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イベントレポート

北陸アンカンファレンス開催報告・振り返り

11月1日に、石川県津幡町の石川高専をお借りして、初の北陸アンカンファレンスを開催いたしました。
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# 開催が今月の初めだったのに、ちゃんとしたまとめを書くのが遅れてしまってすいません。オープニングセッションのプレゼンテーション資料はすぐ公開したのですけど、参加者個人としてじゃなくて主催側の振り返りを残しておかなきゃと思っていました。アンカンファレンスや地方イベント等に共通する話で役に立つところもあることを期待して、会社のブログで書かせていただきます。

アンカンファレンスとは?

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一緒に主催したid:amachangが書いてくれたIT アンカンファレンスをやってみたい! – IT戦記がとても良いので、そちらをご覧ください。
また、北陸アンカンファレンス参加者募集ページも、いろいろ書き足していたらかなり詳細な説明になったので、これは良かったなと思っています。
朝一番のセッションで当日の説明をした資料はこれです。

良かった点

日本でのアンカンファレンスを検索すると、日本語ではオラクルのイベントに併設されたものがあるぐらい、英語中心のものもBarCamp Tokyoが2回あったのが見つかるぐらいですから、80名近くの参加者のみなさんのほとんどが、アンカンファレンスという形式が初めてだったと思います。
しかし、一番恐れていた「誰も発表しようとしないで、空き枠ばかりで盛り上がらない」という状況は、まったくの杞憂でした。開会時からほとんどの参加者が会場に来ていたことから、急遽会場を2つから3つに増やしましたが、開始数分で、午前中から午後一まで、あっという間に多くのセッションタイトルが貼られていったのを見て、感動しました。
当初午後4時までの予定だったセッションも、途切れることのない発表タイトルを見て、5時までに延長しました。体力的な限界が無ければ、5時以降も続けることができただろうと思います。
最近のイベントではかなり一般化してきましたが、ツイッターのハッシュタグ#HokuUnを早い段階から決めておいたのも良かったと思います。検索するとイベント中のつぶやきや、その後の感想、ブログ書いたよの報告などが見つかります
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また、終了間際に、id:katzchangが発表者一人一人にハンドルやセッションタイトルを確認して回って、発表者リストを作成してくれたのも非常に嬉しかったです。参加者全員で作るのがアンカンファレンスのいいところなので、このように「これが必要じゃないか、こういうのがあればいいんじゃないか」と動いてくださる方が現れたのが良かったと思います。もちろん、懇親会の準備や片づけを含め、多くのみなさんが自発的なスタッフとなり、運営に協力してくださいました。

反省点

名札

前日まで覚えていたのですが、当日名札シールを持っていくのをすっかり忘れてしまいました。持っていくのを忘れただけでなく、アンカンファレンスが終わって家に帰るまで、忘れていたことも忘れていました。
お互い初対面の人がたくさんいるはずですから、ツイッターのハンドル名でもなんでもいいので貼ってあれば、より多くの交流が起こせたかもしれないと思うと、ひたすら反省です。
ただ、ウェブで告知して集まったイベントの多くで、後でツイッターやブログで「全然誰とも話せなかった」とか「内輪感があって入り込めなかった」という感想を書く人が現れるのですが、今回はそれがありませんでした。そもそもはっきりしたスタッフが少ないし、そのスタッフが群れるということがなかったので、その点は良かったなと思っています。
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セッションの終わり

それから、「時間をオーバーしたときの処理」についてルール化していなかったのも失敗点です。今回は、午後遅くから一つの会場で少しずつセッションの終わりと開始が後ろにずれていってたようで、終了の17:00になっても一会場だけそこからセッションが続いてしまいました。
自由に会場を移動して、いろいろな発表を聴けるのがアンカンファレンスの良いところですから、他の会場と切り替えのタイミングがずれるのは良くありません。BarCamp Tokyoに参加した際に見ていたのですが、時間になったら次の発表者は前セッションの終了を告げて、延長したい人は廊下等に移って続きを話すようにしましょう、という取り決めをし、朝に伝えておけばよかったなと思っています。

