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Autoregex.xyz – 英語で書いた文章から正規表現を作る変換サービス

AutoRegexは、英語から正規表現への変換をしてくれるというwebサービスです。

トップには「平易な英文からGPT-3を使って正規表現を生成します」とあります。

autoregex.xyz のトップ

メールアドレスで登録して試してみました。

“phone number”と入れて出てきたのはこんな正規表現。

\d{3}-\d{3}-\d{4}

北米の番号としてはありうる正規表現かな。文字と桁だけチェックできて、形式も限定されていますが。(参考: まじめな正規表現の例)

“Japanese phone number” だとこれが帰りました。

^\d{2}-\d{4}-\d{4}$

うん。だめですねこれ。携帯電話の番号とか地方の局番とかはマッチしなさそう。あと先ほどはなかった行頭行末の条件が増えています。

中身がどう動いているかわかりませんが、正規表現とその解説文(英文)をたくさん食わせて学習させてるということだと、その中の日本の電話番号に関する情報が間違ってるのかもしれません。

正規表現でよく揉める難しいやつ、”email address”を入れると、

[a-zA-Z0-9_.+-]+@[a-zA-Z0-9-]+\.[a-zA-Z0-9-.]+

はい。これはもともと簡単そうに見えて非常に難しい問題なのですが、かなり緩い正規表現になっています。簡易なチェックに使うのも問題ありそう。

トップページの例は英文で説明的に書いたものを正規表現化するものが多いので、こういうのも試しました。”word starts either a or b, then any alphabet follows, and ends with three digits”

^(a|b)[a-zA-Z]{3}[0-9]{3}$

言ってない条件が入ってますが、大きくは違ってないかと。

変換ボタンをもう一度押すと、出てくる正規表現は変わっていくようです。何回も試す事でより正解に近い正規表現が得られることもあるかもしれませんが、現時点では出てきた正規表現を理解して意図通りになってることを確認・必要に応じて修正するとか、大量にテストケースを書いてテストするとか(まあ、これは自分で作った正規表現でもすることですが)しないといけなさそうに思います。

現時点では利用には十分注意した方がいいと思いますが、いつか賢くなっていくなら助かる人もいそうなサービスです。

via reddit

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不条理な(Absurd)トロッコ問題

不条理なトロッコ問題(Absurd Trolley Problems)は、トロッコ問題の派生形に対してみんな答えるwebサービスです。

Absurd Trolley Problems のトップページ

一問目は基本といえる、オリジナルのトロッコ問題。放置する(Do nothing)とそのままレールを直進するトロッコは、5人の人を轢いてしまいます。しかし、レバーを引く(Pull the lever)ことによってトロッコは軌道をそれ、別の線路の1人の人を轢く代わりに、もともと犠牲になるはずだった5人は助かります。

能動的に介入すれば犠牲者を減らせますが、一人救うために介入することは果たして良い事なのか? という答えの出ない難しい問題として有名です。

どちらを選んでも、それを選んだ側の割合、反対側を選んだ人の割合が表示されます。サイトを訪れた他の人たちの選択に自分の考えは近いか、外れているか、がその場でわかるというわけです。

そして、この基本問題以外に数多くのバリエーションが続きます。犠牲者の数が違ったら? 年齢が違ったら? 自分が含まれていたら? 近い親戚だったら? 自分と利害関係があったら? 横になっている人が希望していたら? 他の動物、クローンやロボット、などなど、真面目にありそうな問題から完全にふざけてるような問題まで。現時点で30問弱あります。

すべて答えると、あなたの選択によって犠牲になった人の人数もカウントしてくれます。僕の結果は55でした…

人の死をゲームにするという不謹慎さはあるのですが、それを言うとオリジナルのトロッコ問題もそうなんですよね。思考実験として極端な選択肢を提示しているし、それがショッキングだからこそ広まったのでしょうけど。

イラストが脱力感溢れているのが、問題の重さを軽くしてくれているかもしれません。

via Hacker News

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70 Million Jobs – 服役者と企業のジョブ・マッチングサービス

サービスを知った時が終了案内。というのは残念ですが。こんなツイートで知りました。

70 Million Jobs (7000万の仕事)というwebサービスは、刑務所に入っていた服役者の再就職を企業とマッチングするサービスだそうです。

70 Million Jobs のトップページ

「軽犯罪者と重犯罪者にフレンドリーな仕事」「犯罪記録のある人に再就職のチャンスを」とあるように、刑務所から出てきた人に企業が職を提供し、住所や職種でそれを検索できるようになっています。

アメリカの受刑者は200万人(日本は5万人弱)だそうで、刑務所から出てくる人数も多くなります。そんな犯罪歴のある人の数は成人人口の3分の1、7000万人に及ぶそうで、サービス名の70 million はここから来ているのですね。

そして、刑務所を出てきた人が仕事を見つけることは、アメリカでも決して簡単ではないそう。しかし、社会の3人に1人に犯罪歴があるとすれば、それを避けて雇用していては社会が成り立たないのではという気もします。仕事が見つからずにまた犯罪に走ってしまう人も中にはいるでしょうし、過去を認識したうえで採用する会社に入れるのなら、社会の安定にも全体の生産性にも寄与しそうで、このサービスには大きな意義がありそうに思いますね。

サービス紹介の動画で、CEOのリチャード・ブロンソン氏自身もまた、詐欺的な証券販売が元で2年間の服役経験をしていたそうです。自身の社会復帰や再就職での困難から、同様の困難を持つ多くの人達をなんとかしたいと始めたのだとか。

サービスが無くなりそうな状態で知ったのは残念です。日本も率や数は比較的少ないにしても、同様の問題がまったくないとは言えないでしょう。類似のサービスが求められている、あるいは社会がこのようなサービスをより必要とするようになっていくかもしれません。