「ネットの事件」カテゴリーアーカイブ

Amazonのメールテンプレートが誤ってそのまま送信されるも、内容の文章指南が面白いと話題に

Amazon AWS からこんなメールが来たよ、というredditの書き込み。

このメール文、内容にAWSから来るようなものは一切ありませんが、

「この文章は5単語です。さらに5単語の文章です。1文は5文字で十分です。ただそれが続きすぎると単調になります。(中略) 今、長さを変えてみよう。音楽を作るんだ。そう音楽を書く。リズム、調子の変化、そしてハーモニー。…」

から始まり、少しずつ内容が熱を帯びていき、後半では

「…次第に大きくなる刺激と燃えさかる熱量を持つセンテンスの長文で読者を引き込み、ドラムロールとシンバルの響きでもってここが重要だ、これを聞いてくれ」

そしてメールの末尾のボタンには

「『ここをクリック』ではないちゃんとしたCTA(行動喚起)のテキストを書いてください」

で終わっています。

Redditユーザーの情報によれば、この文章はゲイリー・プロヴォストさん(Gary Provost)の100 Ways to Improve Your Writing(文章をよくする100の方法)という書籍がオリジナルだそうで、Amazon AWS の中でニュースレターのテンプレートにこれを採用していたということのようですね。

穴埋め、仮の文章としてはLorem Ipsumが有名ですが、文章の書き方のちょっとしたコツを含むこのプロヴォストさんの文章も、実用的でいいですね。

そのまま読める自然な文章であるために、完成原稿だと勘違いして社内のチェックをすり抜け、送られてしまった可能性もありますが。

Googleのヘルプに書かれたサンプルドメインが失効、乗っ取られる

Googleの G Suite サービスのマニュアルで使われているドメイン名が失効してしまい、他人に取られたという話。そのドメインを取った人自身が説明しています。

G Suite のオンラインマニュアルに、独自ドメインを設定してもうまくいかない場合の確認方法について書かれているのですが、

設定済のドメインとして、spottedfig.org というドメイン名が使われています。これを、Google は当初は維持していたようなのですが、更新忘れで失効してしまっていたということ。

マニュアルの中の例としてのドメインで、リンクが貼ってあるわけでもないので、日頃運営しているwebサービスが乗っ取られるとかそういった致命的なミスではないですが、spottedfig.org の新オーナーがもし偽の誘導ページ等を置けば、中にはそれがGoogleのサイトだと勘違いして指示に従ってしまう人もいるかもしれません。

Google のような大企業でもサンプルドメインとして適当なものを使ったり、それを更新し忘れたりするんですね。

spottedfig.org が他人に取られたことを受けて、英語版のG Suite のマニュアルではサンプルドメインが solarmora.com に変更されています。このドメインにアクセスしても、Google のエラーページが表示されます。しかし、日本語版ではまだ以前のまま、spottedfig.org ですね。

spotted fig は、まだらのイチジク、という意味でしょうか。なんでこんなドメインを例にしたんでしょう。

女性専用SNS、女性かどうかをAIが自撮り写真で判定する仕組みで論議を呼ぶ

新しく登場した「女性しか参加できないSNS」 giggleが、女性しか参加させないために画像認識技術による性別判定を用い、抗議を受けたというニュースです。

この Giggle 、参加するにはまず自撮りを撮影して送る必要があります。送られた写真は「性別確認ソフトウェア」でチェックされ、女性と判定された申し込みだけが登録できる仕組みなのだとか。

サービス側は写真から骨の構造を見て女性かどうか判定できる、と謳っているそうですが、これにトランスジェンダー女性がtwitterで抗議の声を上げています。

骨の形で女性で無いと判定してしまうと、産まれた時の身体が男性だったトランス女性は女性ではないと判定されてしまう可能性がありますね。まあ、そもそも、骨の形で(身体的にではあっても)男女を100%正しく判定できるソフトウェアというのがあるとも思えないので、女性と産まれて女性判定されない人もでてしまうこともありそうに思うのですが。

