たちの影響力やネットワーク、カンファレンスへのメディアの注目、TechCrunchの大量のフォロー記事によって、デモを勝ち取った40社にとってはこれ以上ない宣伝になったのだなあ、としみじみ感じた。
40社全部がうまくいっているわけではなくて、やはりモノは良くなければ評価されないのだろうけれど、それにしても割のいいPR方法ではある。
2007年10月05日
日本語版IE7のWindows Updateの誤配信について
今朝のエントリで紹介したIE7の更新配布は、日本版に関しては手違い、ということで終了した。daibaさん、Internet Watch、ありがとう。
少なくとも4,5時間は配布状態になっていたのだけれど、どれぐらいの人が予定されてなかったIE7へのアップグレードをおこなったのだろうか。自動更新をしてる人が更新の頻度や時間をどれぐらいにしてたかによるけれど、ブログなどで「IEが勝手に7になった」とかいうのをそんなには見かけないから、意外に大丈夫なのかもね。企業ユーザは必要なら更新がブロックされるパッチを入れてるはずなんだっけ?
まあミスはミスとして、日本でのIE7の自動更新配布が当初予定通り2008年以降未定、ということになると、欧米ではIE6がほとんどIE7に置き換わるのに、日本では現状維持でIE6が主流、という、ブラウザシェアの状況の差が、少なくとも3ヶ月間(未定だからもっと長い可能性も)は発生することになる。
今もIE5を使ってる人が消えないように、IE7に移行したからといって古いブラウザのサポートがすぐ不要になるわけではないけれど、IE6がより長く残っていきそうな日本語向けのウェブデザイナーやJavascripterは、欧米のそれよりもたいへんかもしれない。
Internet Explorer7がWindows Updateで提供開始/日本版については誤配信だった
[追記 16:37]
Internet Watchの記事で、日本語版についてはマイクロソフトの配布ミスだということが確認されたということだ。
日本語版のWindowsではInternet Explorer7の配布と自動更新を行う予定はなかったのが、何らかの間違いで出てしまっていたと。もう撤回されているのだが、すでにまたは自動でインストールしてしまった人に対するフォローは今日中にマイクロソフトのトップページで案内されるということ。
ということで、日本語版Windowsを使っている人で、この誤配信の期間に自動または手動の更新をしていない人は、当面(元の予定だと2008年以降)は変化はないことになる。以下の本文は、英語版他の利用者にのみ影響する話となった。
マイクロソフトのIEBlogで発表されたが、ちょっと改良されたInternet Explorer7の新バージョンが出て、それにあわせて今回ついにWindows/Microsoft Updateで提供されるようになったようだ。今年の第四期に自動アップデート対象にするよ、と予告されていたが、第四期に入っていきなり実行してきた形だ。
これまでは、IE7は使いたい人だけがダウンロードして使うようになっていたので、タブ機能など新機能に興味のある深いユーザだけが移行していて、ブラウザシェアはまだ一つ古いInternet Explorer6のほうが多かったと思う。(僕のところではだいたい IE6:IE7 = 80:20 というところ)
しかし、Windows Updateで自動更新していて、わざわざアプリをインストールしないようなライトユーザも、での更新を行なうようなユーザも、これでIE7に大きく移動するのではと思われる。
企業アプリもいいかげんIE7対応作業は完了してるのだろうと思う。ウェブ開発者も今後は本格的にIE7を中心にチェックしていなかいといけないのだろう。
もう一つ、インストール時にWindowsが海賊版かどうかチェックするプログラムのインストール、というのは廃止されたようだ。やめた理由は正規版購入者にも不評だったのか、チェックまわりでトラブルでもあってサポート工数が増えたのか、理由はまだわかっていないが。
IE6だったPCでMicrosoft Updateをかけてみた。インストールされたIE7のバージョンは"7.0.5730.13"となった。前にダウンロードから入れた別マシンのIE7は"7.0.5730.11"。
[追記]
