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オリジナルZorkのソースコードがMITにより公開される

往年のテキストアドベンチャーゲーム Zork の1977年のソースコードが、MITにより発見されて公開されました。

MIT の説明によれば、1973年から1990年前半にかけての人工知能研・計算機科学研のバックアップテープから復元したデータが収集されているそうで、今回はその中から1977年のZork のソースコードが見つかったというわけ。

コードを見てみるとこんな感じ。


<GDECL (FF) STRING>
<DEFINE ILO (BODY TYPE NM1 NM2 "OPTIONAL" M1 M2)
#DECL ((BODY NM1 NM2 M1 M2) STRING (TYPE) FIX)
<COND (<==? .TYPE *400000000000*>
<COND (<OR <AND <MEMBER "<FLUSH-ME>" .BODY>
<NOT <MEMBER ,XUNM ,WINNERS>>>
<AND <MEMBER .NM1 ,WINNERS>
<MEMBER ,FF .BODY>>>
<EVAL <PARSE .BODY>>)>)>
<DISMISS T>>

;"ROOM FUNCTIONS"

往年のメインフレーム機 PDP-10 上で動くLISP系のMDPという言語だそうです。

2019年の4月にGitHubで公開された「Zorkのソースコード」と何が違うかですが、この時公開されたコードは、後に Zork を商用化(1979)して販売したインフォコム社が買収の後閉鎖された1980年代終わりに、社内のソースコード管理システムから取り出されたものなのに対し、今回のコードはInfocom 以前の MIT 時代に メインフレーム PDP-10 の上で動いていたものだということ。

(image Michael L. Umbricht, Wikimedia)

Infocom 版 Zork コードの発見者として知られるインターネット考古学活動家のジェイソン・スコット氏(Jason Scott)も早速、MIT のコードを fork しています。Zork ファンや Zork 研究者による調査がさらに進むのでは。

via Hacker News

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AI Dungeon – AI自動生成で無限に遊べるテキストアドベンチャーゲーム

AI Dungeon は、テキストアドベンチャーゲームをAIにより自動生成してくれるというPython 製のツールです。

Jupiter Notebook で動くものが配布されており、Google Colaboratory 上で自分の AI Dungeon を動かすことができます。

ブラウザで数分待つと始まる。簡単です。

大昔にあった Zork シリーズ的なUI。「動詞」で始まる命令文を入れることで、何かが起こります。

「それをやるとループしてしまいます」という返答だらけになり詰まったこともありますが、それでも大昔の同種のテキストアドベンチャーゲームに比べると、かなり自由度が高い。思いついた動詞で適当に命令しても、それに合わせた結果を返してくれます。このへんはさすが自動生成。

ただし、ストーリー展開に整合性が取れているかというと、自分が遊んでみた範囲では、辻褄が合わなかったり急に場面が変わったりの連続で、寝ている時に見る夢に近いような印象を受けました。

AI Dungeon のサイトには、プレイした結果のストーリーたくさん掲載されています。動かさずにどんなゲーム体験になるか見たい人や、どんなコマンドを入れたら先に進むのかわからないという人は、まずこれらのプレイレポートを見てみるのもいいかと思います。

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The Guts Game – お腹に飲み込んだ温度センサーを調整して相手と競うゲーム

まだ試作段階のようですが、新しいUI(ユーザーインタフェース)を追及しているという Exertion Games labs による他にない入力方法のゲームが、小さな温度センサーを飲み込んで競う、胃腸温度ゲーム The Guts Game 。

飲み込んだピルの温度センサーで測った温度が、お互いのスマートフォンアプリに表示されます。ピルの長さは23mmということ。腰回りにはピルからの温度情報を電波で受け取る中継器を巻く必要がありますが、体の外側で計る温度計などに比べると、日々の行動や運動などによる測定エラーや温度の誤差を少なくできたということ。

スマートフォン上のゲームでは、この体内温度を上げたり下げたりする目標が提示されて、対戦する二人のプレイヤーのどちらがその目標温度に近づけられるか、を競います。

ピルが胃にあるまでは、温度操作は比較的簡単だそうです。温めたければ温かいものを食べればいいし、冷やしたければ冷たいものを飲めばいい。

しかし、腸に入ってくると、その方法では温度調整ができなくなります。運動や、サウナ・プールなど体全体を違う温度に置かないと、腸の中の温度は変えられないのだとか。

これまでに協力者を含めて14名がプレイしたそうです。今のままのゲームではそこまでやってみたい人は増えないようにも感じますが、体内の温度センサーを入力に使う、という前例から、今後アイデアをうまく使ったゲームやサービスを考える人が出てくるかもしれませんね。

via Exertion Games Lab