サイボウズ・ラボユース 開発コース
システムソフトウェア研究開発(担当: 星野 喬)
第15期(2025年度)ラボユース生・研究生の募集は、メンターの都合により 5/1 開始となります。 他コースと募集期間が異なりますので、ご注意ください。
募集する開発テーマ
主にデータベースやストレージその他のシステムソフトウェアおよび、 その中で使われる並列分散処理などの技術についての研究や開発、学習をサポートします。 具体的には活動への助言、設計・コード・発表スライドなどのレビューを行います。 やりたいことが少し違っていても意欲が高くてメンターがサポートできそうであれば受け入れますので気軽にご相談ください。 システムソフトウェアがおもしろいと感じている方や、将来システムソフトウェアを作る仕事をしたいと思っている方、 並列プログラミング大好きな方、性能測定実験が大好きな方、歓迎です。
メンターから期待できるサポート
- アルゴリズムや手法など技術的な議論
- ソフトウェアの設計やコード、文章構成、プレゼンスライドのレビュー
- 研究に関するセカンドオピニオン
メンターの経験
- トランザクションシステムの研究(2016〜)
- 並行実行制御(CC)やログ先行書き込み(WAL)など。発表文献については個人のページを参照ください。
- セキュリティキャンプ全国大会2018-2022でデータベースゼミの講師を担当。
- Linux kernel のラッパーブロックデバイスドライバの開発(2010-2020)。
- ストレージバックアップシステムの開発 (2009〜2020)。
- データレイアウトのフラグメンテーションによる性能低下問題(学生時代)。
- 分散アルゴリズム(学生時代)。
応募にあたって
- サイボウス・ラボユースはメンターの助けがないと一切活動が進まない方には向いていないプログラムです。ラボユースに応募して採択された場合、ご自分のテーマはご自分で進めていただく必要があるからです。メンターはあくまであなたの背中をそっと押す係、壁打ち役だと思ってください。活動を進める中で大小様々な悩みは発生しますし、メンターはもちろん相談に乗ります。メンターとの打ち合わせをモチベーションの足しやペースメーカーにしていただくのも大歓迎です。それでもあなたのテーマを進めるのはあなた自身です。やってみたいことがあるなら是非ほんの少しで構いませんので時間をとってやり始めてみてください。それが本当に自分が時間を割いてでもやりたいことであると確かめてからラボユースに応募しても全く遅くありません。
- プログラミング含め、必要な能力や知識については、やりたいことや状況によっても変わってきますので、本コースにおいて基準を提示することは難しいです。ただし、選考において、ラボユースの目的に沿うかどうかや、メンターとのマッチングを検討する中で、能力や知識についても考慮します。
- (ここに書いてあることは、本コースのメンターがこう考えているというだけで、他コースのメンターの考えを代弁するものではありません)。
ラボユース活動の進め方
- 本コースで活動するラボユース生・研究生の方とは、最大で週あたり 1 時間の打ち合わせ時間を取っています。もちろん学業などで忙しい時期やラボユース活動が捗る時期など濃淡がある場合は、状況に応じて、相談の上、打ち合わせの頻度や量を調整します。
- 本コースにプログラミング言語についての縛りはありません。お好きなものを使ってください。やりたいことに対して向き不向きはあると思いますので、助言はするかも知れません。これまでに活動した方々の使用言語は C/C++/Rust/Go/Java/Python など様々です。本コースにおいて、コードレビューは原則打ち合わせの中で行いますので、メンターが慣れていない言語でも構いません(その場合、言語特有の助言は難しくなりますのでご容赦ください)。
- ラボユース活動途中で取り組むテーマを絶対に変えてはいけない、というわけではないです。ただ、活動を進めていった先に致し方なくテーマを変更することがあり得るという話で、事例も少ないです。応募の段階でテーマ変更を予定するのはやめてください。
本コースで活動した人達
詳しくは成果報告を参照してください。
- 秋山 馨 「軽量・高速なエミュレーター内蔵コンテナランタイム」
- 木田 碧 「分散システムにおける無兆候データ破損の影響について」
- 高棟 雄斗 「Merkle-CRDTを使った分散KVSの実装に向けて」
- 多田 瑛貴 「Rust製Linuxウインドウマネージャ開発を通じた良い設計へのアプローチ」
- 小栗 悠太郎 「DBMS自作によるトランザクション処理の学習」
- 山田 龍 「データベースロギング設計の多様性」
- 今井 航一 「Data Distribution Service 測定ツールの開発」
- 大滝 理貴 「トランザクションの平行制御手法とベンチマークの実装」
- 舛村 康成 「高競合状態における並行性制御法最適化の分析」
- 山本 祥平 「DBMS を実装しながら学ぶ」
- 和田 智優 「分散データシステムにおける非決定的性能バグの正確な解析」
- 田辺 敬之 「トランザクション処理における並行性制御法の評価」
- 増田 健太 「制約を用いた作図言語Pita」
- 川田 恵氏 「Exploitの旅2018」
- 神谷 孝明 「並列WALによるPostgreSQLのトランザクション高速化に向けた取り組み」
- 堀内 美希 「お手軽!分散計算プログラミングツール入門」