先月にはGoogleのCloud Vision API が画像内の男女の性別分類を停止というニュースをご紹介しました。画像による性別判定が不完全なものであると、トップレベルの技術者を多数擁するであろうGoogleでも認めているわけです。

女性トイレや女風呂の利用に関しても、女性性をどう定義するかというのがニュースになることは増えていますね。ニュースにもならなかった昔に比べればそれ自体は進歩に付随するものだろうとは思うのですが、ナイーブなAIで性別を判定し、それに頼ったサービスを運営するということ自体、リスクが高いように思わされたニュースでした。

via The Verge

GoogleのCloud Vision API が画像内の男女の性別分類を停止

Cloud Vision API の利用者にメールで告知があったようです

2020年2月19日から、もう過ぎてますね、Vision API はラベルによる分類をした時に画像の中の人物に対して”man”/”woman”といった男女を区別したラベルを返さず、”person”を返すようになったということです。

人の性別は外見からわからないはずなのに、どちらかの性別にしてラベル付けしてしまっていたことが、Google が自ら取り決めて公開している GoogleにおけるAIの原則(Artificial Intelligence at Google: Our Principles)の第2項、「新たな偏見を生み出したり既存の偏見を強化しない」に反している、などが今回の変更の理由だということです。

見た目から性別を特定するのは偏見である、という考え方は良いと思います。Business Insiderの取材に回答したMozillaのフェローは、たいへんポジティブな変更だ、と評価しているよう。

このAPIで男女判定をしている既存のサービスやアプリは慌てているところかもしれませんね。

他社の同様のサービスはまだこのような方針になっていないため、とりあえずは別のAPIを利用するように直すのでしょうけれど。

via Business Insider

WiFiテザリングのSSIDに危険な単語を使った乗客、飛行機から排除される

デトロイトからモントリオールに向かうGoJet航空の飛行機が、ヤバいWiFiのアクセスポイントがあるということで離陸できず、ホットスポットの持ち主を排除したというニュースがありました。

出発予定時刻の20:10を過ぎ、客室乗務員がWiFi機器を切るように何度注意しても、オフにならないWiFiアクセスポイントが有ったそう。機内放送でこのままだと警察を呼びますよと警告しても無駄で、結局10台ほどの緊急車両が飛行機を囲み、警官が乗り込んで来て機器の持ち主らしき二人、ケベック州から来ていた42歳男性と31歳女性の二人を連れ出して行ったそう。

WiFiの電波が飛んでいるかを確認して、止まるまで出発しないなんて運用がされているんですね。あまり聞かないけど日本でもそうなんでしょうか。

しかし、緊急車両の数といい、今回の事件がここまでの大騒ぎになったのは、そのWiFiアクセスポイントの名前が”REMOTE DETONATOR”(遠隔 起爆装置)だったからのようです。どんな名前であっても飛行機からはどのみち下ろされていたのあもしれませんが、この名前にした上でオフにすることも拒否していたのでは、強制的に連れていかれてもしょうがないでしょう。

強制排除された男女は逮捕のあと釈放されたが、取り調べは継続しているそうです。

今回はなぜ注意されてるのに切らなかった、という点が明らかにおかしいですが、ここまでのことじゃなくても、クールな名前と思ってつけたSSID名が思わぬ誤解を招くこともあるかもしれません。

有名WordPress プラグインのYoast SEO、500万+のブログ管理者に望まぬバナー広告を表示

Yoast SEOといえば、ワードプレスのSEO対策をしてくれるプラグインで最も有名なもののひとつです。

そのプラグインが、北米の国民的特売日であるブラックフライデー前に、ワードプレスの管理画面に派手な広告バナーを勝手に表示した、として騒ぎになっています。

バナーのサイズは 1015px x 102px、しかもYoast プラグインのページではなく管理画面のどのページにいっても表示されたそう。

Yoastプラグインのサポートフォーラムもたいへんなことになってます。

無料で使えて信頼もあり、2万5千件以上ある過去のレビューのほとんどは星5つなのですが、今回の件で雪崩のような不評コメントが延々と続いています。

WordPress のプラグインサイトによれば、アクティブなインストールが500万以上あるということで、この広告を見せられたブロガーの数もたいへんな人数になるでしょう。