日本語版では自動更新時期は未定で、まだ始まらないはず、という情報をdaibaさんからいただいた。Windows Updateの選択肢には出てきているけれど、日本語版Windowsを使っていれば自動更新されることはまだないはず、とのことだ。
# 日本版に関しては誤配信であったことが確認された。冒頭の追記を参照されたい。
RSSリーダーWidgetのGrazrが2.0にアップグレード
via Mashable
以前紹介した、RSSフィードを複数束ねたリーダーをブログ等に貼り付けられるGrazrが、バージョン2.0となったそうだ。前の紹介ページに貼ったWidgetも、新しくなっている。
2.0での変化だが、ドラッグ&ドロップによる編集機能の強化、見栄えの変更の他に、動画、音声、PDFなどさまざまなコンテンツをWidget上で表示できるようになったということ。前の紹介を見て貼り付けた方はいろいろと変わっているはずなので確認してほしい。
twitter用のWidgetというのも出来ていた。twitter風のデザインと、twitter関連フィードをまとめてくれる小サービスの組みあわせでの提供。ここのページで、URLの最後のユーザ名を自分のユーザ名に手で変えないといけないんだけど。
日本語だとところどころ数値文字参照が出ちゃうなあ…
.asiaドメインの登録開始が近い
香港から来日中のDotAsiaのお二人に会う機会があり、アジア地域の新ドメイン(ヨーロッパの.euのような).asiaの話を伺った。
.asiaは、.jpとか.com、.euと同様のトップレベルドメインで、アジア地域を対象に新たに使えるようになる。
http://www.registry.asia/ が管理団体DotAsiaのサイトになる。トップページの右下、"Sunrise World Tour"にあるように、.asiaドメインの宣伝で世界中を回っているようで、今日まで東京にいることになっている。
10月からの登録では、商標を持つ企業などがブランド名などのドメインを登録できて、来年初頭からは一般に開放されるそうだ。日本のレジストラも対応予定が多いそうで、普段使っているレジストラのメニューで.asiaも選べるようになるのだとか。
アジア圏に対して広く商売するとか、アジア支社のウェブサイトに、とかが用途なのかな。.euの成功具合が今ひとつ見えてこないので、それでうまくいっている事例があるのなら検討してもいいかもしれない。
2007年10月04日
Amazon Dynamo - スケーラブルなハッシュテーブルWebサービス
via O'Reilly Radar
Amazonが来週ACMで話すというDynamoというサービスが面白そうだ。
Amazonのウェブサービスは、たとえばS3は「ファイルを置いて、取り出せる」だけだし、EC2はサーバ一台分だけ見ればただのVPSホスティングサービスだ。だけど、必要に応じて支払いを増やすと、好きなだけスケールさせられるし、不要になれば減らすのも簡単なことから、ネットサービスの運営者が固定費について悩まなくて済むようになるという点で便利だし、そんなサービスを提供するにはたいへんな技術力が必要だということはわかる。
Dynamoも同じで、「キーと値のセットを保存して、取り出せる」、とこれだけ。数が少なければスクリプト内の連想配列とシリアライズでも済みそうな機能だけれど、これを複数サーバに分散させて、たいへんな数のキーを突っ込んでも問題なく動作することを保証したサービス、となるらしい。
# 後半論文がついているが、ちゃんと全部読んだわけではない。
S3やEC2とは違って、AmazonのWebサービスとして提供されるという予定は立ってないらしい。Amazon.com本体を運営するために作ったものが、社内的にWebサービスとして独立しているように見える。今はまだ、その存在を公開し、論文発表するというだけだけれど、S3やEC2の例を見れば、課金して一般にも使えるようになる可能性もあるのかなあ、とは感じた。Dynamoというサービス名(?)みたいなものもついてるわけだし。
[追記]
Nicholas Carrが好意的な記事を書いてるなあ。
eZ Publishのセミナーに行ってきた
eZ Publishは、ノルウェイ発の、PHPで書かれたオープンソースCMSだ。
