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Appleに「買った」映画を取り消されたユーザーの話が広まる

カナダのアンドレアス・G・ダ・シルバさん(@drandersgs)がツイッターでiTunesで購入した映画が消えた件についてのアップル社サポートとのやりとりを公開し、話題になっています。

サポートからの返答はツイートの中にスクリーンショットで埋め込まれているのですが、ダシルバさん本人の要約がついているのでそちらを紹介。実際のメールの文面はビジネスライクに(とても)丁寧なので、この要約内の言葉、特にAppleサポート側の言葉はダシルバさんの解釈であることは注意してください。(= Apple社は「そんなことは言ってない」と言うでしょう)

  • ヘイApple、買った映画3本がiTunesライブラリから消えてしまったんだけれど。

  • はい。それらはもう観られなくなりました。ご購入ありがとうございました。うち2本はこちらでレンタル可能です!

  • 待てよ… 何だって??/p>

  • レンタルには興味ありません。映画を元に戻すか、返金してください。

  • あなたの気持ちは全く良くわかります…

  • そりゃご丁寧に。でもね…

  • ご存じのように、私たちはただの売り場に過ぎないんです。

  • 売り場?

  • ええ。お代はいただきましたが、何が売られたかについては責任を持ちません。そして、どんなものであれ、売り場で買ったものを所持し続けられるという保証はしていません。返金はしませんが。

  • なるほど… じゃあ、「購入」ボタンは意味がないのでは? 「Feelin Lucky?」とでも呼ぶべきでは

  • あなたがハッピーでないのはわかります。レンタルチケットをさらに2枚差し上げましょう。

ダシルバさんは、「故郷のブラジルに居た時に聞いた、『店でステレオセットを買い、家に持ち帰って開けたら重い石が詰まってただけだった』という話と大差ないな」と続け、「埃をかぶったDVDプレイヤーを復活させるか」と締めています。

1万以上のリツイートがされ、同様の不満の声を上げる人も多いですが、「契約上確かにこれはそうなっている」とか「Google や Amazon でも似たようなもの」「映画や音楽をオンラインで『所有』できる、という考えが誤解なんだ」「『買う』ではなく『長期レンタル』ということだ」「映画を『ライセンス』しているが正しい」という指摘もありました。

# Amazon は2009年にユーザーの Kindle から買われた本を消したことで裁判まで行ってます。

Apple がコンテンツを買っている配給元が、カナダでの利用条件を変更したのが原因であり、実際Apple側に映画をキープさせる権利はなさそうです。ですが、一度は「売った」ものが使えなくなったのだから、返金は必要じゃないのかなあ。もし売り場の人が返せないとしても配給元が。

via HakcerNews, Mediaite, Comicbook

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心のささくれたプログラマにリリースノートを書かせる弊害

アメリカの有名出会いアプリ OKCupid のスマートフォンアプリのバージョン更新案内文が、特定のユーザー一人に対する、行儀が良いとは言えない返事になっている、と reddit で発見されています。

バージョン 9.1.0 の新機能

シカゴのビルなる人物が、リリースノートでフザケるのをやめて技術的な詳細を寄こせと言ってきた。やあ、聞いてるよビル!

Bill from Chicago remarked that he wanted us to quit clownin’ around in our release notes and just give him the technical details. Well, we’re listening Bill!

今回のリリースでは、誰かとちょうど30回メッセージをやりとりしてからその会話を閲覧してる時に、もう一通メッセージが届いたらクラッシュする、というバグを直しました。もう一つ、アプリを閉じてから再起動した時に、どの写真にコメントしたかをアプリが覚えているようにもしました。ヒュー! このバグが治って良かったよね、ビル?

In this release we fixed a bug where if you had exchanged exactly 30 messages with someone and received another message while viewing the conversation, it would crash. We also added the ability for the app to remember what photo you were commenting on even if you closed and reopened the app. Phew! Good thing we fixed those bugs, right Bill?

