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“Q”と”Z”がパスワードに使えない! 格安航空会社ジェットブルーの謎

HackerNewsで質問され、話題になっていたトピック

格安チケットで有名なアメリカのJetBlue のサイトのヘルプページで、「パスワードに使えない文字」というリストが載っています。他にもいろいろ突っ込みたい制限はありますが、

jetblue-password-restrictions

一番わからないのが「QとZは使えません」という制限。これはなんでだろう? という疑問への回答が、レガシーなシステムを引きずったシステムのたいへんさを明らかにしています。

飛行機やホテルの予約システムSabreの制限だろう」というコメントはすぐにいくつも出ていて、どうやらそれは正しいようなのですが、ではどうしてSabreのパスワードにQとZが使えないのか? 答えは昔の電話にあります。

(photo credit: denisgiles)
(photo credit: denisgiles)
(photo credit: mrbill)
(photo credit: mrbill)

英語圏での電話機は、数字ごとにアルファベットが割り当てられていて、英単語を使って電話番号を覚えたりできるようになっていました。

たとえば、アメリカの無料ダイヤルの1-800で始まる”1-800-PAINTER”という文字がついた数字をダイヤル/タッチしていくと、実際には 1-800-724-6837 に掛かる、というものです。日本では数字の語呂合わせで電話番号を覚えてもらう仕組みができましたが、英語圏では数字ごとにアルファベットを割り当てていたのですね。

# 昔の話かと思いましたが、手元のAndroidでも電話のモードにすると数字の横にアルファベットが表示されますね。こちらは、QやZも4文字目に割り振った国際式のようです。

このアルファベットの割り当てで、(アメリカ式の場合は)QとZはどこにも割り当てられなかった、というのが、JetBlue航空のパスワードでQとZが使えない遠因のようです。0から9までの10個の文字に3個ずつアルファベットを割り当てれば、30個となり、26個しかないアルファベットの全部を使えそうですが、0はオペレーター、1は市外局番用なので、そこにアルファベットを割り当ててしまうと、局番以下で英単語を作る時に使いたい文字が使えなくなることから、0と1以外の8個の数字に3個ずつ→24個、という割り当てとなったそうです。

Sabre での予約などを、電話でアルファベットを伝えることでも行っていたことから、電話で入力できない(電話上に割り振られていない)QやZはパスワードとすることもできなかった、というのが真相のようです。

Sabreシステムの開発開始は1957年、ローンチが1960年ということで、当時の環境から考えられたQとZが使えないという制約が、50年以上たった今のウェブシステムのパスワードの制限にまで続いている、ということなんですね。

だからといって、今までこの制限や他の時代遅れな制限を取り除くチャンスが無かったとは思えないですけど。よく使うパスワードにqやz普通に入ってる人も多いでしょうし。まあ一度動いてしまったシステムの仕様を変えるのがいかにたいへんか、という話の一つなのかもしれません。

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ネットのサービス

Friendshippr – 世界中の旅行する友達を個人宅配便にするクラウドシッピング・サービス

friendshippr は、Facebook上の友達などで自分がいる国・地域に旅行する人に、元の国でしか手に入らないものを買ってきて貰ったり、手荷物として運んできてもらったりするという、クラウドシッピング(クラウド発送)サービスです。

friendshippr

動画中の活用例としては、「スイスからチョコレートを買ってきてもらう」、「香港に忘れてきたテニスラケットを持ってきてもらう」、「アメリカで売ってない電子デバイスを買ってきてもらう」といったストーリーがあげられています。

Friendshippr アプリは、登録したあなたのFacebookフレンドに対して、「AからBまでCを運べる人はいない?」という呼びかけをするようです。この友達が自分のネットワークにこれを紹介することもあるので、「友達の友達」までが対象となります。友達の友達なら、自分の荷物や買い物を運んでもらっても大丈夫、ということなのでしょう。

飛行機で荷物を持ち運ぶことや、指定の目的地への入国などに関する現地の法律や規制などについては、すべて自己責任。荷物を運んであげたことに対するお礼も設定できますが、感謝の気持ちはご飯を奢るなどで示してください、とのこと。