議論系のセッション

BarCampではセッション主催者がテーマだけ決めたり、司会進行をするだけの議論するセッションも多くあり、これもやってみたかったのですが、ほとんどが発表セッションで終わってしまいました。これも僕がそういうセッションを途中で入れていればよかったかもしれません。
これは、三つの会場の席数がほとんど同じだったことも原因の一つでしょう。ホワイトボード上では大(40)、中(30)、小(10)と定員を配分して、セッションテーマの一般度に応じて会場を選んでもらうことを意図しましたが、実際には三つ同じような部屋があるように見えたり、使われたりしていたかもしれません。
最初から、会場のうち一つは、プレゼンテーション用のセッティングではなく、テーブルを囲んで参加者が円になるような、少人数向けの形にしておけば良かったかな、という感想です。
たとえば、終了近くで、発表を聞くスタイルに飽きてきた人たちを巻き込んで、「第二回はどうするか?」みたいな議論セッションをやっていたら、第二回の計画も今頃進んでいたかもしれませんね。反省です。

謝辞

北陸で何かやろうよという話にも、アンカンファレンスという未知の形式にもフットワーク軽く乗ってきてくれたid:amachang、ありがとうございます。
遠く東京からの無謀な呼びかけに応じてくださった、北陸エンジニアグループのみなさんにも感謝。北陸エンジニアグループはこの後もいろいろなイベントがいっぱいのようです。
そして、何もアイデアがなかった僕らに、会場もプロジェクターもネットも昼食も、必要なもののほとんどすべてを提供してくださった石川高専と越野先生、ありがとうございました。次また何かやる際はまた頼らせていただきます。
そしてなにより、会場のキャパシティから80名と書いてみたけど、まさか本当に集まるとは思わなかった、というぐらい来ていただいた参加者のみなさん。本当にありがとうございました。みなさんがアンカンファレンスについて把握してきて、いろいろと空気を読んで動いてくださらなかったら、確実に運営が破綻してた自信があります。まだまだ発表のネタがありそうだったので、ぜひ北陸でも2回目をやりたいですね。
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アンカンファレンスの広がり

今回一回切りで終わるのでなく、また北陸だけで終わるのでなく、今回参加した方や、ブログやツイッター経由でアンカンファレンスに興味をもたれた方が、アンカンファレンスを試してみていただければ、こんなにうれしいことはありません。
と書いていたところ、青森の勉強会WDHAでアンカンファレンスをやってみる、というのツイッター経由で知りました。
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WDHAレギュラーミーティング#020 – アンカンファレンスをやろう!
アンカンファレンスはこの形式を示す一般名詞で、もちろん僕やid:amachangの持ちものでもないし、北陸エンジニア勉強会のものでもありません。僕らが書いた解説や注意書きで使えそうなものはどんどん流用してください。アンカンファレンスを開くのに誰かに断りを入れるなんていう必要も、まったくありません。
今回主催してみて、とても楽しかったですし、いろいろな発表を聞けて勉強にもなりました。そういう経験を得られる場の一つとしていろんな地方のいろんな方が試してみてくださるといいなと思っています。
東京ではどんなニッチな勉強会をしても簡単に2,30人が集められたりしますが、地方ではなかなかワンテーマの勉強会で人を集めるのは難しいかと思います。そんな中でも、自分のやっていることを発表したい、教えたい、他の人のやってることを聞きたい、刺激を受けたい、という人が集まるには、アンカンファレンスというスタイルは悪くないのでは、と思ってましたし、まだ一回ですがそれなりにうまくもいきました。
今住んでいる関東で開催されればもちろんですが、いろいろなところでアンカンファレンスが行われるようになったら、今回日本各地から北陸まで来ていただけた方がいらしたように、僕も参加してみたいと思ってます。その時は、よろしくおねがいします。

BarCampをやってみたい

閉会の時にちょっと話しましたが、アンカンファレンスはBarCampなど他のイベントの影響を大きく受けています。
今回も、BarCamp Hokurikuとして開催する可能性も考え続けていたのですが、イベント自体が成功するかどうかわからない一発勝負なところに、BarCampを名乗って英語サイトで世界に向けて3週間前に案内しても、BarCampである利点は少ないかなということで、汎用的な言葉「アンカンファレンス」を名乗りました。
しかし、告知や準備が十分であれば、BarCampという大きな枠組みに乗っかってみることも有りだと思います。BarCampも英語しばりということは本来ないはずなので、日本語主体でBarCampとして開催し、地域に住む外国人や、「BarCampがあるなら日本/北陸に旅行してみようか」という外国人の参加も促せれば、より面白くなる可能性があると思います。
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アンカンファレンスの閉会でBarCampのお話をしたところ、さっそく金沢でBarCampを企画された方がいらっしゃいます。英語しばりということでチャレンジングだとは思いますが、金沢周辺の方にはぜひ挑戦してみてほしいし、BarCampのサイト等から見つけて在住や旅行の外国人が多数参加してくれればいいなと思います。
Barcampyokohamalogo
また、関東の方には、今週末の21日土曜日、横浜桜木町でBarCamp Yokohamaが開催されます。参加者には英語を話す人が多いですが、日本語を普通に話せる外国人も多いですし、日本の英語BarCamperの多くが、日本人の参加を熱望しています。こちらもぜひ。
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大事なことなので