このリリース文は、まだアップストアに掲載されています。

Mashableによると、今年5月9日のリリースノートは、こんな文章だったそうです。

「アプリのアイコンを変更しました。たぶんこの先ももう一回、もう一回と変更することでしょう。これは、あなたの将来の人生で起こる小さな変更を我々が用意するためのちょっとした方法です。大事なことは慣れることです。そういえばフロリダがいつか海面に沈むって知ってた? クレイジーだね」

“We changed our app icon again, and we’ll probably do it again. And again. It’s just one small way we’re prepping you for future life changes. Adaption is important. Did you know Florida might be underwater one day? Crazy.”

OKCupidのエンジニアはバグ修正に疲れているんですかね。それとも、社内リポジトリへのコミットメッセージのノリでリリースノートも書いているのか。

昔からある有名サービスで、現在の社員数は50人ということなんですが、リリースノートを修正担当者に直接書かせることがうまく行く会社もあれば、無用のトラブルを生むケースもあるのかなと。

シカゴのビルさんに伝わったかどうかは、まだわかっていません。

OkCupid Dating: Date Singles

カテゴリ: ライフスタイル, ソーシャルネットワーキング
言語: オランダ語, 英語, フランス語, ドイツ語, インドネシア語, スペイン語, スウェーデン語, 中国語, トルコ語
価格: 無料
バージョン: 88.3.0

開発者: OkCupid
公開日: 2009-11-25
評価(全バージョン):
(2116人のレビュー)
評価(現バージョン):
(2116人のレビュー)

スクリーンショット

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via Reddit

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「タイでの乗り継ぎ便は47年後です」、サポートの機転が失敗を大評判へ変えた

航空券検索サイトのスカイスキャナー(Skyscanner)は、目的地までの安い航空券を探してくれるというウェブサービスです。ある日このサイトでニュージーランドからロンドンまでのフライトを検索したジェームス・ロイドさんは、こんな検索結果を受け取りました。

タイ・スワンナプーム国際空港での乗り換え – 413786.25時間

"long wait"… 長いにも程がある
“long wait”… 長いにも程がある

これを見たロイドさんは、スカイスキャナーのFacebookアカウントに対して

「やあスカイスキャナー。あなたのところのサイトが47年間のストップオーバーを提示したんだけど、現地でのオススメはあるかな?」 Facebook

とメッセージを送ります。サービスの不具合に対する皮肉も含まれていたと思いますが、Facebook上でのSkyScanner公式アカウントによる回答がこちら。

空港ターミナルが大好き、ということでなければ、その年月(years)だったら空港の外に出るのがいいでしょう。私のオススメは、

– Jen
(追伸 教えてくれてありがとう – 担当者にその部分をチェックさせます!)

この回答を見た人たちが、「面白い」「あなたは昇進すべき」といった賞賛の声や、「すごくたくさんの人が君のラストネームを知りたがってるよ」「ジェン、君は独身?」といったジェンさんへの興味を示したコメントが大量に寄せられ、このやりとりはあっという間に広くシェアされることになりました。

skyscanner-jens-wit

いろんな人からの賞賛や問いかけに対して、このJenさんは丁寧に、しかもいつもウィットを忘れずに回答し続けています。

誰か「誰も気づいてないみたいだけど、47年間ストップオーバーしても翌日には到着するってことは、SkyScannerはタイムトラベルを発明したってことなんじゃないの?」

「このスレッドは、タイムトラベルという私たちの本当の計画から目をそらすための作り話なの – Jen」

他の誰か「ジェン、これは君の履歴書に書かれるべき(事件)になるよ」

「今やこれ(このスレッド)が私の履歴書ね – Jen」

他の誰か「スカイスキャナーは今後47年間は顧客サポートの王者として君臨するね」

「それって私はもう家に帰ってもいいってことかしら? – Jen」

他の誰か「君はそれぐらいの評判を得たよ。素晴らしい回答を続けてほしいね」

「* スクリーンショット撮影、上司に送付 * – Jen」

発端から6日後には、元の質問者に対してこんなメッセージも

「『これからのバンコクの47年間役に立つような』グッズを発送させていただきました – Jen」

skyescanner-presents

「使ったことなかったけどSkyScanner使ってみるよ」とか、今回のやりとりを通して多くの人がSkyScannerのサービスを知るようになったようです。

47年間の乗り継ぎというバグ自体は決して褒められたものではないのですが、カスタマーサポートのちょっとした機転がピンチを大きなチャンスに変えたという事例ですね。

via Facebook via Bored Panda

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