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社会

Q – 性別のない合成音声=ジェンダーレス・ボイスを各社音声アシスタントに採用呼びかけ

Q は、グーグル/アップル/アマゾン/マイクロソフトなどIT大手のスマートスピーカーや音声アシスタントに向けて提案された、男性でも女性でもない合成音声です。

サイトトップでクリックすると、その男女どちらでもない合成音声を聴いてみることができます。

デンマーク・コペンハーゲンのLGBTパレード団体やAIのバイアス問題に対処しようという団体らによって制作されたこの音声は、GoogleアシスタントやAmazonアレクサなどの音声アシスタントの音声が「男性声」「女性声」からの選択を強いていることに対する問題提起だということ。

言われてみれば、機械で合成しているのだから人工音声で男性か女性の声を選ばないといけない理由はないわけです。

「テクノロジー企業は、合成音声の性別を選択できることで人々がより快適になると信じ、性別をテクノロジーに持ち込んでいます」

「残念なことに、これらによって性別が必ずはっきりどちらかの2つに分かれる、というステレオタイプの永続化が補強されてしまうのです」

なるほど。応答ができて情報が返せればいいのですから、機械の合成音声にわざわざ性別を与える必要はないのかもしれません。男性声・女性声が今すぐ無くなるとは思えませんが、中性声を追加することはそれほど抵抗なく採用してもらえる可能性もあるのではないでしょうか。

このQの音声モデルは、数千の候補者から数人を選び、その人たちに話してもらった声のピッチを変換することで作ったと、紹介動画にありました。

「世界初のジェンダーレス音声」とサイトでは言っています。これまでも中性的な音声合成はいろいろ存在していたと思うので、世界初は言い過ぎではないかとも思いますが、ジェンダー中立を訴えて作成されたという意味ではこれまでになかったものでしょうか。

via Hacker News

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技術

テレビから”Alexa”と流れてもAlexaが反応しない技術をAmazonがスーパーボウルに向け投入

4日に行われるスーパーボウルでは Amazon もスマートスピーカー アレクサのTVCMを流すようですが、それに先がけて「テレビが “Alexa” という言葉を流しても家の Alexa 機器が反応しない技術」を配備したと Amazon の開発者ブログで明かされています。

この技術、基本的には、発話された”Alexa”に対する指紋のようなデータ(acoustic fingerprint)を使い、家庭でユーザーが発した”Alexa”ではないということを判定するもの。

既知のCM中の”Alexa”については、あらかじめ音声指紋を計算しておき、Echo デバイスがその場で突合せをして撥ねているそうです。なので、今回のCMに出てくる”Alexa”を無視するだけであれば、サーバ側の処理は不要ということになります。

ただ、それだけではなく、同時に広い地域の多数のEchoデバイスから、同じ発声の”Alexa”が届いた時に、これをテレビやラジオの放送によるものだとリアルタイムに判定して無視することもできるのだそうです。事前に知らされてない状態でラジオのDJがリスナー達のAlexaを起動しようとしても、防げるようになった、ということになります。

スーパーボウルで流される予定の動画は、YouTube で既に公開されています。ハリソン・フォード氏が出演。過去の「うまくいかなかった Alexa 組み込みデバイス」を紹介するという面白動画になっています。

https://www.youtube.com/watch?v=8y-1h_C8ad8

テレビ・ラジオだけでなく、世の中に広く存在する”Alexa”に対処してるとすると、例えば Google Home が喋る”Alexa”にも反応しなくなってるかもしれませんね。そうすると過去にご紹介したこういう遊びは動かなくなるのかな。

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ネットのサービス

Away Mode – スマートスピーカーで泥棒除け

オンライン保険会社の Hippo が、アマゾン社のスマートスピーカー Amazon Echo 向けのスキルとして公開した Away Mode は、留守の間でも人がいるかのように偽装するスキルです。

Amazon Echo を持っていれば、Amazon のアカウントから無料で入手して試すこともできますが、ウェブサイトのトップでも7種類ほどのサンプルの冒頭20秒を聴くことができます。

サンプルは、「電話でイケアの家具の組み立て方を娘に指示する母親(68分間)」とか「いろんなことを話すが本についてだけは話さない読書クラブの会合(67分間)」「テレビを観ながら別れ話をするカップル(72分間)」といったもの。このスキルを入れて Alexa に命令すると、これらの会話を再生してくれるので、留守にしても留守っぽく聴こえないかも、ということ。

USA Today紙の取材に対し、少なくとも一人、経歴30年の引退した警察官は、「泥棒だって自分が盗むところを家の人に見られたくはないでしょう。家に誰かいるかもしれない、と思わせることには、なんらかの効果はあります」とコメントしたそうです。

Hippo 社も、これを真剣なホームセキュリティツールとしては考えておらず、泥棒対策について皆に考えてもらうきっかけとしてほしいということですが、外出先からのコントロールやより真剣でありそうな会話、電灯やテレビなども含めた制御を強化していけば、家に人がいるのかいないのか外からなかなか判別しにくいスマートホームを作り上げることも無理ではなさそうですね。