はじめてその存在を知ったのは4,5年前だったか。eZ Componentsという形で要素機能をライブラリとして出しているので、サイボウズ ガルーンのPHP移行時に調査した記憶がある。eZ Componentsはあくまで「フレームワーク」とは名乗ってないので、フレームワーク比較とかではあまり出てこないんだよね。
ドイツを中心にヨーロッパではPHPの人気が高く、eZ Publishも一定の勢力を確保しているのは知っていたけど、日本語の情報はとても少なかった。
今回、日本語化・日本対応の取り組みを紹介するというセミナーがあることを見つけたので、聞きに行ってきた。
CTOのBård Farstad氏に、国際展開担当者と、ノルウェー在住で日本担当の日本人社員、の3人が来日され、eZ社製品の普及度合いや実際の導入例、編集デモなどを説明された。
eZ Publishは、GPLの下で全部公開されていて、自分でがんばれば無料でもサイトを作って運用できる。サポートは有料で買えて、これがeZ社の収益らしい。オープンソース版(といっても製品版もまったく同一らしいが)で普及を図るモデルはMySQLなんかと同様か。よく考えたらどちらも北欧の会社だ。
ヨーロッパを中心に、新聞や雑誌社のウェブサイトに導入されているようで、大量アクセスを捌く実績もあるようだ。検索や携帯電話対応も含めての日本語化が進行中らしいので、期待したい。
2007年10月03日
del.icio.usの次期バージョンはsymfonyフレームワークで実装されている
9月にクローズト公開されて現在もテスト中らしい、最大手ソーシャルブックマークdel.icio.usの次期新バージョンプレビューは、PHP5のフレームワークsymfony上で実装されているらしい。symfonyのブログで書かれていた。
Yahoo! にとっては、del.icio.usは買収したもので、別にYahoo! ブックマークというのがある。これはすでにsymfonyで作られていることが公開されており、Yahoo! 二つ目のsymfonyベースアプリケーションとなる。
Yahoo!のような大企業が、オープンソースフレームワークを採用して大規模運用してくれれば、そこからいろいろなフィードバックが来て良い改良がされそうなので、symfonyフレームワークには期待できるように思う。
というのを、今日献本いただいたsymfonyの日本語解説本の表紙を見ながら思ったりした。これはまだ読んでないので、読んだらあとで書く。
昨日のfav.or.itのほうはZend Frameworkで、こちらも有望そう。オープンソースのフレームワークにとっては、実際に動いている人気サービスを獲得するほどよいプロモーションはないね。
2007年10月02日
話題の新RSSリーダーfav.or.itの概要
クローズトベータでまだ実際に触れないものの、今日になって各所で取り上げられている新サービス fav.or.it の解説ビデオと説明から、サービスの概要をまとめてみた。僕もアカウント貰ってないので推測になるけど。
既存のWeb型RSSリーダー(フィードリーダー、フィードアグリゲーター、呼び名はなんでも)との違いだが、
ブログエントリへのコメントもまとめて扱う
ブログオーナーがコメント用のAPIを用意して許可を与えれば、だけれど、fav.or.it上から直接各エントリにコメントを残すことができて、そのコメントはfav.or.it上で管理参照できるようだ。他の人の新着コメント等もリーダー側に出てくるようになるだろうから、ますますブログ本体のページを開くことはなくなりそう。
いろんなブログへのコメントを追跡できるとすれば、CoCommentのようなサービスも包含することになるかもしれない。
フィード/エントリのフィルタリング
technoratiによるランキングの上位だけを絞ったり、タグベースでフィードやエントリを絞って読めるようだ。
忙しいときには広く読み、時間が無いときは人気の高いフィードだけチェックする、というような使い方だろうか。
自身がブログシステムも持つ
fav.or.it上にエントリを書く場所も用意されている。ブログを持つまではないけど意見を書きたいこともあるというユーザに書かせておいて、あとで書いた内容を別のブログに流し込むことも可能。
サブスライス(副ブログ)サポート
カテゴリだけを切り出して単一の別ブログを作るような機能?
