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ネットのマーケティング

キーボード上のどこからでも丸を描くと行けたサービス Type-Any-Circle-of-Six

サービスのドメイン名と売り込み方に悩んでる人に、効くこともある、かもしれない話。 2年前、サンフランシスコで行なわれたTechCrunch40というITベンチャー発表会に記者として取材に行く機会がありました。昨年は10社 […]

サービスのドメイン名と売り込み方に悩んでる人に、効くこともある、かもしれない話。
Anycirclelogo
2年前、サンフランシスコで行なわれたTechCrunch40というITベンチャー発表会に記者として取材に行く機会がありました。昨年は10社増えたTechCrunch50となり、日本からの挑戦も3社あったのでご存知の方も多いかと思います。
TechCrunchでは、発表するスタートアップ以外にも、サブ会場のブースでデモをできるスタートアップが100社とか選ばれます。DemoPitと呼ばれたそのブース会場で、世界のいろいろな所から自信のサービスを紹介するための企業が集まっていたのですが、その中で今でも強烈に記憶に残っているのが、Puku社のType-Any-Circle-of-Six です。
サービス自体は、オンラインのリンク集で、NetVibesやMy Yahoo!なんかと似たようなものです。自分のためのリンク集サイトを作成でき、そこをブラウザのホームページにしてもらおうというもの。2年前ですが、そんなに新しいアイデアでもなかった。
Anycircleuserpage
では何が強烈だったか。ニュージーランドから来ていた社員の方に説明してもらったのを今でも覚えていますが、このサービスの売りは
「キーボードのどこからでも、丸を描いたらこのサービスに行ける」
という点でした。言葉で説明するのに困難を感じるのですが、下の図を見てください。
Circleonthekeyboard
丸を描くように6個のキーを押して、最後に”.com”をつけると(Firefoxの場合は.com勝手につけてアクセスするので不要)、このType-Any-Circle-of-Sixのサービスに飛びます。
いや、正確に言うとつい最近まで飛びました。今は、「いくつかの飛べる円」と「飛べなくなった多数の円」があるようです。
awedxz.com とか、xzawed.comとか、キーボードの左端については、どのキーから始めても、時計周りでも反時計周りでも、まだアクセスできるようです。アルファベットだけの円は、まだそこそこ押さえているものもあるのですが、飛ばないドメインがでてきた時点で、かなり便利さは無くなっていますね。
この会社、少し前までは、キーボード上でキー6個で○の形に描ける、ドメイン名として有効なすべての組み合わせを取得して、転送していました。300個だか400個だかあると言ってました。また、チェックマーク(アルファベットのVの字みたいなマーク)を書いて”.com”、というのも全部取っていたようです。
なんでこのサイトのことを思い出したかというと、登録ユーザ向けにメールで案内が来たから。どうもサービス自体の収益化がうまくいっておらず、ドメインを含めての事業譲渡先を探している、というメールでした。それで試してみると、アクセスできない円が増えていた、というわけです。
一回の説明で記憶に残って、みんな一度はアクセスしてくれる、という意味では非常に面白いアイデアだと思ったのですが、そこから飛ぶ先のサービスにちょっと魅力が足りなかったのかなあ、というのが偽らざる感想です。当時は「いずれは日本のドメインでも全部の丸を抑えようと思ってるんだ」と語ってた彼は今どうしているのか…
売れなければ、彼らもいくつかのドメインは手元にキープするでしょうから、単に待っても全種類制覇はできないでしょうね。放棄したドメインはまだ取り返せる期間らしいので、「これはお買い得。自分ならこの仕掛けで人気サービスを提供できる」と思った人は連絡してみると間に合うかもしれません。
また、キーボード上の図形でドメインを覚えさせる、というアイデアは、○以外の図形や、.jpドメインなどでも応用はできると思うので、覚えやすいドメインが取れなかった、と嘆いてる人はこういう方面でも考えてみると、いいのが残ってるかもしれませんよ。キーボード上を横一列順番に押す、みたいなの( qwertyuiop.com みたいなの)は、たいてい誰かが取ってるので、一工夫は必要でしょうけど。