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イギリスのRubyカンファレンスBritrubyが人種・性別差別問題で開催中止に

英国ルビーカンファレンス(BritRuby)が、登壇者の人種・性別問題によって中止される、というニュースをVentureBeat経由で知りました。

BritRubyは、来年の3月中旬の2日間、イギリスのマンチェスターで開催が予定されていたRuby on Railsコミュニティによるカンファレンスで、500名の参加者、20名のスピーカーを見込んでいたようですが、この登壇者がすべて「白人の男性」だったことが、今回の開催キャンセルの遠因のようです。

HackerNewsでの議論の中で指されている問題の開始点がこの一連のツイートだというのが本当であれば、「参加者が全員白人男性なのだけが残念だ」というつぶやきに対する応答の中で、主催者側が「実力で選んだらそうなっただけ」と答え、「マイノリティは実力が無くて選ばれなかったのか?」となったあたりから、炎上しているようです。

この炎上が起こったのは昨日11/18のようですが、(もう消えてしまった)「性差別&人種差別という言及のせいでスポンサーが手を引いた。お金がないので開催できない」というつぶやきが中の人っぽい人(女性のようですが)によってされていて、ゴタゴタを嫌ったスポンサーの意思が影響したのではという観測もあります。

[追記] 公式ツイッターにも類似のツイートがありました。こちらは削除もされていません。

https://twitter.com/BritRuby/status/270221926490857474

「BritRubyの中止の決断は、主に、ツイッターで起こった件を発端とした財政的な問題によるものです」

スポンサー絡みだ、と言う主張は同じですね。

イギリス国内でやってて、イギリス人の多くが白人なら(香港系、インド系、ジャマイカ系などいろいろなイギリス人がいるけれども)、本当にたまたまそうなった可能性もあるのではと思いますが、突っ込んでる側に言わせると、イギリスの他の同様のカンファレンスではもっと多様性はあるよ、ということ。前記のようなソーシャルメディアでの応対が一番まずかったのでしょうかね。

関係者による意見表明がgithubで起こったりしているのが技術コミュニティらしいところで、そこでは、「ただ多様性を得るためだけに他の人種や女性スピーカーを招待すべきなのか? それはそうやって招待された人への侮辱ではないか?」という意見も出ています。

# そうやって、バランスを取るために形ばかりに入れるマイノリティのことを”token minority”、そういう女性のことを”token female”などと言うみたいですね。知りませんでした。

Rubyのコミュニティなら、Rubyを作ったのは非白人なことは知ってるだろうに、と思いましたが、@BritRuby オフィシャルは

https://twitter.com/BritRuby/status/269853833503588352

「まつもとゆきひろ氏を数ヶ月前に招待したけど、まだ返事を貰っていない」

と言い、当のまつもと氏は

「昨日メールをもらったばかり」(= 数ヶ月前の招待というのは貰ってないか、気づいてない)とつぶやいていまするので、非白人の切り札として急遽招聘しようとしたのでしょうね。

[update] @BritRuby の言う「数ヶ月前の招待」はまつもと氏は受け取っていたそうです。再度の招待メールを受けたのが昨日18日で、メールの時刻から、人種差別の指摘の後にメールが送られていた、つまり、炎上したからという理由であらためて催促したわけではないのではということです。

東京で技術カンファレンスを開催して、登壇者が全部日本人で男性だった、なんてことは普通にありそうですが、東京なら外国人や女性のエンジニアだって多数いますし、先々同じようなことが日本でも起こるかもしれませんね。主催者は日本人男性ばかりにならないように、女性や外国人も含まれるように気をつけるべきなのか、そういう候補がいても実力が足りないと思った際には下駄を履かせるべきなのか、など悩みは尽きなさそうです。

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デザイン系の人気Facebookページが「著作権問題」で閉鎖

The Cool Hunterは、かっこいい建築やファッションなどのデザインを豊富な写真で紹介する英語圏の人気ブログですが、そのThe Cool Hunterによる78万人のファンを集めていたFacebookページが、公式から停止されたようです。

The Cool Hunter側で今回の経緯を説明していますが、Facebookページは8週間前に、前触れなく突然存在しなくなったということです。毎日1500-2500人のファンが増え、1万人以上がページ経由でブログに訪問していたということですから、ブログメディアとしてはビジネス的にも大打撃だったでしょう。

The Cool HunterはFacebook側に問い合わせしたようですが、「著作権侵害が繰り返されていたため」という返答を受け取っただけで、どのテキストや画像が著作権侵害なのかといった具体的な情報は得られず、一旦はコンテンツがすべて消えた状態で空のページだけが復旧したものの、それも5日後でまた停止されてしまったとか。

以前にもFacebookが他のFacebookページを「著作権侵害との報告を受けた」として突然無効化したことがあるそうで、この時はやりとりの後に復旧したページもあるようなのですが。

ウェブでデザイン系の画像を紹介するブログ、ともなれば、そこには多数の画像が絡んできます。元記事にリンクをつけての引用ならOK,とするブログも多いですが、実際には個々のオリジナルの作者や撮影者によって、何を許して何を許さないかというポリシーはバラバラでしょう。The Cool Hunter側は2件については確かに侵害があったようだ、と言っていますが、その2件が本当に問題とされたのか、誰がその著作権侵害をFacebookに通知したのか(本当の著作権者か、著作権者のふりをした第三者か)、など、不明なことが多すぎます。

また、実際問題として、Facebookのような巨大なプラットフォームで、運営側がどれがどう違反しているのか調べ上げて教えてくれる体制を作れるとも思えません。このあたりはYouTubeでも起こっている問題だと思いますが。The Cool Hunterは、まだ70万人ものファンがいるからこうやってニュース化して、ページを復活させるように働きかけてくれるファンもいるでしょうけれど、もっと小さなところが同じようなトラブルに陥ったら、まず打つ手はなさそうですね。

The Cool Hunter の本体はブログで、FacebookページはFacebook上でのファンや読者を増やす出店だったでしょうから、今回の事件ですべてをいきなり失ったわけではないでしょうが、本体のドメインやブログを持たずにすべてをFacebookで活動しているようなサイトは、著作権について突っ込まれるようなコンテンツを載せないようにしたり、著作権侵害だという報告をされないように注意しないとリスクが高そうですね。

TwitterやGoogle+であっても同様ですが、人が集まっているソーシャルメディアで活動しないとファンは増やせないし、かといってソーシャルメディアに依存してしまうと今回のようなトラブルで一気にウェブ上での存在感を失ってしまうリスクがあったりと、判断の難しいところです。このあたりは自分のドメインでブログを運用するか、大手のブログサービスでブログを書くか、といった選択でも過去に悩んだ方は多いかと思いますが。

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フェイスブックCEO、中国のテレビ番組にカメオ出演?

中国での警察ドキュメンタリー番組に、一瞬フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグとその奥さん(撮影時は結婚前でしょうが)が映っているそうです。

0:29 あたり、警官の右奥をにこやかに歩く二人。
この二人が春頃に中国を旅行していたのは事実でいろいろと報道されていました。そのついでに東京でのイベントにも寄っていますし、たまたま似た人ということはなさそうです。しかし、中国のように人が多いところで、こんな偶然ってあるんですかね?
この登場は中国版ツイッターのWeiboでも話題になっているそうで、サービスはブロックされてるのに創業者はテレビに出ているのは皮肉だ、などという書き込みもあるとか。
via The Next Web