ということで、上に出てきた直近のアンカンファレンス情報をもう一回まとめますね。お近くの方、興味のある方はぜひ参加を御検討ください。また、この他にもアンカンファレンスが行われるようであれば、告知もお手伝いしますのでツイッター等で@akkyに教えていただければと思います。
Wdhalogo
2009/11/21 WDHAレギュラーミーティング#020 – アンカンファレンスをやろう!
Barcampyokohamalogo
2009/11/21 BarCamp 横浜
Barcampknzw_logo
2010/02/20 BarCamp 金沢

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エネループのブロガーイベントに行ってきました

エネループの一ファンとして。家の電池は切れた順にエネループに置き換えていて、ようやくほとんどが切り替わった状態です。最近モバイルも少し触るようになったので今後さらに増えそうな予感ですけど。
今回のイベントは、太陽光で電池を充電するパネルと、その電池で光るランタンをアフリカのウガンダで配られた、という、SANYOの社会貢献プロジェクトについての紹介イベントでした。
これがその電池式のランプ
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利用イメージかな。太陽電池パネルは、昼間戸外に出しておくことで充電をします。
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セミナールームを消灯して、ランプをつけた状態
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これは三段階の一番明るいモードですが、結構明るいです。
ウガンダでは、そもそも電気が村まで来てなかったり、来てる地域でも不安定でよく切れたりするそうで、夜は体に悪いケロシンランプを使うか、仕事や勉強を諦めて寝るかしかない人が多いのだとか。子供も多くは昼働かないといけないので、未来のために勉強してもらおうとすると明かりの確保から問題になるのだそうで、日本の状況とは大きく離れていますね。
送電設備の不備なども多いので、今回の太陽光+蓄電池+ランプのようなその場で完結するソリューションはとても有効なのだとか。
実際にこれらのランプがアフリカまで届けられる仕組みですが、企業のCSRとエネループという製品のプロモーションの良い組み合わせんなっていて、こちらのサイトに登録してプロジェクトに参加すると、参加者が増えるに従ってポイントが溜まり、溜まったポイントごとに250セットのランプが寄贈されるという仕組みです。

おみやげにエネルーピー(マスコットの犬)印のボールペンをいただきました。
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YAPC::Asia 2009に来ています

先週のPHPカンファレンス2009に続き、今週は東工大で開催されているYAPC::Asia 2009というPerlのカンファレンスに来ています。(YAPC = Yet Another Perl Conference)
Yapc2009_logo
ご存知の通り、日本のウェブ開発ではPerlが大きな地位を占めています。Mixi, DeNA, livedoorなどの巨大なサービスを提供する企業がPerlをメインに使っていますし、ウェブ関連の著名なエンジニアの多くがPerl使いでもあります。
そんなわけで、日本のYAPC::Asiaも、たいへん大規模に開催されています。同時に3つのセッショントラックがあり、3会場の定員を合計すると900名にもなります。
海外ではそこまでPerlの人気が高いわけではなく、Mixiやlivedoorなどに対応する英語の巨大サービスでも、日本ほどにはPerlをメインとする企業の利用例は多く無いようです。そこで、相対的にPerlコミュニティでの日本の比重も大きくなるのか、海外からの参加者も多いです。3トラックあれば1つは英語のセッションができるようで、その結果日本に住んでいる外国人の参加も多く、国際的です。
僕自身はPerlはほとんど使っていないのですが、3トラックから選べるのでPerlに関係するけれども一般的にも勉強になるセッションを聴けたり、尊敬するエンジニアがスピーカーに何人もいることから、ここのところ毎回参加しています。また、(海外の同様の規模のカンファレンスに比べ)安い参加費で見事な運営がされているのも特徴で、コミュニティによるカンファレンス運営を見るという意味でも勉強になってます。