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教育

イギリスは「九九」じゃない。12×12までの掛け算を暗記する意味ってあるの?

小学校で習う「九九」、一桁同士の計算の結果表をそのまま暗記しておくことで、計算速度を早くする技術。説明するならそんな感じかなと思います。日本では9×9 まで覚えればいいことになってますが、この上限は国によって違うみたいですね。

イギリスや旧英植民地では、9×9 じゃなくて 12×12 までの掛け算表を小学生に覚えさせたりしているようです。「九九」的に言うなら「十二十二」ですね。イギリスの場合は9歳までに 12×12 までを覚えることとされているよう。また、インドでは 20×20 まで覚えさせられた、という話も見つかります。

掛け算の表を暗記すると、計算の時にどれだけ有利になるか

Wolfram Alpha の12×12 の掛け算テーブルを覚える意味はあるの?というブログが、大きな数の掛け算の答えを暗記する教育に対して、数式を使った効果検証をしています。

ブログでは、掛け算の答えを暗記しておくことの利点を3つ挙げています。

  1. 日常の役に立つ (でも、12×12 を覚えて 13×13 や 39×39 を覚えない根拠は?)
  2. 筆算の役に立つ (その場合、11と12の桁は役に立たないのでは?)
  3. 概算の役に立つ

1,2については、上記のように「12まで覚える」理由が無さそうだ、ということで、筆者は、3について考察を続けています。

7203 x 6892 という計算の結果を大体の概算で求める時、九九の 7×7 を覚えていれば、

7000 x 7000 = 49000000

だいたい4900万、と出せて、これは本当の結果 49643076 との乖離が 1.2% となります。

もし、72×72 までのテーブルを暗記していたら、

7200 x 6900 = 49680000

がわかるので、乖離は 0.07% 。72×72 まで覚えてる人は、概算での間違い方が 1.2% → 0.07% に改善できるということになります。

このような乖離率を、多数の掛け算について機械的に求めることで、どこまで暗記しておけば、どれだけ概算が正確になるか、求めたものがこちらのグラフ。

7×7 ぐらいまで覚えていると、概算の正確さはグングン上がりますが、その後は乖離率はなかなか下がっていきません。

ブログ記事では、さらに、一つ多くの数字まで覚えた場合に覚えなければならない答えの数の増え方が大きいことを踏まえて、覚える答えの数に対する改善率を求めていますが、これだとさらに、たいへんな苦労をして11以上の表を暗記しても、概算の正確さはさほど上がらない、というのが見て取れます。

また、実用上ということで言えば、11の桁、12の桁を覚えるよりも、15や25との掛け算の結果を覚えたり、掛けて100や100前後になるような組み合わせを覚えたほうが、少ない記憶で概算の正確さが上がるよ、ということも述べています。

前提となる「概算の役に立つから九九(やそれ以上の結果を)丸暗記する」というのに同意するかどうか、という点はあるものの、「結果がどれだけ良くなるか、で、どれぐらい努力するかを決める」というのは合理的で、考え方としていいのではと思いました。このブログ記事の組み立てに説得されてしまったわけですが、別に 11の段とか12の段とか、無理して覚えなくてもいいんじゃないかな、という気がします。

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プログラミング教育

教育用ロボット Ozobot の体験教室へ行ってきました

Ozobot という教育用ロボットの体験会があり、夏休みに子供を連れて参加してきました。

紙にペンで線を引くと、線の上を走ってくれるという小型ロボットで、これ以上ないぐらい直観的なので小学校低学年に興味を持たせるにはいいかと。実際にも食いつきはすごく良かったです。

自由に線路を描いて走らせたら、次は丸い色のシールを線路に貼って、動作を変えることができます。

いくつかの命令を並べて紹介した紙。これを見ながら色シールを線路の脇に貼り、走行速度を変えてみたり、隣のレーンへ移動させたりしていました。あらかじめこちらの指示した通りに動かす、という意味では、これも立派なプログラミングかと。

45分という短い枠でしたが、かなり楽しめた様子。(幼児もいたので子供によってはこれぐらいの時間でも限界なのかも)

一番安い Ozobot bit が $54(5940円) 、bluetooth 対応でスマートフォンアプリと繋がったりする Evo が $99(1万890円) ということ。国内では保証の効く代理店や、各種オンラインショップでの並行輸入品などがあり、値段はさまざまなようです。

Scratch 風のプログラミング環境もあるようなので、「サインペンと色シール」に飽きたらさらにその先に進めさせることができるのもいいですね。

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ガジェット

バーチャル内臓見せTシャツ&アプリ The Virtuali-Tee

Curiscope が開発した Virtuali-Tee (virtuality = virtual reality = 仮想現実、と Tee = T-shirts = Tシャツ)は、独特の模様が描かれたTシャツと、その模様をとある物に置き換えて見せる無料スマートフォンアプリのセットです。

置き換えるのは、Tシャツの下、の皮膚のさらに下、にある人間の内部。

VirtualiTee_Hero

もちろん、本物を透視しているわけではなく、Tシャツの位置にあわせて、用意してある内臓の映像を被せています。

Virtuali-Tee

このどうみてもグロいアプリの目的なんですが、教育用ということですね。子供が使うことで、人間の内部構造なんかをリアルに学ぶことができる、と。

VirtualiTee_Kids

理科室の人体模型よりは勉強になるかもしれません。トラウマにならなければ…

プロジェクトは Kickstarter での寄付を呼び掛けています。ビジネスとしては、Tシャツを有料で販売し、アプリは無料で配布するという形式。Tシャツが1枚貰えるパッケージは18英ポンドから。

via Architechnologist