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UIデザイン

キャラクターがログインフォームをチラチラ見てる

画面上の目がマウスカーソルを追いかけるというと、X Window System の Xeyes の昔(Wikipedia によれば 1988 年!)からあるアイデアですが、ウェブサイトのログイン画面を見ているキャラクターというアイデアがこちら

メールアドレスを入力するタイプに応じて雪男風のキャラクターの視線が動きますが、面白いのはパスワードを入力する時のキャラクターの動作。

パスワード入力時のマナーとして確立した挙動ですね。

twitter のリプライからは、この手のキャラクターがいつ登場したかの情報が集まっています。

小物に自分のデータを印刷して購入できるサービスSticker Mule のログイン画面

Sticker Mule のログイン画面

VPNサービス TunnelBear のログイン画面

昔 dribble でも見た、という反応は多かったのですが、Dribbble.com のことであれば、今のログインフォームにはキャラクターは居ないようです。

2019年の Flutter と Flare のデモで、スマートフォン上で同様のフォームを作るコードもありました。

GJJ2019/Flutter-Teddy-SignIn: A Flutter Project For Real Sign In Page Based on Flare Teddy animation

こちらの方は、このアニメーションを作る手順の記事につなげていますね。

via twitter

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セキュリティ

kwprocessor – パスワード推測のためのキーボード・ウォーク・ジェネレーター

hashcat/kwprocessor は、キーボード上で上下左右に図形を描くことで作れるタイプのパスワード文字列を類推し、総当たりのリストを生成するためのジェネレーターです。

キーボード配置から作ったよくあるパスワード

昔からよくあるパスワードの作り方として、例えば “qwerty” なんていうのがあります。キーボードの左上から順番に右へ一文字ずつ打っていくとこうなりますね。大昔はこれでも「ランダム」で「推測されにくい」パスワードだったのかもしれません。

しかし、とある2020年のありがちなパスワード・ランキングだと、”qwerty” はなんと12位。”1234″ や “000000” よりも良く使われ、そして当然ながら流出しているそうです。

他にもこのパターンのものが多数ランク上位に出ているようです。

キーボード配置からパスワードを作る

「横一列だから甘いんだ。縦も横も使えば難しいパスワードが作れる」と言う人もいるかもしれませんが、本当でしょうか?

kwprocessor は、キーボード上で縦・横にキーを選んでいった際にできる文字列を生成するというツールです。

この図だと、q から始めて右に3個、下に1個、左に3個、という逆コの字型の並びを示すわけですが、kwprocessor はこのような並びでできる文字列を一括で生成してくれます。

ubuntu$ ./kwp --output-file results.txt basechars/q.base keymaps/en-us.keymap routes/2-to-16-max-3-direction-changes.route

これで出来上がるのが以下のようなファイル。1200行ほどの冒頭です。

qa
qw
q1
qaz
qwe
qwer
qwert
qwerty
qwertyu
qwertyui
qwertyuio
qwertyuiop
qws
q1q
qwq
q1`
qas
q12
qaq
qw2
qwsx
q1qa
qasd
q123
qaq1
q1qaz
qasdf
q1234

「キーボードの”q” を起点とし、英語(米国)キーボードで、2~16字までで2回方向を変えた文字列」 を返してくれます。

コマンドに与えているパラメーターファイルですが、

basechars では”q” だけでなく起点となるキーを多数指定することができます。

keymaps ではキーボード配列をカスタマイズできます。ドイツやロシアのキー配列ファイルも用意されていますし、日本語配列を作ることもできるでしょう。

routes ファイルでは上下左右へいくつ動くか、という移動パターンを数字列として複数与えます。一直線や往復、コの字型などのパターンは最初から用意されていますし、独自のパターンを作って与えることもできます。

コマンドラインオプションでは、シフトキーを押した場合やAltキーを押した場合(ウムラウトとかの出力につながるそう)を含めるようにもできているため、途中で大文字や記号を混ぜるという操作をして作られたパスワードも再現できるでしょう。

これらのパターンから自動生成されたリストを有り得るパスワードのリストとして使うことで、総当たりよりもはるかに少ない試行回数でパスワードの発見と突破ができるかもしれません。

この手のパスワードの作り方を今でもしている人がいたら、やり方を変えた方が無難でしょうね。

via Hacker News

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UIデザイン

パスワードを決める画面でのアホなルールを集めたリポジトリ dumb-password-rules

dumb-password-rules/dumb-password-rules

パスワードの登録や更新画面で出てきたおかしな制約やエラーを募集している GitHub リポジトリがあります。

あほなパスワードの文字制限を分類

多数の事例が載っていますが、代表的なものをグループ化してみます。

文字種や記号を謎に制限

「% は使えません」「\ は使えません」 – 内部でエスケープしちゃうんですねわかります。ちゃんと作ってあればこんな特例要らないと思うんですが。

「記号で使えるのは ? ! $ €% & * _ = – +. ,:; / () {} [] ~ @ # だけです」

「記号はアンダースコアとハイフンだけ使えます」

「数字や記号は使えません」

「使える記号がありますが、どの記号が使えるかは秘密です」

「パスワードは5-15文字です(が、スペースは文字数としてカウントしません)」

「パスワードに使えない記号は、あなたがそれを入れてみた時だけエラーで教えます」

「パスワードは数字8桁で、0で始まってはいけません」 – 数値型か

「#, %, &, =, /, < などのハッキング文字は使えません」 - ハッキング文字!

長さ指定系

「パスワードは8,9,10文字でなければいけません」

「パスワードは7文字か8文字でなければいけません」

「パスワードは6文字です」 – ATMの暗証番号か

「パスワードは6文字以上です (あとどこにも書いてませんしエラーの原因にも出ませんが最大20文字です)」

「メールアドレスは8文字以上にしてください」 – ユーザーのメールアドレスで選別するの?

「登録フォームのパスワードは最大24文字ですが、実際に使われているパスワードは最初の16文字です(更新フォームで判明)」

技術で解決系

右クリックや Ctrl キーを効かなく(alertが出る)することで、パスワードマネージャーの利用を防ぐ

パスワードを入れる箇所が2か所あるが、コピペやChrome拡張からの自動入力を不可能にすることで、パスワードマネージャーの利用を防ぐ

「パスワードは120日ごとに変更しなければならず、一度使ったパスワードは二度と使えません」

総合力タイプ

「パスワードには記号を含めてください。パスワードには記号は使えません」 どうしろと

「とにかくルール、ルール、ルール!」


顧客や上司がパスワードの文字種について不思議提案をしてきた時に、この事例集を見せて「その発想、やっちゃダメなやつだと笑われてますよ」と言ったら説得できるかもしれません。

via Hacker News