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1995年のFacebookコマーシャル

1995年といえば、Windows95の出た頃ですね。当時のフェイスブックのCMがYouTubeにアップロードされています。

「いくつかやることが有ってカヤックに一緒に行けなくなったよ」と言ってきた友人に、フェイスブックに入ったばかりの男性が、「フェイスブックを使えば問題は解決だよ」とフェイスブックの素晴らしさを伝える動画です。

友人の「母に誕生日の贈り物をしなきゃ」という用事には、「そんなのフェイスブックで誕生日おめでとう、と送っておけば同じことさ」とアドバイス。そんなんでいいのか?

facebook-1995-mom

1995年ともなると画面デザインがいかにも古くさいですね。好きな写真を(6枚まで)送ると、プロフィールの画像として設定してもらえるというサービスもあったようです。

同僚の女性を飲みに誘う電話をしなきゃ、という問題については、「フェイスブックでその同僚を探せば、好きな映画、出身校、彼氏がいるかどうかなどすべてわかるんだぜ。イベントを作って招待すれば飲みに行くこともできるよ」だそうです。なんかストーカーみたいですが。

その誘いたい女性の写真からビーチでの水着写真を見つけ、「電話すれば無料でプリントアウトも貰えるんだぜ」と。昔はそんなサービスをやっていたとは。好きな画像を印刷したマグカップを購入したりもできたそうです。

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こんなに便利なフェイスブックへの入会方法はというと、800番で始まるフリーダイヤルに掛ければ、フロッピーディスクのスタートアップキットが送られてきて、最初の10時間は無料で接続できます。必要なのはパソコンと電話回線だけ。

動画には、「懐かしいなー、スタートアップキットのCDをフリスビーにして遊んでたよ」など当時を懐かしがる声や、「フェイスブックって昔はこんなだったのか」「おいおい、フェイスブックが始まったのは…」というコメントも寄せられています。

ちなみに、こちらが元ネタですね。AOL(アメリカ・オンライン)の1995年のテレビコマーシャル。パソコン通信で花を送ったり飛行機のチケットが取れますよ、という内容。

via Hilarious ad shows how Facebook would've been if it existed in the 90s

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書評

書評: つながりっぱなしの日常を生きる ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの

アメリカのソーシャルメディア研究者ダナ・ボイド ( @zephoria氏の著作 It’s Complicated の邦訳。

ソーシャルメディアを使う若者への多数のインタビューなどを元に、大人がソーシャルメディアや現在の若者社会について持っている誤解などを解いていっています。

以下、特にハッとさせられた部分。

p.48 治安の悪い地区からアイビーリーグの大学へ願書を出した黒人少年の話。マイスペースではギャングのような発言をしたりしている。大学の審査担当者は願書の中の志のある少年が嘘ではないかと疑うが、著者はそのように自分を見せないとうまく生きていけないコミュニティで苦悩する若者という可能性を提示する

日本でもツイッター等で本来公に見せるべきでないような行動を誇示したり写真を載せたりして炎上している若者が多いが、その中には若者の世界での中の友人関係をなんとか維持しようとするあまりに、本当は自分がそうしたいというわけでなくても社会から見たら問題となるような行動をとってしまうことがあるのでは、という観点。

p.132 「インターネット中毒」という言葉を初めて使った精神科医イヴァン・ゴールドバーグ氏は本気でそれを病気としての中毒と考えていたわけではなかった。何かに熱中してやりすぎる人は何にでもいる。 p.157 ネット中毒という言葉は、子供をネットから遠ざけたい大人の便利な道具となっていないか。

「中毒」ということにしてしまえば、そこで相手を「自分とは別物」と切断してしまえます。自分の趣味は「熱心」で、理解できない趣味は「中毒」と言っているだけなんじゃないか?

p.178 子供の性犯罪被害。実態としては加害者の多くがネットと無関係な知人や家族なのに、メディアはネットの向こうの狡猾な性犯罪者の危険を煽る

p.196 ソーシャルメディアで自分の苦しみを訴えている子供は多いのに、大人がそれを見つけて必要な手助けをすることができていない。

「ソーシャルメディアで若者を騙そうとする悪い大人がいる!」から、「だから使わせるな!」に行くのではなく、「ソーシャルメディアで若者を導こうとする良い大人はもっといる」とでもなればいいのでしょうけど、それをどうやって実現すればいいのか。今のネットで「若者の声を代弁」みたいなことを言っている大人に、良い大人のフリをした悪い大人みたいなのがいるのも事実でしょうし。

p.257 Kinnectのようなシステムが、肌の色が濃いユーザーで認識率が落ちてしまうこと。新しい技術が新たな不平等を産むことがある。

日本の状況と違うところもあるが、おそらく共通する点も多いでしょう。子供が自由に外を歩き回らなくなっている、忙しすぎてオンラインぐらいでしか友達と社交をする暇がない、というアメリカの状況も、日本にやってくるのはすぐのようにも感じます。

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ネットのサービス

売上の9割が書き手に入るという新ソーシャルネットワーク tsū 登場

フェイスブック対抗、で出てくるソーシャルネットワークとしては、先月 Ello をご紹介しました。個人情報を売らず、プライバシーを大事にする代わりに、便利機能を有料で売るというモデルでした。

昨日21日火曜日に(時差があるので実際には今日でしょうね)公開された tsū(ツー) は、それとは違う方向性でフェイスブックと差別化しようとしているソーシャルネットワークサービスのようです。

tsu-akky-tokyo

tsū ではフェイスブック同様に広告は表示され、そこからの収入が運営にも回されるのですが、広告収入の9割は利用者に還元されるのだということです。

サイトでは、「サイト上でコンテンツを作っているあなたがたが何の見返りも受け取れないのはおかしい。あなたの作ったコンテンツをあなたの観客が読んでいるのだから、あなたが受け取れるべきだ」と謳っています。

個人情報や広告についてはもう仕方が無いとして諦めるにせよ、自分の書いたものを友達が読んでるのだから、書いたユーザー本人にも利益をわけますよ、ということですね。プライバシー重視の過去の対抗馬とは、たしかに方向性が違います。

というわけでアカウント作りました。アカウント名が「5文字以上」と言われてしまったので、残念ながらいつもの @akky ではなく、@tokyo としました。

使ってみたい方はこちらから登録できます。

http://tsu.co/tokyo

# 紹介者にインセンティブがあります。僕に良いことがあると嫌な方は、検索で他の方の紹介を探して、そちらから登録してください

メニューは英語で、言語の切り替えも(まだ)無さそうですが、登録画面には特に難しい項目はないでしょう。

tsu-registration-form

生年月日はデフォルトで表示されます。後で設定で非公開にはできますが、webサービスに本当の誕生日を入れるような方は注意してください。

登録してログインすると、トップバーに $0.00(円) という金額表示が。直裁です。クリックすると自分の収入がグラフで表示されます。

tsu-bank

アクセス解析も最初から提供されていて、自分の各投稿の閲覧数や被いいね!数などがわかります。

tsu-analytics

Re/code によれば、tsū は既に7万ドル(770万円)の出資を受けているそうです。

フェイスブックのような大きなサービスになれるかどうかは、現状ではまったくわからないとは思いますが、お金をインセンティブにすることで乗ってくるユーザーはいるでしょうし、もともとコンテンツをお金で売っていて、既にファンが多数ついている有名人や作家にとっては、フェイスブックなどよりもこちらが流行してくれたほうが直接収入になる可能性もあります。

[追記 2014-10-24] 初日の広告収入が計上されました

via New Social Network Tsu — Which Pays Users Who Post — Raises $7 Million(7億7000万円) | Re/code