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陳腐な写真は撮れないカメラ Camera Restricta

ドイツのSchwäbisch Gmündデザイン大学でインタラクションデザインを学ぶフィリップ・シュミット(Philipp Schmitt)さんが製作したカメラ Camera Restricta は、名前が示すように「制限(restrict)」するカメラです。

GPS内蔵のこのカメラ、今いる地点でのネット上の写真の多さを FlickrPanoramio検索し、

(credit: philippschmitt.com)
(credit: philippschmitt.com)

その場所で撮られた写真が多数公開されていると、シャッターボタンが隠れて押せなくなります。

(credit: philippschmitt.com)
(credit: philippschmitt.com)

ファインダーから見た景色もバッテンつき。カメラを持って移動すると、その地点(約35m四方)で既に撮影された写真の数に応じて、ノイズ音が発生もします。

ニセ札を作ろうとしてコピー機に掛けるとコピーが失敗するように、撮影してはいけない所を撮影できない能力をカメラに持たせるのもありなのではないか、とシュミットさんは書いています。

3Dプリンタで作られたこの Cemra Resticta 、カメラの中身とソフトウェアはごらんの通りの iPhone です。

(credit: philippschmitt.com)
(credit: philippschmitt.com)

デザイナーや写真家としては、「既にたくさんあるような景色を撮ってどうする」という意識はあるかもしれませんね。このカメラの音に従っていけば、これまで撮られていない場所の写真を撮る機会は増えるかもしれません。

この試作品では単純なGPSでの位置情報だけですが、ネットの画像検索なども組み合わせれば、同じ構図の写真の多さ、なども調べるように改良していくこともできるでしょう。

ネット上の写真数を使うということだと、どちらかといえば、一般の観光客向けに、既存の写真の数の多さをガイドとして、「みなさんこのあたりで写真を撮られてますよ」とか、「ここからこちらの方角に向けて撮られた写真が一番『イイネ』されてますね」とか、撮るのをアドバイスする方向で頑張るのも面白いのではないか、と思いますが。

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VRスコープが街で無料で配られているので貰ってきた

住宅情報サイトの Suumo が、東京都内で配っている無料雑誌にVRスコープをつける、ということで、この週末、近所のファミリーレストランに置いてあったものを貰ってきました。

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地域ごとに違う雑誌のようで、「Suumoスコープ」という名のVRスコープがおまけで付いてるのは「新築マンション首都圏版」ということ。配布エリアは東京23区。サイトには配布店までは書いてなくて、具体的にどこに置いてあるかは電話で訊いてくれということのようです。地下鉄の駅の通路とかチェーンの飲食店のレジの横などで良く見かける気がします。

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表紙の裏に厚紙2枚。

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2枚目にはレンズ付き。

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利用説明書的な。

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組み立て前のSuumoスコープと、家にあったハコスコのGoogle Cardboardと。

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厚紙から点線に沿って

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4つのパーツを切り離します。

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折り目で折って、

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穴を開けて、組み立て。

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細い穴に、別のパーツのとがった所をさし込んでいきます。

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組み立てた後に、テープで側面を止めます。持って振り回してると壊れがちなので、セロテープ等で補強した方がいいかもしれません。

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完成。Android の Suumo アプリ側を起動すると、メニューに “Suumo Scope” というのが増えてました。これを起動。

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おお、見える。Suumoくんが。スコープを覗いたままで体の向きを変えると、スマートフォンに映された映像もその方角に応じて変化します。

もちろん、マンションも見えます。豊洲の新築マンションの外観、テラス、内装、のデータが用意されていました。このへんは今回のがうまくいったらデータが増えていきそうです。

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目が描いてあるのがいいですね。

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VRレンズが二つになった。まあ、アマゾンで買っても1000円(9ドル)とかなんですが。無料で配られてるのはすごい。

作りもそんなには変わりません。Google Cardboard の方は大きな一枚のダンボールを折り曲げて行く形だったのに対して、Suumo Scope は最初に4つのパーツに切っちゃってるので、むしろ組み立てはわかりやすいかも。

