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通行人追尾カーテンで開放感とプライバシーを両立

ベルリン在住の「使えないもの発明家」ニクラス・ロイさんが今回試作したのが、彼の作業場のプライバシーを前の通りを通る人たちから守るためのMlpoP(“My little piece of Privacy”, 私の小さなプライバシー)というシステム。
Mylittlecurtain_04

この「小さいけど賢い」カーテンのシステムは、通りを歩く人を映す監視カメラ、カメラからの映像を処理して歩行者の位置を判定するパソコン、そしてパソコンから制御されるモーター付のカーテン、からできています。
Mylittlepieceofprivacysystem
上の動画では、歩行者にあわせて小さなカーテンが視界をさえぎるように追尾していく様子を見ることが出来ます。
彼のサイトではシステム図、回路図、16bitマイコンAtmega8の制御コード(C言語)とProcessingのコードも公開されているので、自分の家に設置することもできますね。
このシステム自体は設計どおりにうまく動いたのですが、小刻みに横をついてくるカーテンのせいで、もともと工房の中を見ることもなかったような人たちがわざわざカーテンを避けて覗き込んで来るようになったので、プライバシーを守るという目的は達成できなかった、というオチがついたそうです。
via Neatorama

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消すAR – 画面を通すとそこにあるものが見えなくなるDiminished Reality

Augmented Realityといえば、カメラで撮影した画像上にピンや吹き出し、テキストなどの情報を重ねて表示していくものだと、いろいろ出ている製品を見て思いがちですが、ドイツで発表されたDiminished Reality(ディミニッシュト・リアリティ)は、そこにあるはずのものを見えなくする技術だそうです。
Diminishedreality
左が机の上を直接見た状態で、キーボードの手前にホッチキス等が置いてあります。右側がタブレット越しに見た映像で、小物が消え去っています。
Diminishedreality2
動画を見ると、カメラから取り込んだ画像をリアルタイムで加工して、タブレットの方角が変わっても隠した物体が見えることは無いようになっています。動きを急にしたときに一瞬ぼんやりと現れることはありますが、隠されているところにもちゃんと周囲から自然に影がつながって見えたりもしています。

Technabobでは、動画に出てくるデモのすべてで、隠す対象の後ろや周りは単色でのっぺりしたところばかりなので、この技術がうまくはまる条件は限定されているのだろうと指摘しています。
対象の後ろの見えていない箇所に何があるかはどうしてもわからないので、周りから補完しやすい背景じゃないと、ここまでうまくは動かないのでしょうね。それでも、リアルタイムでここまで処理できるのはすごいし、この技術を使ってARアプリに別の面白さをつけるようなことも行われるのではないかと感じます。
via TU Ilmenau via Technabob
[追記・関連]
画像・動画から消す系のツールやサービス、過去にもいろいろあり、当ブログでご紹介してるものも多かったので簡単にまとめます。
Tourist Remover 写真から人物を消してくれるサービス
4年前の記事。人の映っている写真と映っていない写真があれば、そこから人を消すことができる、といったものです。
動画修正はここまでできる
これも2006年。今回のようにリアルタイムでやっているわけではなく、撮影しておいた素材にツールでそこになかった景色を追加したり、髪の毛の色を変えたり、あるものを消したり、といった例を多数まとめたビデオです。
Seam Carving – 自然な画像リサイズを動的に行なうソフトウェア
継ぎ目をわからないように写真の一部を削ったりする技術とその紹介ビデオ。これも静止画に対する操作ですが、今回のだと消した対象のところに周囲の模様を自然にはめこんでいますね。

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アメリカの時代劇John Adamsのメイキングに驚いた

John Adams、アメリカ第二代大統領のドラマというのを今アメリカでやってるんですね。200年以上昔の話で、アメリカ人にとっての時代劇ではないかと思います。(参考: ジョン・アダムス)
ドラマは当然、古い町並みや習俗が多数登場してくるわけで、セットで取るにしてもたいへんな手間がかかりそうなところです。しかし、このドラマの特殊効果の種明かしをしているビデオが公式でYouTubeにあがっているのですが、これがすごいんですよ。
セットはほんの一部で、セットとセット外の境界には緑のシートが張られています。
Johnadamsstreet
で、そこに道やら海やら家並みやら船やら群集やらがCGで合成されて、以下のように。
Johnadamsstreetwitheffect
静止画なら、フォトショップ等でがんばれば一枚がんばって作れるかもしれませんけど、動画で動いてますからね。合成部分の群集とかも。
演説のシーンも、実際はこれだけのエキストラで、
Johnadamsmob
動く群集を追加して
Johnadamsmobeffects
遠景や建物の屋根も追加して完成
Johnadamsmobeffects2
演説シーン
Johnadamsaddress
こんな感じで、ひたすらビジュアルエフェクトで映像を補完していく様子が紹介されています。

NHKの大河ドラマなんかも、こういうの使ってるんでしょうかね?