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ウィキペディアで人気の単語で各国の歴史を表した世界地図

Laconic History of the World(簡潔な世界の歴史)は、世界の歴史を面白い切り口でまとめた地図です。

Google Maps風にタイル表示された世界地図は、それぞれの国のところが、英単語で描かれています。

laconic-history-of-the-world

その英単語は、その国の歴史を表すのに最も使われている単語ということです。英語版Wikipediaの
、”History of (国名)”のページで、ページ内で最も登場頻度の高い単語を、抜き出したらこうなったということ。

日本の場合、History of JapanのWikipediaページはこれですが、実際にページ内で”war “(戦争)を検索すると、出るわ出るわ。まあ、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツなどもみんな、”war”な歴史の国なんですが。

作者による地図の解説ページでは、いろいろと興味深い発見が述べられています。

世界各国(この地図では176カ国)のうち16%の国では、”war”が一番使われていました。戦争にあけくれた歴史は日本だけではないようです。

4分の1の国では、一番使われる単語は植民地時代の宗主国です。最も多いのは、やはりBritish(大英帝国)。

20の国では、「スルタン」、「帝国」、「王朝」(中国)、「王国」、「ハーン」(モンゴル)、「金」(北朝鮮)など、支配者階級を表す単語がトップに。

いくつかの国では、近隣の他の国の名前がトップに出てきます。例として、「ハンガリー」と表示されている国はハンガリーではなくスロバキアだったり、パキスタンは「インド」だったり、東チモールは「インドネシア」だったり。隣の国との紛争や独立運動などで、自国の歴史が相手の国の記述だらけということですね。

また、マオリ(ニュージーランド)、ベルベル(モロッコ)、オグーズ(トルクメニスタン)、シルック(スーダン)など、先住民の名前がトップに出てくる国もいくつかあるということ。

「英語の」Wikipediaを使った分析なので、英語圏のWikipediaユーザーから見た歴史、という誤差はあるかもしれません。日本語のWikipediaで同じような地図を作ると、日本人の世界史観や日本との関係に絡んだ別の特徴的な単語が浮き上がってくるかもしれませんね。

via Map: Laconic history of the world

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fun

歴史的なあの写真がケータイ自分撮りだったら?

歴史的な瞬間を伝え、多くの人が知っているあのニュース写真が、ケータイのカメラで良くある自分撮りだったとしたらどんなだろう? という想像に答えた、南アフリカの新聞社のおもしろい広告です。

第二次大戦での日本の降伏を知ったニューヨークで撮影された、有名な「勝利のキス」写真だと、こんなことに。

チャーチル英首相の自画撮りも

他にも、ウィリアム王子・ケイトさんの結婚式、ノーベル平和賞を受賞したツツ司教らの自分撮り写真が作られています。旧英国領の南アフリカらしい写真の選択と言えるかもしれません。

真似になってしまいますが、同じアイデアで日本のニュース写真でも面白いものが作れるかもしれないですね。

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ネットの事件

Google地図で指摘された「幻の島」の正体が判明

「グーグルアース」記載の島、行ってみたら存在しなかった、というニュースが数日前に話題になっていました。グーグルの地図に表示されていたニューカレドニア近くの「サンディ島」が、実は存在しないことがわかった、というものです。

米インターネット検索大手グーグル(Google)の地図サービスや衛星画像サービス「グーグルアース(Google Earth)」上でオーストラリア北東沖の南太平洋上にあるとされるサンディ島(Sandy Island)が、実は存在しないことが分かった。オーストラリア地質学チーム「サザン・サーベイヤー(Southern Surveyor)」の調査過程で明らかになった。

AFPの記事では、「存在しない島が地図に記載された経緯も不明だが、シートン氏たちは謎を突き止めるため追跡調査を行うことにしているという。」と書かれていましたが、ニュージーランドのオークランド博物館が、この謎の島が海図に、そしてそこからGoogle社の地図に載った経緯について発表しています。

同博物館所属のショーン・ヒギンズ氏が同館所蔵の多数の古い海図を1700年代までさかのぼって調査したところ、1908年の海図(上の写真)に、このサンディ島があったということです。

この島を1876年に「発見」したのは、ベロシティというう名前の船。その後、サンディ島はある地図には存在し、他の地図には存在しないという状態で、現代までその存在が引き継がれてきたようです。

Google Maps Maniaブログによれば、このVelocityという船、1827年にイギリスで建造されてからしばらくは英米間の輸送船として使われましたが、その後ポルトガル船に拿捕され、オーストラリアへ移され、そこで船長がサンディ島の発見を報告した1876あたりには、捕鯨船および(南太平洋諸島からの)奴隷運搬船として使われるようになったそうです。

オーストラリアのオンライン図書館に記録があり、なんと1870年時点の船の写真まであります。幕末の偉人の写真があるのだから、時代的にはあっても不思議ではないですが、よく整理されてアクセスできるようになっているなと。

最初のニュースの時、「地図会社が競合会社のコピーを発見するためのダミーの島ではないか」という意見も出ていましたが、どうでもいい位置のどうでもいい無人島などだと、意外と訂正されることもなく世界中にたくさん存在しない島があるのかもしれませんね。国境付近にあったり周辺や地下に資源があったりすると、もっと小さな岩礁でも大騒ぎになって戦争まで起こりうるというのに。

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