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SEO(検索エンジン最適化)の本質を理解する

japan.internet.com 併載コラム

「社長、御社のホームページ、検索エンジンでもっと上位に表示させたくないですか?

検索エンジン最適化(SEO)とは、検索エンジンでWeb サイトを上位に表示させるような対策を取ることを言う。

検索結果の一ページ目、それも上位に表示されないと、検索経由で顧客がやってくるチャンスは低くなってしまうため、ネットで商品やサービスを販売している企業にとっては重要なキーワードだ。

書籍などを参考に自社で対策することもあるが、SEO 対策を専業で請け負う、いわゆる SEO 会社というのも多数存在する。Web サイト製作のついでに SEO もやります、という会社から、SEO 対策を専門的に行う会社までさまざまだ。

Yahoo!や Google などの検索エンジンでは、機械的に言葉(キーワード)とページの関連度を集計処理して、入力されたキーワードに対する関連度の高いものを順に表示する。
その集計処理の詳細なルールは公開されていない。これは次のような理由からだ。

1. より役に立つ結果を出して他の検索エンジンと差別化するため
2. SEO 業者による実勢に沿わない順位操作を防ぐため

SEO 業者にとっても条件は同じで、Yahoo!や Google から「順位はこうやってきまるから、こうすれば上がるよ」と教わっているわけでは、もちろんない。毎日毎日 Web サイトをどう変更したらどう順位が変わるかを実験し、その実験結果から検索エンジン側の動作の仕組みを推測しているだけだ。

検索エンジンを提供している Yahoo!や Google の社員でもないかぎり、本当はどんな基準で順位が決まっているか、など知るはずもないということになる。

SEO の解説本を複数読んでみたことがあれば、ある本がある手法を「使うべき」と言っているのに、他の本では「使うべきではない」と書かれていて混乱したこともあるのではないか。

SEO をさらにわかりにくくしているのは、去年通用した手法が今年は通用しないかもしれない、というところだ。

1. ひとたびある方法が順位に「効く」とわかると、個人や業者がわれもわれもとその方法を適用する。

2. そうすると、その効く方法を採用したサイトが、コンテンツがそれほど優れていなくても、採用してないサイトより上位に上がっていく。

3. 検索エンジン各社は、コンテンツの関連度を正しく反映した順位がでるように、1.の「効く」対策が無効になるようにプログラムを調整する。

4. 結果、「効く」対策が効かなくなったり、目につく場合は逆にペナルティとして順位が下げられたりする。

検索エンジン各社は、特殊な対策が効かないように知恵を尽くし、SEO 業者はまた次の特殊な対策を発見しようと工夫を凝らす。この(ある意味不毛な)繰り返しとなる。

そのため、少し前の指南本などにある SEO 対策を適用したり、少し前の知識で止まっている SEO 業者に頼んだりすると、検索順位が上がるどころか下がってしまうわけだ。

古いノウハウが変化して役に立たなくなっていくことが、SEO の本質といえる。

最良の結果を得るためには常に最新の情報に追従して研究しなければならない、という点で、SEO を専門の業者に頼むことには一理ある。

しかし、何を発注するときでもそうだが、発注した成果を評価する能力は、発注者側が持たなければならない。SEO 対策をお金を払って頼んだとしたら、その対策が効いたかどうかは自社で判断できなければだめだろう。(ものすごく予算があれば、効果を測定するコンサルタントを別に雇うこともできるだろうが)

次のような話を実際に聞いたことがある。

SEO 業者に対策を依頼し、期間終了後の成果報告書で「御社の Web サイトを Yahoo!で8位から3位にしました」と誇らしく書いてあるが、その業者に頼む前に本当に8位だったのか証拠が残っておらず、改善が成ったのかどうかわからない、というものだ。

検索順位を改善するのが SEO 対策なのだから、対策の効果が出ているかどうかは、当然、順位でもってはからなければならない。

検索エンジンは便利なので、何でも調べられるように思いこみがちだが、検索エンジンの結果は常に「現在の Web」に関しての結果で、過去のある時点での順位を調べることはできない。また、それを保存しておいてくれるような第三者のサービスも今のところ見当たらない。

SEO 業者のパフォーマンスをチェックするには、仕事を頼む前に、依頼するキーワードのすべてで、対策対象の検索エンジンでの順位を調べ、保存しておく必要があるということだ。