高品質のワードプレスpluginによくある、追加機能を有料で買えるフリーミアムなビジネスモデルでやっているようですが、有料ビジネスがうまくいっていないのか、広告バナーを一斉配信できる立場での誘惑に逆らえなかったのでしょうね。競合プラグインもあるので、人気や勢力図の入れ替わりもあるかもしれません。

親にスマホを取り上げられたため、DS、Wii、そして冷蔵庫でツイートする少女?

アリアナ・グランデのファンとしてのつぶやきをしていた15歳の少女ドロシーさんが、親の監視をかいくぐってツイートを続ける工夫によって注目を集めているようです。

母親にスマートフォンを取り上げられたドロシーさん、おそらくスマートフォン中毒のような状態でツイッター等から離れられず、学業等に支障をきたしていたのかもしれません。

永遠にお別れです。ママにケータイを取り上げられました。みんなとお別れするのはさみしい。泣いてます。さよなら

ニンテンドー3DS画像投稿ツール より

スマートフォンが無いので、DS からツイートしてますね。しかし、ドロシーさんは情熱を持って抜け道を探しました。

なにか壊しちゃったみたい。ニンテンドーDSから投稿してます 🙁

Twitter モバイル版 より

ドロシーはニンテンドーからツイートしてました。このアカウントは閉鎖されます。

iPhone より

みんな。ママが仕事に行ったので私の電話を捜索中です。幸運を祈って。ラブ。

Wii U画像投稿ツール より

冷蔵庫からです。これでツイートできるかわからないけど。ママにまた全部の電子機器を没収されたので。

LGスマート冷蔵庫(LG Smart Refrigerator) より

一連のツイートが注目を集める

ツイッターできるスマート冷蔵庫の販売元であるLG社の公式アカウントも、「ドロシーを救え」と反応しています。

ドロシーの話は、BBCニュースでも取り上げられるに至りました。

@thankunext327 のフォロワーは3万人を越えて増加中ですが、冷蔵庫からみんなの注目と支援に対する感謝のツイートを述べたあとはまだ沈黙中です。母親から冷蔵庫以外のデバイスを返してもらえるといいのですが。

フェイクの可能性。誰が何のために?

LGスマート冷蔵庫にツイッターアプリは載ってない、という突っ込みが多方面からあり、話ができすぎていて作り話なのではないか、という意見もあります。

LGのスマート冷蔵庫にウェブブラウザはあるので、冷蔵庫からツイートはできるようですが、その場合、送信元デバイスの表示は “LG Smart Refrigerator” にはならないだろう、ということ。

via The Guardian

イギリス新50ポンドのアラン・チューリング氏肖像紙幣に、2進数の隠しメッセージが

新50ポンド札に計算機科学の偉人アラン・チューリング氏が登場することが15日にニュースになりましたが、とあるツイッターユーザーが、この紙幣デザインに隠れた2進数の秘密を見つけています。

この部分ですね。紙テープをイメージしたようなリボンに、1と0の数字が並んでいます。

@danbarker さんは、この数字列 1010111111110010110011000 を2進数として10進数に変換した 23061912 が、チューリング氏の誕生日(23/06/1912 = 日/月/年 のヨーロッパ式)であることを見つけています。

国が作って広く流通する予定の紙幣のデザインですから、ただのそれっぽいランダムな0と1の羅列ではなく、ちゃんと意味が持たせてあったということですね。紙幣のデザイン案には他にも01の列や数式、グラフなどが散りばめられているので、他の部分にもこういった隠しメッセージが入っているかもしれませんね。

フリーな Photoshop のライバルツール GIMP の名前の由来。そして何度も出てくる改名提案

有名オープンソースツールの名前と政治的正しさに関する揉め事です。

“gimp” は悪い言葉か?

