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書評

PHPx携帯サイトディベロッパーズバイブル

献本いただいたもの。 PHPx携帯サイトディベロッパーズバイブル まず断っておくと、仕事で携帯サイトを作ったことはないので、僕の携帯サイト開発の知識はかなり足りてない。ウェブで断片的に、携帯サイト開発に関するいろいろなt […]

献本いただいたもの。

PHPx携帯サイトディベロッパーズバイブル

まず断っておくと、仕事で携帯サイトを作ったことはないので、僕の携帯サイト開発の知識はかなり足りてない。ウェブで断片的に、携帯サイト開発に関するいろいろなtipsが話題になるのは読んだりもしていたけれど、ケータイのためのウェブ開発にはいろいろなバッドノウハウがたくさんあるのだなあ、というのが携帯ウェブに対する乱暴な感触だった。

# 「バッド」という字面が悪いので勘違いされそうだけど、この本がバッドなわけではないよ > 斜め読みの人

それで、この本を読んだのだけれど、その乱暴な感想はかなり当たってたな、と思わされた。歴史的な流れとか、携帯電話のハードウェアやソフトウェアの制約はPCよりもずっと大きいことなどが原因だとは思うけれど、携帯電話のブラウザにはパソコンのウェブから見るとちょっと変わった仕様とか、携帯会社間の非互換がたくさんあって、そういうもろもろのことを知らないと苦労する、ということなんだな。

文字コード、画像フォーマット、ファイルサイズの上限やスタイルシート、Cookie、メールの制限・変な独自拡張・文字コード、空メール、認証(著者による補足)、位置情報、QRコードなどなど、解説は多岐に渡っている。おそらく、今現在ケータイのサイトを作ろうとして必要になる、あるいは顧客から要求される機能セットが上記のようなものになるのだろう。

これだけ複雑なことをいろいろやらないと困るのに、携帯電話会社からの開発の支援はあまり無いようで、PHPならPHPで、他の言語でもその言語で、下からガリガリと書いていかないといけないようだ。絵文字を読んで書くというだけのことに100ページが割かれていたりする。最近のiPhoneやAndroidだと、外部の開発者がつく前からライブラリが用意され、単純作業をみんなが別々に実装する必要は減ってそうなイメージがあるのだけれど、そのへんは各社囲い込みの中での進化が原因なのかな。

こういった細かい情報を把握して、3つ(あるいは4つあるいは5つ)の会社の携帯電話で同じように見えて使える携帯ウェブサイトを作れることが、携帯サイト制作会社の売りになるんだろう。たいへんな力作のまとめではあるけど、できれば携帯サイトの開発に深入りはしたくないなあ、などと思ってしまったり(笑)。

PCではなく携帯サイトに未来を見出している人や、仕事で仕方なくやらないと、という人にとっては、役に立つ入門書だろう。

# p.247の”regist”は、うーむ。本書の本論とは関係ないが…


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