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データ可視化

自前のメールサーバーを使っていても多くのメールはGmailユーザーの友人経由でGoogleに捕捉されている、という話

自分の電子メールは自分のサーバで管理し、プライバシーを守りたいとしてきた ベンジャミン・ヒル(Benjamin Marko Hill)さんが、Gmailのサービスが開始した2004年からの10年間の自分のプライベート用メールアドレスのメールボックスを解析してみたところ、近年では1/3から半分近くのメールがGmailのサービスにも知られている、という結果が出たそうです。

ヒルさんは、ネットの検閲に反対するなどの活動で知られる電子フロンティア財団(EFF)のディレクターでもある友人のピーター・エカーズリーさんがGmailを使っていることを知って驚き、「Googleにすべてのメールデータを持たれていてもいいのか?」と尋ねたところ、エカーズリーさんが「友人が全員Gmailユーザーなら、結局自分のメールもGmailに把握されてしまっているから」と答えたことをきっかけに、自分の過去のメールがはたしてGmailを経由しているかどうかを調べる気になったということです。

メールボックス内のメールのFromやToを解析し可視化するPythonとRのコードは公開されています。

emails_gmail_over_time

毎週受け取ったメールの総数(赤)と、そのうちヘッダからGoogleのサーバーを経由していたとわかったメールの総数(青)をプロットしたものが上のグラフです。毎週の変動が多いですが、グレイでプロットされた移動平均を見ると、Googleに知られているメールの割合が年を追うごとに少しずつ増えて、最近では1/3のメールがGmailに絡んでいることがわかります。銀行やオンラインショップからの案内メール等はGmailから発信されていないことが多いだろうことを考えると、それ以外の普通のメールではGmailから発信されている割合はさらに高くなるのではということ。

また、自分が返答したメールについて、返答した元のメールの発信がGmailからであれば、返事もGmailを経由して返っていると仮定してカウントしたところ、今は半数ぐらいのメールはGmailのサーバに向けて送っている = 自分の返事したメールの半数はGoogleに読まれ得る、という数字が出たとのこと。ヒルさんがGmailを選んだのは彼の周囲でGmailユーザーが多いだろうと考えてのことで、HotmailやYahoo! Mailなど他のメールサービスでも同じような話はありますし、それらのどこからも見えていないメールの割合はだいぶ小さくなるのかもしれません。

メールがソーシャルなコミュニケーションのツールである限り、自分が自前のメールサーバーを建てたところで、友達がみんな大企業のメールサービスを使えば、自分のメールの多くも大企業の入手するところとなってしまうわけですね。以前ご紹介した、友達が多数ソーシャルネットワークに参加していると、参加していなくても自分の交友関係が把握され得る、という研究と通じるところがありますね。

自分も私用のメールではGmailを重用していますし、このような状況で手間を掛けて自前メールサーバーを構築・維持したいとも思わないので、これらの大手の業者が自分のメールの中身を万が一にも悪用しないことを期待するしかないですが。

via @HackerNews

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ネットのサービス

Gmailの容量が心配な人に、大きなメールや添付ファイルだけを探す隠し検索機能size:

みなさんGmail使ってますか?

無料で使えて大容量(今は10GBぐらい?)を誇るGmailの登場で、Gmail以前なら古いメールや重要じゃないメールは削除したり圧縮したりしていたものが、なんでも受け取ってアーカイブするようになってしまいました。

それでも、長く使っていると、過去の蓄積でかなり容量が圧迫されてきます。今僕のGmailアカウントは8割が使用済の状況です。

重要じゃないニュースレター等を検索・削除して容量を空けてもいいですが、もっと直接的に、大きな添付ファイルや大きなメールを探して消せればいいですよね。これまでは、APIを使った外部サービス等を使って、大きな添付ファイルを探しましょう、というのが推奨手順でした。

ブログTechSmogが発見した、Gmailのマニュアルに載ってない検索指定子”size:”は、まさにこの「大きなメールを探す」というのを、外部サービスやブラウザ拡張を使わずに実現できる道具です。

size:10485760

とバイト数を指定すると、上の例では10GBMB(=10485760 bytes)以上のメールが絞り込まれます。

まあ、正確に10MBで探す必要もないので、ご自分のメールボックス中の大きなメール・添付ファイルがどれぐらい見つかるかに応じて、sitesize:1000000 とか size:500000 とかで絞り込んでみればいいのではと思います。

[update] コメント欄で教えていただきましたが、”size:10M”という単位指定もできるようですね。”size:512K”, “size:765kb”, “size:64MB”, “size:573m” など、大文字小文字、後ろのBの有無に関わらず、単位が有効なようです。

世代の古いバックアップファイル等、不要で大きなファイルが見つかったら、それらを消してみると容量にかなり余裕が出るかもしれませんね。

[update 2012-11-15] 公式ブログでも発表されました。これでこのオプションが簡単に無くなることもなさそうですね。size:のほかにlarger:でも同じ効果があるそうです。また、他にも、older_than:1y (1年以上古い)といった時期での検索もできるようになったということで、昔のメールをまとめて削除したりがしやすそうです。二つを組み合わせれば、古くて添付ファイルの大きなメールを探す、といったことも可能に。

via Finding Large Attachments and Emails in Google Mail / Gmail : TechSmog

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ネットのサービス

Chromeブラウザでユーガットメールしてくれる拡張 You’ve Got Gmail

[訂正] めぐり逢えたらとユーガットメールがごっちゃになってました。両方見たことあるのに。
ユーガットメール(You’ve Got Mail)は、パソコン通信時代のAOLメールがドラマ中の重要な道具だった、1998年のトム・ハンクスとメグ・ライアンのロマンチックコメディ映画です。

メールが届いた時にパソコンが出す”You’ve got Mail”の音は、当時AOLを使っていた多くのアメリカ人にとっては当時を思い出させる懐かしい音声で、 映画中でも頻繁に出てきます。

GoogleのChromeブラウザ拡張 You’ve got Gmail (メールじゃなくてGメール)は、そんなAOL Mail体験をモダンブラウザChrome上で再現するという、懐かし系の拡張機能です。
Youvegotgmail
インストールすると、右上にAOLのメールボックス風のアイコンが登場し、Gmailにログインしていると、新着メールが届くたびに”You’ve got Mail”と喋ってくれます。
新着が多すぎたり、音を出したくないときは、アイコンから”Mute”で無効にすることもできます。
以前ご紹介した、フェイスブックのタイムラインから赤ちゃんの写真を全部消してしまうUnbaby.meと同じ作者が開発したものだそうです。
via You've Got Mail – New Gmail Notifier with Sound