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ネットのサービス

Single Page – 一ページだけすぐ編集してネットに公開できる1ドルサービス

Single Pageは、一ページだけのwebページをその場で作って公開できる、という有料サービスです。

Single Pageで一枚ペラのwebページを作成中。ページ上で直接編集ができる。

サイトを開くと、サイト自身の説明が書かれたエディタが開かれますが、このエディタを使ってページ内を自由に書き換えることができます。

作成したページは、singlepage.cc/ ドメイン以下の空いている好きなパスで公開できます。公開するのにページごとに1ドル(110円)かかります。

利点

サイトに書いてあるこのサービスの利点は以下

  • アカウントを作る必要が無い
  • ログなどは取られていないプライバシー対応
  • 書いたものがそのまま最終形となる
  • 世界中から高速で読める(CDN対応ってことかな?)
  • 一回きりの支払いで、ソフトウェアの更新等はおまかせ

ブログのように、継続的に書きたいことが複数あるようなものではなく、一ページだけで完結する何かを公開したいときの手軽なサービスを目指しているようですね。

ユーザー登録すらなく、作成時に表示された削除フレーズをどこかにメモしておかないと、自分で作ったのに削除することもできません。後で修正する機能すら、今はなくて検討中だそうです。

1ドル(110円)取るのは、無料にするとスパム目的で大量にページを生成される恐れがあるからということ。少額でも徴収するのは一つの歯止めではありますが。

Hacker Newsのコメントでは、同様の1ページを軽く作れるサービスが10個ほども列挙されていて、無料のものもあるので競争力があるかはわかりません。いくつか見てみましたが、最初のページが既にエディタとなっていて書き始められるという開始のところが早いのは、「始めましょう」ボタンを押させたり、そこからユーザー登録が始まったりという他のサービスより特徴が出てるところかなとは思います。

違法なものや個人情報の暴露などには使わないでね、ということですが、一見匿名性が高いので悪用もされるだろうなと思います。クレジットカードで支払っていることから、完全な匿名ではありえないんですけどね。

via Hacker News

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機械学習

Galactica – 科学知識に答えるAI by Meta

Facebook の Meta社の研究者が研究成果をデモの形で公開したのが Galactica.orgです。

4800万種類の論文や書籍、マニュアルなどで訓練した言語モデルを使って、科学に関する自然文の質問に対する回答を生成しているそうです。

Galactica.org で質問の回答待ち

AIの回答生成に時間が掛かるのか、公開直後で色々な人が試しているからか、質問すると2,3分ほど待たされます。

Galacticaに訊く「モンティーホール問題って何?」

モンティホール問題について尋ねてみました

Question: What is the Monty Hall problem?

Answer: The Monty Hall problem is a probability puzzle that asks how to best win a game of chance. The game is played with three doors, one of which has a prize behind it. The contestant selects a door, and the host opens another door to reveal that it has no prize. The contestant is then offered the opportunity to switch to the third door. The question is whether the contestant should switch doors.

The answer is that the contestant should switch doors, as the probability of winning by switching is 2/3, while the probability of winning by staying is 1/3. The problem is that the contestant is more likely to win by switching, but the contestant is not aware of this.

おおむね良さそう。英語版Wikipediaの説明と比べると、「確率のパズル(a probability puzzl)」とか「変更する機会(the opportunity to switch)」とか、共通する言い回しはありますが異なる文章と言っていいでしょう。

こういう検索でどうしても入れたくなる「人生、宇宙、すべての答え」に対しては、「42」ではなく「ホーキング博士の書籍の言葉」と答えてきますが、これは違うよね。ホーキング博士も似たようなことは書いてるでしょうけど。

Hacker Newsのスレッドでは、Meta社のメタバースの業績やレイオフの質問をした人が多いみたいですが、元のデータが科学論文などであればそこにちゃんとした答えが出ないのは仕方がないでしょう。むしろ回答がそれらしかったら驚きます。

