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オープンソース電話セールス撃退システム

The Telecrapper 2000 (広告ポップアップが出るのでそちらは押さずに閉じるのがいいだろう)([更新 2019 リンク切れのためリンクを外しました。元のURLは http://www.pagerealm.com/tc2k/ ]) は、電話セールス業界に反撃を喰らわすべく開発されたオープンソースシステム。< アメリカにいたとき、家の固定電話には一日5件はダイレクトセールスの電話がかかってきていた。僕の場合、固定電話は DSL 用でしかなかったのですべて留守電にまかせっぱなしだったのだが、それでもかなり迷惑だった。いちおう、Do-not-call-list という「うちはセールス電話一切お断り」という政府の仕組みがあって、そこに登録したらセールス電話はかかってこないことになっているはずなんだが、あまり効果はなかった。

この TC2K は、セールス電話に対して適当な合いの手を打ち続けるシステム。その動作は以下のようになっている。

  1. 発信者番号(Caller ID)を取れるようにして、このシステムを電話につなげておく
  2. 電話セールスをかけてくる番号リストを設定
  3. リストにある番号からかかってきたら、ワンコールでこのシステムが電話を受け取る
  4. 音声が途切れるまで(相手が話し終わるまで)待って、何か適当な返事を返す
  5. あとはひたすら、相手の話した後にあらかじめ用意しておいた応答を再生し続ける

このサイトでは、実際にこのシステムを使って電話セールスと「遊ぶ」様子がいくつか音声ファイルとして公開されている。一つはフラッシュにもなっていて、これがかなり笑える。

電話セールス撃退の実例フラッシュ (988Kbytes。 音が出ます) ([更新 2019 リンク切れ。元URLは http://www.custom3dgraphics.com/flash/hiphurts.html])

電話セールスレディと TC2K の会話はこんな感じ。

TC2K: もしもし?
セールス: こんにちは。○○さんはいらっしゃいますか
TC2K: すいません? 誰ですって?
セールス: ○○さんとお話したいんです。
TC2K: なるほど。やっとわかりました。まずはメモを取らせてください。
あなたは非常に礼儀正しい物腰で電話をされる方だ、と。
セールス: ありがとうございます。
TC2K: もし電話をかけてくる人がみんなあなたのようであれば、
電話を取るのはたいへん楽しくなるだろう。
セールス: どういたしまして。そうあるように努力いたします。
TC2K: ああ、すいません話の腰を折ってしまい。どうぞ続けてください。
セールス: ○○さんとお話がしたいのです。
TC2K: 尻が痛い
セールス: は? なんですって? あなたは○○さんなのですか?
TC2K: もうしわけない。じつはここ数日というもの物覚えが悪くなっていて、
こんなことを認めるのもお恥ずかしいのだが。
どうしてあなたに電話をしているのかすら思い出せないんだ。。。
セールス: いえ、電話したのは私のほうで。。。
TC2K: ちょっとしたヒントをもらえるかな? もしかしたら「20の質問」がいいかもしれない。
では最初の質問、、、、

このあと、延々と相手にどうでもいいような質問を続けていく。最後には好きな色を聞く質問で相手を引きずり回す。最後までおかしく聞けることと思う。

こうやって、毎回毎回のセールス電話にコストをかけさせることができれば、電話セールスも少しは収まる。。。。かなぁ?

なお、このシステム、公開されているライブラリやツールに、Perl のスクリプトと自作音声カプラでできているようだ。モデムを使ってソフトウェアだけで動かすバージョンも検討中ということらしい。

[追記] Asteriskでこの「営業電話たらいまわし」をするスクリプトがいくつも公開されているのを見つけた。これとかこれ

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アメリカの技術者が読む無料雑誌

3年半、アメリカの子会社で働いていたわけだが、会社のポストには毎日のように雑誌が送られてきていた。

カンファレンスで名刺を渡したり、オンラインニュースレター(日本でいうメールマガジン)の購読をしたりすると、そのうちに「無料の雑誌を購読しませんか?」という案内がメールでやって来る。ウェブサイトでちょっとしたアンケートに答えると、毎日山のように無料雑誌が郵送されてくることになる。

帰国直前まで僕に届いていたのは eWeek, InformationWeek, InfoWorld, SD Times, Optimize, Software Development, Dr. Dobb’s Journal, Java Developers’ Journal, C/C++ Users Journal, Java Pro, VAR Business など。月刊のものも週刊のものもある。書店では有料で売られているものも。

その他に、Dell, HP などが PC やプロジェクター、液晶 TV などのカタログを、Office Depo などが文房具のカタログを、毎週のように送ってきていた。

開発ツール製品やミドルウェアの販売元からすれば、これらの雑誌に紹介されたり、広告を出したりするのは非常に大きな影響を与えるだろう。

ほとんどの雑誌は、北米以外の住所にはこの無料誌を送ってくれない(送料負担すれば送ってくれるのも多いが)。ただ、最近は PDF などのオンライン版が入手できるのも多いため、アメリカの技術者達と同じ読み物を読んでみたい人は、それらのサイトからオンライン版の購読申し込みをするのもいいのでは。