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ネットのサービス

shortText 最小ウェブサイト公開サービス

via del.icio.us/popular

shortText.com は、テキストを登録すると permalink を一つくれて、そこにそのテキストを表示するだけのサービス。

フォームにテキストを入れたら、URL が一つもらえる。こんな感じ。残念ながら日本語の場合は化けてしまう。今のところ、URLは英数字4桁に収まっているようだ。

あとは、ページにアクセスカウンタがついていて、よくアクセスされる URL はランキング表示もされる。

できた URL をメールやメッセンジャーで友達に送れば、って、ただの文章ならメールやメッセンジャーでそのまま送ればいいよね。URL を匿名掲示板に貼り付けたりとか、そういった利用法になるのだろうか。何かに使えそうだけどどう使ったらいいのか。

何かを訴えたいけどウェブページやブログを持ってない人、あえて普段と別の場所で訴えたい人、などは試してみてはどうか。

ビジネスモデルのほうだが、アドセンス広告が載っているのと、特定の URL を2ドル(220円)で販売、というのをやっている模様。ページごとに生成されるランダムな文字列のところを、お金を払えば英単語を指定して取得できるとのこと。

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ネットのサービス

Google GDrive (オンラインストレージサービス)の噂

# 注意! 証拠が無い話が多いため、手の込んだ騙しである可能性もある

3月2日に Google によるアナリスト向け説明会がおこなわれた(*1)。この中で使われた資料のマイクロソフト・パワーポイント版が当初公開されており(*2)、パワーポイントのコメントの中にいくつか将来の展開に関してかなり踏み込んだ記述を見つけた(*4)というブログ記事が Gred Linden という人によって書かれた(*3)。

そこでは、Google がパワーポイントの公開を中止し、代わりに(コメント部分を除去した)PDF を差し替えられた形で公開しているという。

Greg Linden は、このパワーポイントを手元に保存はしていなかったようだが、彼のGoogle デスクトップ検索のキャッシュに入っていた(本当だとしたらなんという皮肉か!)内容から、コメントの一部を復活させることができたという。(*4) キャッシュにすべてのコメントが残っていたわけではなく、コメントは途中で切れているということ(*5)。

その復活したコメント、プレゼンの19ページ目へのコメントとして書かれていたのは、ユーザのデータのすべて、100%をサーバ側(Google 側)で保存し、ファイル、メール、ウェブの履歴、写真、ブックマークなどのすべてを、どこからでも見られるようにしようというプロジェクトの話。

このプロジェクトは、GDrive、GDS、Lighthouse という方向ですでに開発が進んでいるとのこと。GDS は Google Desktop Search か。Lighthouse については、今のところ何を指しているものか不明。

上記の話がすべて本当だとして、GDrive と Lighthouse という、これまで外部に出てきていない 2つのプロジェクトが進行中ということだ。

GMail で達成された、クライアントからサーバへの個人データの移動を見れば、順次他のものもサーバサイドへ移行させよう、という Google の計画は、ありそうな話ではある。誰かパワーポイントをローカルに保存している人が現れればいいのだが。(保存した、と主張しているブログがあったが、そこからパワーポイントはダウンロードできない。 追記: ダウンロードできるようになったが、こんどは肝心の notes が一切ついてない。)

続報に注目している。

*1 真実
*2 パワーポイント版が本当に公開されていたかは不明 追記: パワーポイント版のコピーが出たので存在は確認されたか?
*3 ブログ記事の存在は真実
*4 パワーポイントの存在が立証されてないので、コメントが本物かは不明 追記: notes の無いコピーは公開された。
*5 このへんのディテールも、かえってわざとらしい気がしないでもないが。。。

[関連]

ZDNet の記事 Google の GDrive は本当だった

[追記]

O’Reilly Rader でもこの件を含めた Google Analyst Day の話題が取り上げられた。(GDrive の真偽については意見を述べていない。)

[追記の追記]

eweek も記事にして、それの翻訳も出てきた。

[さらに追記]

TechCrunch でもここまでのまとめ記事が出た。良くまとまっているが新事実は無し。notes が含まれるプレゼンテーションファイルを持っている、という人はオリジナル記事のコメントにもいる(僕のこのエントリにも!)が、入手したと言う人は誰もそれを公開しておらず(notes がまったく書かれていないか消されたものは入手できる)、入手していない人は真贋のチェックすらできない。Techcrunch の人も「Google は元のプレゼンファイルを再公開すべきだ」と主張しているが、さてどうなることか。。。

[また追記]

Google、手違いで業績見通しも公表

技術者なんでこっちは注意が足りなかったが、同じ ppt の notes 経由で公開すべきでない収入予想も公開されていたとのこと。やはり notes は本物?