「水素水ってなに?」とか「タバコは有害なの?」とかも訊ねてみました。まあ特に害のない感じの結果。

「何?」とか「なぜ?」とか以外にも、色々な訊ね方の例が載っています。

“literature review of~”で尋ねるとレビュー論文を書いてくれるので、ある分野に関してわかっていることをまとめさせることもできます。

“wiki article on~” だと、Wikipedia に載っている風の形式での結果が。

“lecture note~”では、大学の講義ノートの形式で。これは(内容が正しければ)便利だ。

言語モデルは公開されているということで、デモのwebサイトで呼ばなくてもPythonで回答を生成できるということですね。

# 今 galai 1.0.0 をインストールしようとしたのですが、手元の環境ではエラーになってしまいました。

生成された文章は保証されていない

注意書きよれば、生成された文章は「検証されていない文章には決して従わないでください」とありますし、質問によっては意味の取れない文章や間違った文章も生成されるそう。元データからのバイアスを引き継いでいることもあるし、自信たっぷりに間違ったことを言うことも。

既に過去にされた質問への回答で、検証済(verified)と表示されるものがあるようですが、これは人間が回答内容を確認してつけたんでしょうね。

とても面白いし、生成された文章は(自分が英語ネイティブではないせいもありますが)とてもちゃんとした文章に見えるため、役に立つと同時に悪用もできそうだなと感じます。

たとえばレビュー論文の生成は、新たに調査しないといけなくなった分野の概要をつかむのに(間違いの混ざり具合にもよりますが)有用な可能性はあるものの、学生の課題みたいなものは簡単にそれらしくできてしまうでしょう。

正しくもないが何らかの回答を多数載せて検索エンジンからの流入を待つコンテンツスパムがウェブにはびこっていますが、低賃金で暇そうな人に作らせていたそれっぽい解説文章も、こういったAIなら無限に作成できてしまいます。

文章がプログラムによる合成かどうかも、ほとんど検出できないようになっていってるのではないでしょうか。今までも保証は無かったといえば無かったのですが、文章の内容を誰がいつ保証したか、といったメタ情報を管理して参照するようなシステム(Wikipedia とかもある程度はそういう保証の仕組みなのでしょう)が重要なのかもしれないと考えました。

via Hacker News

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ネットの事件

WordPress創業者マット・マレンウェッグ氏がtwitterの良いとこ探し、開発者を勧誘

今も世界中で使われているオープンソースのブログツール WordPress を作ったマット・マレンウェッグ氏が、ツイッターアカウントにて面白い呼びかけをしていました。

ツイッターの中にもとても良くできている機能がある。もしあなたがその開発者だったらうちで仕事しないか、という呼びかけです。

# 文末の HMU(Hit me up) は連絡してよ、という意味。

twitter 社の大量のリストラが話題になっていますが、こういうリストラは部署単位や機能単位で行われているため、リストラに遭った社員本人の能力の問題というよりはその部署にたまたま居た不運の方が大きいでしょう。実際、必要不可欠な人材までリストラしてしまったとかで、呼び戻しが始まってるというニュースもありますね。

このツイートは、WordPress の長年の改良でwebサービスにどんな機能が求められているか熟知しているマレンウェッグ氏の視点で、twitter のサービスやアプリが持っている機能のどこを評価しているか、それを自分のサービスにも採用したがっているか、という点ですごく勉強になるものだと思います。

勧誘の中でツイッターの優れた機能実装として挙げられているのは、

  • 埋め込み機能 (tweetを他のwebページに表示する機能?)
  • ウェブアプリ ( twitter.com )
  • 関連ツイート
  • 通信環境が悪い時のアプリの動作

この機能を作ったエンジニアにとっては誉め言葉ですよね。言われてみればここであがった機能が止まったりバグったりはあまり見ていないかもしれません。

ネット環境が貧弱な地域を回ることが多いが、そういう場所で twitter は安定していることが多い、という証言をする人もいました。あまりそういう観点で twitter を評価したことはなかったな。

買収のゴタゴタでいろいろな人が twitter への不満を述べていますが、その中でポジティブな方法で実装を褒め、うまくいけばそれを作れる優秀なエンジニアを勧誘するというのはいい感じだなと思いました。