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新型コロナウイルス対策のポスターやソーシャルディスタンス標識を集めたサイト

Pandemic Graphics Archive (パンデミック画像保管庫)は、新型コロナウイルスの世界的流行によって登場した、伝染病対策のポスターや、社会的距離を取るために地面や店頭などに描かれた立ち位置を指示するマークを集めたサイトです。

2メートル(6フィート)開けることを呼び掛けるものや、足のマークで行列の中の場所を示すもの、一方通行の方向を指示するもの、マスクをするようお願いするもの、などいろいろなマークがあります。

見てみると、「2メートル開けてください」のマークで一番多いのはこういうのですね。色使いはバラバラで、この手のマークに(まだ?)使う色のコンセンサスはできていないように見えます。

ほとんどがイギリスの画像で始まったようですが、メールでの投稿を呼び掛けていて、他のヨーロッパ諸国やアメリカ合衆国での事例も少し載っています。

このサイトに送るかはともかく、日本でも至るところに今このようなマークが貼られていますね。同じ目的に対していろんな人の考えたデザインという意味でも面白いし、この騒動が終わったら街中から一斉に消えてしまうかもしれないと思うと、記録として集めるのも面白そうだと思いました。

via swissmiss

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世界各国のウェブサービスの覇者をまとめた世界地図 World map of dominating websites

Worldmapofdominatingwebsites
Webempiresというサイトが、世界を支配している巨大ウェブサービスはどこか? という疑問に答えるべく、各国で一番トラフィックのある事業者でその国を塗りつぶした世界地図というのを作っています。
イタリアのソーシャルメディア解説者が作った、ソーシャルネットワークの勢力地図というのもあり、このブログでも何度か紹介したり、日本に関してはおかしな点を指摘して訂正してもらったりもしました。
今回の勢力図は、ソーシャルメディアかどうかに関わらず、ウェブサービスとしてのトラフィックを見たもので、ここからはGoogleとFacebookが世界の覇権を争っているというのがわかります。北アメリカやヨーロッパではグーグルが支配的ですが、中近東や東南アジアなど、グーグルよりもFacebookが使われている国も多数存在します。
日本については、ヤフージャパン単体で世界の15位に入ること(ということなので、Alexaを使ってますねこの地図は)、ヤフーとヤフージャパンは厳密には同じとは言えないこと、なども解説されています

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Yahoo!以前のディレクトリ、Google以前のロボット検索

東京大学で「ウェブビジネスの歴史」についての講義をしてきましたで公開した講義資料の補足です。
1991年のウェブの登場から、大きなウェブビジネスの登場とその巨大ビジネスに個々のウェブサービスがどのように対応したか、という歴史を、その歴史を生で見てない若者に解説する。という順序を追ったのですが、資料の中で、わざわざ、「Yahoo!が世界初のディレクトリではない」こと、「Googleが世界初のロボット検索ではない」ことを強調するために、それぞれの先行者について紹介しています。
どちらも、ウェブを検索して「世界初」と思われるものを見つけて紹介したわけです。
講義資料中にもありますが、ディレクトリの場合は、1992年に登場したThe WWW Virtual Libraryが最初だという説が有力でした。このサイトは、驚いたことに今も普通に運営してるようなんですよね。
# ちなみに、Yahoo!初期のスクリーンショットはここから使わせてもらいました。Amazonの初期の画面も載っています。リンク先にあるように、この画面を見ても、当時の時点ではこのサイトを世界中の人が使うようになるとは想像できないでしょうねえ。
ロボット検索の場合は、AltavistaとかInfoseekとか、Google登場前にウェブに触れていた人にとってはGoogleが最初じゃなかったことは明らかかもしれませんが、現在のGoogleの広がり方だけ見ていると、Googleが後発から競争に勝って今の地位を得たことは想像できないかもしれません。こちらはディレクトリ検索よりさらに諸説あるのですが、1993年のWandererが、クローラbotを走らせたという意味で最古のもののようです。こちらは現存していないようです。Wandererの作者はどうもその後Googleで働いているようですね。
聴き手が経済学部の学生で、(そもそも起業を目指すかという話は置いておいて)自らプログラミングを覚えて起業する、というより、起業するにしても経営担当となる可能性が高いだろうと考え、一回の講義でいずれ役に立つ何かを覚えておいてもらえるだろうか、と考えました。一つの授業で記憶に残るところなんて良くて1,2個だと思うので、「かならずしも世界で最初に始めた人が、そのコンセプトを世界中に広めたわけではないよ」というのを伝えたかったのが、今は誰も覚えていない最初のプレイヤーを紹介した理由です。
技術者は特にですが、世の中で最初にそれを発明した人に成功してほしい、成功するべきだ、という気持の人も多いのではと思います。しかし、20年無いウェブビジネスの歴史を見ても、多くの成功したサービスは、そのジャンルでの最初のプレイヤーではありません。
既に存在するウェブサービスに良く似たサービスが出た時に批難する声もウェブでは良く出てきます。アメリカ・シリコンバレーで流行したサービスを日本語に持ってくる、いわゆる「タイムマシン経営」に対する批判もその一つかと思います。
もちろん、コードやデザインをそのまま盗用するようなものはダメですが、同じコンセプトだけれども実施方法を変えることで、先行者よりも使いやすかったり、役に立ったりするサービスが出てきて、ユーザー数や人気でも逆転してしまうのはよくあることで、東大の学生に、「それまでまったくどこにもなかったものを一からひねりだすこと(だけ)がウェブビジネスだ」という風には思ってほしくなかったのです。むしろ、それをするサービスが既にあるし、そのサービスへの需要は多そうなのに、ビジネスとしてブレイクしていない、という時にこそ、そのジャンルでもっと良いサービスを作って成功するチャンスがあるのかもしれません。
そして、なんで自分がここのところにこだわったかというと、たぶん、自分の中に「まったく新しいもので成功したい」という願望があり、しかもそれがうまくいってないことへの反省もあるからだろうなあ。と思います。あまり格好のいい話ではないですが。