“GIMP”という名前をより攻撃的でない(less offensive)名前に変えよう というチケットが GIMP のGitlab に投げられていました。

“gimp”という単語の意味自体を知らなかったので、まずこの人の説明する悪い意味と言うのを調べてみます。

“gimp” には「組み紐」という意味の他に「不自由な足取りの人」「役立たず」といった意味もあるそうです。なるほど。この意味で使われる時は他者を軽んじたり攻撃したりが多い、ということ。

今回は、改名を支持するコメントに10個以上の「いいね」がついているようですが、このチケットに別の掲示板からリンクが張られていて、その掲示板の読者が集団でやってきて「いいね」を押しているのではないか、という意見も出ています。普段GIMPの開発に関わったりユーザーだったりではない人々に操作されているのでは、ということですね。

チケットは短時間で「対処しない」とクローズされていますが、どうも、この改名提案は不定期にGIMPプロジェクトに寄せられ続けている、よくある提案なようです。

GIMP の名前の由来

GIMP の作者、スペンサー・キンボール氏(Spencer Kimball)とピーター・マティス氏(Peter Mattis)の1997年のインタビュー記事で、

当時、映画「パルプフィクション」が話題になってて、そこからある一つの単語が思い浮かんだんです

At the time, Pulp Fiction was the hot movie and a single word popped into my mind while we were tossing out name ideas.

と答えています。当該のシーンはこちら。全身黒の拘束具に包まれた男性を「gimp を連れてこい」と箱から出させています。(シーンの解説)

右の黒づくめの男性が “gimp”

スラング情報を集積している Urban Dictionary のサイトによると、こういった奴隷的な扱いを受ける男性のことも gimp と呼び、これが広く知られるようになったのは「パルプ・フィクション」のこのシーンによるものらしいです。

作者たち自身が「このシーンからつけた」と言っちゃってますので、「一つの単語にいろいろな意味が」とか「GNU Image Manipulation Program (画像操作プログラム)の頭文字だよ」という言い訳も今さらでしょう。

ちなみに、現在 CockroachDB の CockroachLabs社の CEOがキンボール氏、CTOがマティス氏CEO。「ゴキブリDB」ですから、ネーミングのセンスが常に逸脱気味な二人なのかもしれません。

GIMP の FAQ に「名前を変えてほしい」に対する公式回答が載っています。20年以上の歴史で、嫌になるほど問題提起されてきたんでしょうね。そして、それで改名されてないので、このままずっと GIMP は GIMP で行くのでしょう。

今後、GIMP(ツール)について人に説明する時に一緒に紹介できるような、できないような、名前の由来トリビアでした。

電動キックスクーター シェアリングの LIME、案内音声をハックで差し替えるイタズラに遭う

オーストラリア、ブリスベンのカンガルーポイントで、LIME 社のシェアリング電動スクーターが複数台同時にハックされるという事件が発生しています。

ステーションに並んだスクーターが、一斉に「一緒に乗りましょう」「私を連れまわして」などと喋っています。

オリジナルの内蔵音声が、何者かの手によって書き換えられたのではということです。

こちらの動画では、スクーターを勝手に持ち去った際の警告が差し替えられています。

ニュースでも「差別的」と言っていますが、移民風の喋り方などがそれにあたると感じられているのでしょう。

LIME や競合の Bird の電動キックスクーターについては、無料で解錠して乗るハックや、リモートから突然ブレーキを掛けるハックも出ていて、YouTube を検索すれば多数出てきます。

欧州中心に電動キックスクーターのシェアが爆発的に広がっているようですが、本体の電子部分が Bluetooth で簡単にアクセスできるタイプのものが有ったり、セキュリティ面で心配な事件も多いようです。

via Brisbane Times via Reddit