Google Cardboard の方には、クリック代わりになるマグネットが付いてますが、Suumoスコープにはこれはありません。スコープを見ながら何かを選ぶような操作はできないということです。

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「他の用途に使わないでください」と注意書きがあって、「Suumoアプリしか使っちゃだめよ」という意味なのか、まったく違うVRスコープじゃない使い方をするなという意味なのかちょっとわかりません。

でもまあ、ものは同じなので、一般のVRアプリが動きます。Google Play や Windows Phone Market で “VR” で検索すると、無料のものでもいくつも出てきます。

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四角いスコープの形をアイコンにつけたアプリは、この手のVRスコープに向けたものです。

恐竜だ! サメだ! と子供が楽しんでました。

Facebook が買収したOculus Rift とかに比べれば劣るのでしょうけれど、無料で簡単に体験できるのはいいかなと思います。

[追記 2022-11-18] Oculus は Meta Quest となり、価格も6万円(545ドル)とかになっていますね。この記事を出した少し後には、100円(0.91ドル)ショップでこの段ボールVRボックスが売られるようになったのも覚えています。スマートフォンを使って最低限遊べる安いものと、スマートフォンと同等やそれ以上の機能を内蔵した高級品に二極化したということなんでしょうか。

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Fotokite Phi – セルフィー(自分撮り)のための有線ドローン凧

ドローンといえばラジコンが普通ですが、Fotokite は有線でつながったリモコンのクアッドコプターです。

[更新 2022-11] Fotokiteのドメインでブランド専用のページができていました。IndiGogo のクラウドファンディングからは消えています。クラウドファンディングの状態から製品になれたようですね。

なぜ今さら有線? と思うかもしれませんが、有線であることをうまく使って新しいセルフィー(自撮り)を提案しています。

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その利点とは、操作が簡単で勝手にどこかへ飛んで行ったりしないこと。ドローンは糸で犬の散歩のように自分の周りに引かれていますし、上下左右への動きは手首をそちら側へひねるだけ。自由度の大きな一般のクアッドコプターを操縦するのに比べると、あっという間に扱えるのが利点だとか。

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この結婚式の例なんかはうまい使い方と言えるでしょうね。集合写真などでカメラマン役の人も全員写れるのがドローン自撮りのいいところ。

有線であることから、GPSや着陸用の装備が不要(紐を引っ張って回収できる)なので、カメラへの給電をしながらも15分間バッテリーを持たせることもできるそうです。

折りたたむと円筒形のパッケージに小さく収まるのも考えられています。普段鞄に入れておけることで使いたくなった時にすぐに出せそう。

カメラ部分は別売、というか、他社製品のスポーツカメラ GoPro を買ってきて載せろ、ということのようです。

今回の製品には8mのケーブルがついてくるそうで、8メートル離れた空中からの自撮りは、せいぜい1,2メートルの自撮り棒とは異なる風景となることでしょう。

[更新 2022-11]

製品サイトもあり、YouTubeでも事例動画をいろいろ投稿しているようです。

これは消防署で使われている様子。どんな風に燃えているかが上空からリアルタイムでわかるのは良さそうですね。火災による気流とかの影響もある現場なのかな。

森林火災で使うとかニュース報道で使うとか、有線カメラドローンを出してみたらそちら方面に需要がありそう、ということになったんですね。

[更新ここまで]

クラウドファンディングサイトのIndiGogoで購入者を募っていて、早期申込者の割引価格が$249(2万7390円) から始まって、一般販売予定の定価が$500(5万5000円) のところ、$349(3万8390円) 以下で入手できるようです。クラウドファンディングなので製品が届くまで安心はできませんが。

Fotokite Pro という上位機種もあり、こちらはケーブル経由での給電や、リアルタイムでの手元での動画の取得にも対応しています。そのままネットにライブ中継するのも考えられるとか。無線でHD画像をリアルタイム受信するのはうまくいかない環境も多いでしょうから、ケーブルでつながっているというのを制約ではなく優位点としてうまく活用しているといえます。

via The Verge