このサービスで直感的に一番心配に思うのは、麻薬やポルノといった多くの国で禁止されている物を、それと知らずに運ばされるような悪用ですね。空港でも「知らない人から頼まれたものは、決して受け取らないでください」とよく警告されていますし。国によっては死刑になることだってあります。

どのみち移動する予定な友人知人が、スーツケースの空いた場所などを使って小物を運ぶというのは良いアイデアなようにも思いますが、やはり悪用された時のリスクが心配かなと。

friendshipprは、iOSとAndroid用のアプリがリリースされています。

Friendshippr

カテゴリ: ユーティリティ, ソーシャルネットワーキング
言語: 英語
価格: 無料
バージョン: 2.0.2

開発者: Friendshippr, Inc.
公開日: 2013-12-07
評価(全バージョン):
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評価(現バージョン):
(0人のレビュー)

スクリーンショット

screenshot 0screenshot 1

via Friendshippr helps you ‘crowdship’ products and goods via friends on Facebook – The Next Web

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飛行機発明前の紙飛行機の呼び方

こんなツイートがRTで流れてきました。「飛行機が発明される前、紙飛行機は何と呼ばれていたのでしょう?」

考えたこともなかったですが、これ面白い疑問ですね。飛行機がなければ紙飛行機と呼ぶはずもないので、何かしら名前があったはず。

英語でいろいろ検索したのですが、なんとか見つけたのは、比較的質が良いといわれている英語のQアンドAサービスQuora。

# Quoraについては個人ブログの方でこんなことを書いたことがあります。よい回答も多いけども結局「質問分野による」というのが僕の結論 → クオラ(quora.com)ってすごいの? 世界を席捲するの? なんで日本ではスイカは野菜なの? | 秋元

Paper Plane: When were paper planes invented? (紙飛行機はいつ発明されましたか?) – Quora

David Coleさんが回答に辿り着くまでの経緯を詳しく説明してくれています。

Coleさんはまず、ギネス認定紙飛行機飛ばし世界一のKen Blackbumさんのサイトにある、紙飛行機の歴史というページを発見。古代中国の紙凧や18世紀後半フランスの紙気球は(「紙」で「飛ぶ」けれど)違うとして、1930年代に航空機の設計者が紙飛行機をプロトタイピングに使っていたという記録が、この世界チャンピオンの見つけた最も古い「紙飛行機」の記録だということです。

ライト兄弟の1903年の初飛行よりも前の文献を探そうとすると、「飛行機」「航空機」といった単語自体が存在しないことから、そもそも何を探せばわからず困った、ということですが、それでも、19世紀の複数の文献から、それらしい単語”paper dart”を発見します。

たとえば、1803年に発行されたイギリスのエッセイ The Looker-on では、「かつらにたくさんpaper dartを入れて運び、ハリネズミの背中のようになっていた」という一文。

しかし、この”paper dart”が本当に紙飛行機のことを指しているのか、dart(ダーツ)のような形の別のものを指しているのか? さらに探した結果見つけたのは、こちらの図が入った、1896年に発行された、スポーツと時間つぶしの方法を集めた本の一ページ。

paper-dart-1896

確かに、紙飛行機の折り方に、”paper dart”という説明がついています。

ということで、紙を折って飛ばす紙飛行機は、飛行機の発明以前の19世紀から存在し、それは「紙ダーツ」と呼ばれていた、ということがわかりました。

ところで、このあたりの文献、すべてGoogle Booksで探されてますね。Google Booksはすごいですね。たくさんの古い資料を読み取ってデジタル化/テキスト化し、どこからでも検索できるようにしてくれたことで、こういった調べものは飛躍的に楽になったのではと思います。

電話以前の糸電話

もう一つの、

「電話が発明される前の糸電話の呼称も気になります。」

こっちの方も気になったので、多少英語で検索してみたのですが、僕のスキルでは見つかりませんでした。

それでは、と、上と同じQuoraでも質問してみたのですが、まったく答えが集まりません。ポイント使って識者を指名することはできるのですが、候補で出てくる「電話の専門家」とかに聞いても答えがくる気がしないですね。