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ネットの事件

WordPress創業者マット・マレンウェッグ氏がtwitterの良いとこ探し、開発者を勧誘

今も世界中で使われているオープンソースのブログツール WordPress を作ったマット・マレンウェッグ氏が、ツイッターアカウントにて面白い呼びかけをしていました。

ツイッターの中にもとても良くできている機能がある。もしあなたがその開発者だったらうちで仕事しないか、という呼びかけです。

# 文末の HMU(Hit me up) は連絡してよ、という意味。

twitter 社の大量のリストラが話題になっていますが、こういうリストラは部署単位や機能単位で行われているため、リストラに遭った社員本人の能力の問題というよりはその部署にたまたま居た不運の方が大きいでしょう。実際、必要不可欠な人材までリストラしてしまったとかで、呼び戻しが始まってるというニュースもありますね。

このツイートは、WordPress の長年の改良でwebサービスにどんな機能が求められているか熟知しているマレンウェッグ氏の視点で、twitter のサービスやアプリが持っている機能のどこを評価しているか、それを自分のサービスにも採用したがっているか、という点ですごく勉強になるものだと思います。

勧誘の中でツイッターの優れた機能実装として挙げられているのは、

  • 埋め込み機能 (tweetを他のwebページに表示する機能?)
  • ウェブアプリ ( twitter.com )
  • 関連ツイート
  • 通信環境が悪い時のアプリの動作

この機能を作ったエンジニアにとっては誉め言葉ですよね。言われてみればここであがった機能が止まったりバグったりはあまり見ていないかもしれません。

ネット環境が貧弱な地域を回ることが多いが、そういう場所で twitter は安定していることが多い、という証言をする人もいました。あまりそういう観点で twitter を評価したことはなかったな。

買収のゴタゴタでいろいろな人が twitter への不満を述べていますが、その中でポジティブな方法で実装を褒め、うまくいけばそれを作れる優秀なエンジニアを勧誘するというのはいい感じだなと思いました。

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ネットの事件

米アマゾンで売られている有力NFT本をまじめにレビューしようとした人の話

NFTに関する売れ筋の本を12冊購入して、NFT 熱に一言申したい、と思った @lcamtuf さんが、どうしようもなくデタラメな本を見つけたという話

12冊全般について、まとめる価値もない(希少性が価値の源泉、みたいな本ばかりだった)と判断されたのですが、特に検索で3位に出てきた本がすごかったそう。☆5つのレビューが100個以上ついています。

前半のNFTの説明では「代替可能性(Fungibility)」と「代替不可能性(Non-fungibility)」を取り違えている、ぐらいでした。それもどうかと思いますが。

中盤からはいつのまにか”NFT”ではなく”Net Price Calculator(ネット料金計算機)”の略である”NTF”の説明が入ってきます。「Net Price Calculator の略」って、N しか合ってないじゃないですか。

さらに数ページ後には化学療法の薬の利用を減らす手法”NFP”の説明にと話が変わっていたそうです。要はこの書籍はテキストの分量はあるというだけのデタラメということですね。

@lcamtuf さんは当初、この本は依頼によってコンテンツを濫造するコンテンツファームに、各章バラバラに依頼されたものではないかと疑ったようです。内容に一貫した繋がりが見られないからですね。

しかし、それにしても文中の NTF やら NFP やらをその周辺の用語と一緒に検索しても、書籍に出てきた内容に似ている内容すらも出てこないのは変だ、と。確実な証拠はないものの、これは質の悪い人間の執筆者の集合によるものではなく、AIによる自動生成文を書籍化したものなのでは、と考えているそうです。

その後Amazon が何かしたのか、レビューの数はだいぶ減っているようです。発売直後のレビューで低評価をつけてる人も確かにいるのですが、絶賛してるレビュワーもまだ残っていますね。ここで抜き出された文章が本当なら、そして通してこの本を読んでいるなら、とても絶賛できるようなものではありませんけど。

電子書籍だけならまだわかりますが、ペーパーバック版もあるということは、こういう難しいことを解説する系の本はリアルに出版しても儲かるぐらい売れてしまうのかもしれないですね。

こんな本が混ざっていると、表紙買いとか積ん読とかはできないですね。

via Hacker News

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とある「ブラウザ拡張が Manifest V3 に対応しました」リリースの機能一覧がすごいことに

Chrome拡張機能を作る際の仕様が Manifest V2 から Manifest V3 に移行するという件に絡んで、表示中のwebページをhtml一個にまとめて保存してくれるブラウザ拡張 SingleFile の「対応」が面白いことになっていると reddit で取り上げられていました。

Manifest V3 対応版を謳ったSingleFile-Lite がそれなのですが、その README に掛かれた対応版の主要機能はというと、

  • 信頼できない自動更新機能
  • バックグラウンドでの自動保存機能なし
  • 時間の掛かる保存は上限5分で打ち切り
  • 必要な時にも referer を勝手に挿入しません
  • Fontface API経由での独自フォントの読み込みを制限
  • 他も乞うご期待!

Manifest V3 に対応する修正をした結果、いろんな既存機能がデグレードしてしまったんですね。

そして、Manifest V3 対応による新拡張機能の利点はというと、「なし」とのこと。

ブラウザ拡張がユーザーの読み書きするデータを参照する権限を獲得する粒度が大きすぎたために、従来の Manifest V2 のAPIでは必要以上のものを取られることがあり、これが悪さをするブラウザ拡張の跋扈を招いたと言われます。Manifest V3 では拡張が何でもはできないように権限を絞っているらしいのですが、そうなるとこれまで提供できていた機能を続けられなかったり、同じ機能を実装するのが大変になったりする拡張も多いのでしょうね。

SingleFile の作者も、制約の多さに嫌気がさしたのかも。やけくその対応版 Lite のリリースは開発者の悲鳴なのかもしれません。どんなAPIにアクセスしていたか次第で、V3への対応の大変さはまったく違っていそうですけれど。

via reddit