あと、機能じゃないけど、このシステムPHP5とZendフレームワークで作られているらしい。Zend Frameworkで作られた大規模(まだ大規模で動くとは実証されてないけどね)なシステムはまだ珍しいんじゃなかろうか。
2007年10月01日
Yahoo UI Library(YUI)のサンプルをビデオ化したブログ記事
Yahoo!が開発し、フリーで提供、ホストまでしてくれているJavascriptライブラリ+ウィジェット集であるYahoo UI Libraryの、主要なコンポーネントを動かした様子を撮ったビデオが多数公開されている。
Introducing YUI - The Rising Giant (YUIの紹介 - 上り調子の巨人)
開発者ページのサンプルページから自分で触れば試せるんだけど、それすら面倒な人はいるだろうから、こういう普及促進もあってもいい。これなら百聞は一見にしかずで、YUIでどんなことができるかが英語無しでわかるかも。
[関連]
Yahoo UIライブラリの各ファイルがYahooから直接ホストされるように
MashupChallenge(マッシュアップチャレンジ)コンテスト開始
本日、全世界対象のマッシュアップコンテスト MashupChallenge のサイトが正式にオープンになった。
締め切りは今年2007年の12月31日、過去に発表されていない作品であること、提示された5つのAPIのうち2つ以上を使うこと、応募ソースがMITライセンスで公開されることに同意すること、などが参加条件。
賞品のほうは「栄誉」と、あとまあWiiとかいくつか用意してるみたいだけど。基本的には栄誉と宣伝力かな。
登録するといきなり5つ、ランダムなAPIが出てきて、そこから選ばされた。不正を防ぐため、この選択で作ったマッシュアップを提出しないと、別の応募はできない。そりゃ、アカウント別に作れば回避はできそうだけど。
ということで、世界にマッシュアップ力を示したいマッシュアッパーの人は応募してみてはどうだろうか。
サイボウズ本社のMySQLプレゼン資料が公開されている
ご紹介が遅くなったが、MySQL Users Conference Japan 2007で講演された、サイボウズ本社のMySQL利用に関してのプレゼン資料が公開されている。
パッケージでのMySQL(やその他のオープンソースソフトウェア)の利用には、サービスとはまた異なる苦労点がたくさんある。一番大きな違いは、ユーザによってばらばらな下位層の環境に対応して動くようにしないといけないところだろう。
サービス運営するだけなら、同じスクリプトがLinuxでもWindowsでも(SolarisでもFreeBSDでもAIXでもHP-UXでも…このへんは製品ごとにサポート範囲は違うけど)動くように努力する必要はない。同じLinuxといってもバリエーションは多数あるし、カーネルのバージョンの違いもある。同じ製品を数千・数万の異なるサーバで同じように動かすためには、それに対応した技術力が必要なのはわかっていただけると思う。
技術に詳しくないユーザでも簡単に設定・運営していけるようなレベルまで運用を噛み砕かないといけなくて、サーバの追加やキャッシュ、シャーディングなども、環境をこちらで指定するわけにはいかない分、汎用的な設計にするのが大変だったりする。
サイボウズ本社の開発部は、そういうところの技術を苦労して蓄積してきているので、興味ある人はもっといろいろ尋ねてみると、今後も何か出てくるかもよ。
Skype Developer Conferenceの二回目が開催
7月に続いてSkypeの開発者セミナーの2回目が開催される。申し込み済。ちょっと他で忙しいけどいけるといいな。
Skype Developer Conference 2nd
『Skype のマッシュアップ戦略 ~ Skype 本社 エグゼクティブ・メンバーによる説明会』
今回は英語中心?
英語空耳広告
via haha.nu
どこかの国のベルリッツのコマーシャルは、みんなが知ってる英語の曲の歌詞を、むりやり曲解してしまうソラミミ・バージョン。
ウォンさんのお母さん("Mama Wong")ではない。
カメリアの花ではない。
ケンがこれを触った("Ken Touched This")ではない。
英語勉強しないと正しく聴き取れないよ、という意図か。それはともかく、これが面白いのならニコニコ動画の海外進出も十分ありかと思ったり。