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ネットの事件

とある「ブラウザ拡張が Manifest V3 に対応しました」リリースの機能一覧がすごいことに

Chrome拡張機能を作る際の仕様が Manifest V2 から Manifest V3 に移行するという件に絡んで、表示中のwebページをhtml一個にまとめて保存してくれるブラウザ拡張 SingleFile の「対応」が面白いことになっていると reddit で取り上げられていました。

Manifest V3 対応版を謳ったSingleFile-Lite がそれなのですが、その README に掛かれた対応版の主要機能はというと、

  • 信頼できない自動更新機能
  • バックグラウンドでの自動保存機能なし
  • 時間の掛かる保存は上限5分で打ち切り
  • 必要な時にも referer を勝手に挿入しません
  • Fontface API経由での独自フォントの読み込みを制限
  • 他も乞うご期待!

Manifest V3 に対応する修正をした結果、いろんな既存機能がデグレードしてしまったんですね。

そして、Manifest V3 対応による新拡張機能の利点はというと、「なし」とのこと。

ブラウザ拡張がユーザーの読み書きするデータを参照する権限を獲得する粒度が大きすぎたために、従来の Manifest V2 のAPIでは必要以上のものを取られることがあり、これが悪さをするブラウザ拡張の跋扈を招いたと言われます。Manifest V3 では拡張が何でもはできないように権限を絞っているらしいのですが、そうなるとこれまで提供できていた機能を続けられなかったり、同じ機能を実装するのが大変になったりする拡張も多いのでしょうね。

SingleFile の作者も、制約の多さに嫌気がさしたのかも。やけくその対応版 Lite のリリースは開発者の悲鳴なのかもしれません。どんなAPIにアクセスしていたか次第で、V3への対応の大変さはまったく違っていそうですけれど。

via reddit

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セキュリティ

キー操作でブラウザ操作できるSurfingkeys Chrome拡張の新バージョンが、検索を謎のsmartwebfindersに変えようとする

Surfingkeys というオープンソースのブラウザ拡張ツールの新バージョン1.0.7が、キー操作でブラウジングできるという本来機能と無関係に既定の検索エンジンを謎の smartwebfinders に変えようとするというバグ報告が上がっています。

Chromeウェブストアで新規インストールする際も、「smartwebfinders.com に変更するよ」と出てきます。出てくるだけ昔よりは安全で避けられるとは言えますが、誰もがここを読んで考えるかというと…

Ultrasurf という別の Chrome拡張でも同様の切り替えが要求されていたということですが、この切り替えられる smartwebfinders.com は、ブラウザからアクセスしてみても Google に転送されるだけの謎のサイトです。

GitHub のソースコード上ではバージョン 1.0.6 が最新で 1.0.7 は無いため、第三者によって勝手に改造されたものが Chrome Store に上がったのかとも思われました。しかし、GitHub issues で拡張作者の brookhong 氏が「smartwebfinder は Bing のプロモーションで、強制的に検索エンジンを変えさせるわけではないので安心してほしい」と回答したため、作者が関知しているのかと騒ぎになっています。

# smartwebfinder が Bing のプロモーションだという他の主張は見つかっていません。Microsoftはたぶんこんなことしないと思うんですが。

Google 検索に転送されていることから、この変更を accept しても当座はこれまでと同じように Google 検索が呼び出されるのでしょう。しかし設定自体がこの別ドメインになっているのだから、いつ自由に別のところに飛ばされるようになるかわかりませんよね。

作者のこの回答を見て、GitHub の brookhong 氏のアカウント自体が乗っ取られたのかもしれない、と brookhong 氏にプログラマー向けの質問をする作者の知人らしき人もいますが、今のところそれ以上の返信は来ていません。

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ツール

ublacklist – 検索エンジンの結果から特定ドメインを排除するブラウザ拡張

iorate/ublacklist は、グーグル検索(やその他の検索エンジン)で、検索結果から特定のドメインの結果を隠すというブラウザ拡張(Chrome, Firefox, Safari対応)です。

Chrome Store での Ublacklist拡張配布ページ

Chrome版でためしてみました。ブラウザの上部に進入禁止のようなロゴの Ublacklist ボタンが出て、そこからオプションの編集画面へ行けます。

オプションメニューでは、検索結果から排したいドメインやURLを、正規表現などで指定できます。

ublacklist拡張のオプションメニュー

とは言っても、マッチさせたいパターンを入力するのはプログラマー以外は楽ではないでしょう。

ublacklist拡張で、検索結果からサイトをブロック対象に追加

検索結果のページから、「このサイトをブロックする」でパターンを追加することもできるので、検索しながら「このサイトの結果は自分には合わないな」と思ったら追加していけば、自分のブロックリストを育てていくことができるでしょう。

メニューも説明もすべて日本語化されていますし、ブロックしたサイトのリストを他のPC間で共有したり、公開して他のユーザーに共有したりと、機能が充実していますね。オープンソースで更新も活発そうです。

業界によっては検索しても上位のページが検索エンジンに特化されたものばかりで、実際に役に立つページが見つけにくいということもあるでしょう。そういうサイトを頭で覚えて避けていくのも年功かもしれませんが、このようなツールを使って見分けるところも自動化してしまうのは仕事の効率化の一つと言えるでしょう。

どのサイトの情報が自分にとって有用かを見極めること自体が難しいこともあるでしょうし、一度ブロックしてしまうと間違いを正せなさそう、などの問題もありそうですけれど。

Hacker News では、uBlock Origin など一般的な広告ブロッカーツールなどで同様の結果を得るための設定方法も紹介されていて、これはこれでブラウザ拡張を入れる個数が増えなくていいと思います。機能特化した拡張の簡便さを取るかどうかですね。

[追記] 社内から、StackOverflow の単純機械翻訳サイト(スパムサイト)をブロックするリストの情報を教えてもらいました。これいいですね。

via uBlacklist – Block specific sites from appearing in Google search results | Hacker News